年金不安の正体 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480072658

作品紹介・あらすじ

不満につけこみ、不公平を騒ぎ立て、制度が崩壊すると危機感を煽る。不安を利益に変える政治家や評論家、メディアのウソを暴き、問題の本質を明らかにしよう。

感想・レビュー・書評

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  • 年金100年安心プランは、
    100歳まで生きる国民が、100歳まで安心して生活できる年金という意味ではなく、
    現在賦課方式年金システムを今後の100年間維持することができる制度という意味だった。

    年金は、老後の生活を補助するもので、
    生活のできない人は、生活保護のシステムを利用する前提だそうだ。

    納得できたが、増税されると自分たちには返ってこないで、政治家の利権に使われてしまうと考えるのは、
    私だけだろうか?

    政府を信用できないのが原因だろうな。

  • 現行の年金制度は、いろいろ批判はあれど、数々の制約条件の中で概ねまともに運用されてきている、という趣旨か。
    それはそれで説得的ではあるものに、他方で釈然としない思いが残るのも偽らざるところ。

  • こういう偏った意見もあり。かな

  • 著者は、与党の回し者か、あるいは、親の仇かたのか、と言わんばかりに現在の年金システムや雇用システムへの批判に反論している。

    と言うとちょっと言い過ぎで過剰な表現ではあるが、今の社会保障システムに対して、よく言われる批判は、直感的で嫌な感情に走りすぎていると言う事をデータとともに一般向けにわかりやすく解説している。

    すでに見聞きしたような内容ではあったが、改めて復習も兼ねた勉強になった。

  • 高負担と高福祉は不可分である。理屈ではみなわかるはずなのに「トク」をしたいという根性から脱しきれないのが人の性である。政治「屋」は、「人の性」を反映して生きているのだから、結果として低負担と高福祉という偽りに目を背けて生きている。自分の可愛い子や孫に各自に重くなる負担をおしつけながら。

  • 何故国会では事実に基づいた議論ができないのか、自民党がもっと正しい議論に導くべきでないのか。マスコミも野党の目眩しの議論に乗っかってはいけない。
    本書が正しいのかは別として、不都合な事実に蓋をするのではなく、正々堂々と事実に基づいた議論を行う場にして欲しい。

  • 賦課方式は〇、少子化や運用益のマイナスは問題ではない。未納者問題のウソ…。年金不安の原因は国民の心の中にあり、それは知識不足に端を発していることがよくわかる。問題なのは、公正で冷静な監視者となっていないマスコミ、何でも反対、具体策・実行力なしの野党、何よりも低負担で高リターンを求める国民! ☆五つ!

  • 「年金問題の根源は日本人の心にある」
    「高福祉なら高負担は仕方がない」
    年金制度は破綻すると云われているが、それは本当なのか?いろいろな角度から検証してくれており、本来の年金制度の仕組み、意図を教えてもらえる本です。


  • 年金は賦課方式だから枯渇することはあり得ない。

    所得代替率60%は、平均年収700万円の70%ではない。
    標準報酬ベースだから賞与は引かれる、税金と社会保険料分も除く。更に専業主婦分の3号保険者の年金を含む。その結果、本人分は、30%程度(220万程度)になる。

    標準世帯ならば、夫婦で300万の年金は、教育費や住居費の支出分の減を考えるとギャップは少ない。おひとり様は、いままで収入を全部自分に使っていたので、それとのギャップは多い。

    マクロスライド制で少しずつ給付を減らす。2100年でも所得代替率は50%を維持する。

    ベーシックインカムは、支出するときのコストが少ない。
    等価所得という考え方=4人世帯は4倍ではなく2倍程度(平方根程度)が等価、という考え方。

  • 基礎的な問題点を整理把握するには良かった。しかし、旧民主党を含む野党への手厳しい批判はそのとおりなんだろうが、翻って政権を担当した政権の政策に全く問題はなかったのかというとそうではあるまい。なんと言っても問題なのは、税制の中での消費税自体がどうあるのか、大企業の税負担のがどうなのかについて殆ど触れられていないことだろう。税負担をしなくてはならないのがまるで自然人しかいないかのような議論でいいのか(もっとも、厚生年金の企業負担については触れられてはいるが)。このあたりの議論が、一章を割いて取り上げている割に、野党批判に終止し、すっぽり抜け落ちているので嫌でも偏頗性がかなり鼻につく始末。読まなくても良かった。権丈先生の本を読み返したほうがいい。★-1

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著者プロフィール

雇用ジャーナリスト、経済産業研究所コア研究員、人材・経営誌『HRmics』編集長、ニッチモ代表取締役、リクルートキャリア社フェロー(特別研究員)。
1964年、東京生まれ、大手メーカーを経て、リクルート人材センター(リクルートエージェント→リクルートキャリアに社名変更)入社。新規事業の企画・推進、人事制度設計などに携わる。その後、リクルートワークス研究所にて「Works」編集長に。2008年、人事コンサルティング会社「ニッチモ」を立ち上げる。『エンゼルバンク─ドラゴン桜外伝』(「モーニング」連載)の主人公、海老沢康生のモデル。
主な著書に、『「AIで仕事がなくなる」論のウソ』(イースト・プレス)、『雇用の常識「本当に見えるウソ」』(ちくま文庫)、『面接の10分前、1日前、1週間前にやるべきこと』(小学館文庫)、『仕事をしたつもり』(星海社新書)、『女子のキャリア』(ちくまプリマー新書)、『無理・無意味から職場を救うマネジメントの基礎理論』『経済ってこうなってるんだ教室』(ともにプレジデント社)など。

「2018年 『名著17冊の著者との往復書簡で読み解く 人事の成り立ち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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