- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480072207
作品紹介・あらすじ
「自分で考える」と言うが何をどう考えればいいのだろうか? 様々な分野の達人9人の問いのたて方、そして問い続ける力を探り出す。
感想・レビュー・書評
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最近、問いって何なんだろうと考えている。
問いには視点がある。
問いには質がある。
どう問うかで、そのものが持っている本質みたいなものが、見えてくるような気がする。
対談形式の本なので、全編に亘る問いの在り方というのは、残念ながら私は見出せなかった。
でも、人が考えていく過程を一緒に辿ると、自分にも新しいアイデアや感覚が湧く。
レストラン経営者の松嶋啓介さんとの話を読んでいると、ベタな話だけど、ご飯を美味しく食べたくなりました(笑)
「トップに立つ人は、どこかに楽観的な希望の部分を持ってないといけない。……だから、悲観的なところで止めちゃったら、仕事を途中でやめてしまうことになるという意識が自分にはあります。」
「希望は見ようとしないと見えてこないものですから。悲観的な結論は分析の問題なんですよ。でも、楽観的な結論は意志の問題なんですね。」
長沼伸一郎さんの言葉から。
後に、別の人が、自分の職場をブラック化しているという話もあって、自分の仕事の仕方を考える。
容量の少ない自分が仕事に求めるものは何で、そのためにどんな働き方が出来るのかなー。
「視点は一つで『これは面白い切り口だな』というもの。視野はもうちょっとブロードに全体を眺めるもの。それをもっと上から俯瞰すると視座になる。」
御立尚資さんの言葉。
言葉の違いを知っていることは、物事の捉え方、考え方に影響する。面白い。
「楽天のサイトでは、楽天から直接ものを買うのではなくて、生産者や店舗から買うという感覚が強い。(ユーザーと店舗さんの距離がすごく近い。)一方でアマゾンは、完全にものだけを運ぶという世界です。(安く大量に届ける。まさにキリスト教的な経済がそのまま形になっている。)」
寺西重郎さんの言葉。()は筆者。
日本とアメリカの消費文化、そこに商人がどう介入するか、また仏教とキリスト教的な考え方にまで至っていくのだけど。
生産者と消費者の距離の近さ。
これは日本の地政学的にもそれが可能だからなんだろうけど、すごく面白い。
と言いながら、私は楽天の雑然感が好きではなくて、amazonの機能的シンプルさに行ってしまいがちなのだけど……。
冒頭、グランド・チャレンジの話があった。
数学の「未解決問題」なんかは、有名と思う。
問いを立てるのは必ずしも自分でなくてもいいのだな、と思える。
そして、立てられた問いを理解することは、やっぱりその世界の本質に触れることなんだと、繰り返してみる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
イノベーションに一番重要なのは、学ぶではなく忘れること
コンセプトを見つけるために、旅をする。それに加えて自分の人生が毎日旅だと思うこと
キリスト教的消費と仏教的消費は違う
キリスト教は神様と自分、仏教は周りと自分。
Amazonは直接注文。楽天はWebのお店で選ぶイメージ
上記が心に残りました。 -
情報収集の手段としてスマホしか発想できず、ウィキペディアを平気の平左で引用するあたり、学者として誤っていると感じた。
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本質的な問いを立て、長期にパフォーマンスを維持する究極の手法を提示する名著。
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出口治明さんとの対談で、出口さんの「大局観」に改めて恐れ入った。何冊も読んできた魅力がそれだったんだとやっと腑に落ちた。出口さんの本をもっと読みたくなった。
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インタビューの対象者が結構幅広く、学者はもちろん、AV監督まで、結構面白い
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■著者が扱っているメインテーマ
自分で考えるとは何をどう考えればよいのか?
■筆者が最も伝えたかったメッセージ
決まったパターン以外を認識する力を養うために、制約を与えて考えてみたり
与えられた条件以外の視点を取り入れて考える。
■学んだことは何か
考える状態に持っていくために、疑う姿勢と定量化されていない部分を見る姿勢
また、大を小に分解する力、白か黒にとらわれないオープンな心が大切。 -
何を考えてよいかわからない。問が進まない。そんな時は問の立て方が悪いか、そもそも知識が不足しているかである。だからこそ、日々知識を増やすと同時に、イシューを具体的に特定することを忘れないようにしていきたい。また、書中で登場する著名人に共通するのは、その分野の歴史に詳しいことであった。時間軸×空間で思考することが重要と説かれているが正にその通りである。「本を二冊、三冊読んで、仕事に役立つとか、人生に役立つとか、そんな簡単なもんやったら人生楽ですよね」という出口さんの台詞はすごい刺さった。