朝ドラには働く女子の本音が詰まってる (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480071361

感想・レビュー・書評

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  • 本を読んでいるというより朝ドラ大好きな人と語り合っているみたいで、あっという間に読み終わってしまった。
    本書で引用されているドラマのうち「ちりとてちん」だけはまだ観ていないので、その部分は読まなかったが、他はじっくり読ませてもらった。

    題名には「働く女子の本音」とあるが、そんなに堅苦しいわけでもなく「向井理格好良かったね〜」とか、糸子の生き様から伝わる「堂々とせよ」というメッセージとか、水口さんの「君」から時代と相手との距離感の話など、なんとなく感じてはいたが形に出来なかった思いを言い切ってくれていて気持ちよかった。
    この本で扱っているのは「ひよっこ」までなので、今の朝ドラでもまた語ってほしい。

  • 朝ドラが、「働く女性の一代記」というベースのフォーマットを踏襲しながらも、驚くほど多様で豊かな働き方、生き方、キャラクターを生み出してきたというのが素晴らしいことだと思う。

    それぞれの主人公に共感したり、違和感を感じたり、筆者やその友人の生の感想が聴けるような本で、とても楽しく読んだ。

    働くと言っても、会社を立ち上げたり新しい雑誌を創刊するとったものもあれば、家業を継いて従業員とともに七転八倒するというものもあり、アイドルになって地元を元気にするというのもある。

    また、仕事一辺倒ではなく、恋愛や子育て、親戚など、生きていく中で関わり合っていく周りの人々との関係性も含めて、一つひとつが共感や議論の種になる。

    半生を描いているドラマではあるけど、特定のライフスタイルやキャリアを押し付けるのではない。その人の人生に自分を重ね合わせなくても、その中のワンシーンやセリフの一言に感動したり励まされたりするのも含めて、朝ドラの魅力なのだということがよく分かった。

  • ひよっこ以外はおおむね著者と好み似ている。
    比較的新しいものが中心。
    2007のちりとてちんから2017のひよっこまで。
    自分もちりとてちん、カーネーション、あまちゃん、あさが来たは好きだった。
    まれが微妙だったのも同意。
    逆にひよっこはあまり印象に残っていない。
    とと姉ちゃん(2016)と花子とアン(2014)、べっぴんさん(2016)はそこまで悪くなかったけどな。主人公に共感はできないが。
    生涯独身のヒロイン、とと姉ちゃんが朝ドラ初だったとあるが、2000年のオードリーもでは?
    仕事が忙しくて真剣にみれていないものもあったので、改めて考察を読んで懐かしく感じ、理解も深まった。やはり著者は人生経験を積んだだけあって着眼点が違う。

    簡単な著者の考察(&自分の感想)
    ・ちりとてちん2007 四草かっこいい。劣等感にあふれながらも自分の道を見つけようともがく主人公に共感(同意!)。最後妊娠して退職というオチはがっかり(覚えていなかった・・・。まだ働いていなかったから自分のこととしてとらえられなかったんだろう)
    ・ゲゲゲの女房2010  向井理の水木しげるはよい夫の鏡(それでも時代のせいか亭主関白な気は当時していた。あの時代にしてはいい夫だったのかもしれないけど)。
    ・ごちそうさん2013 朝ドラの王道。夫があまり魅力的でなく嫁いびりする姉も注意しないので「この人はハンサムなんだ」と頭の中で翻訳して毎日見ていた。妹役の高畑充希がけなげでキュート(これは自分も覚えている)。
    ・カーネーション2011 糸子の恋切ない。周防さん色気あってかっこいい(同意!)。強気で道を切り開いていく糸子はかっこいい。(他に好きな人もいないし優しいから結婚したという消極的選択。今も、「結婚」そのものがしたい人や適齢期で焦っている人はそういう人多いだろう)
    ・花子とアン2014 ヒロインばかりが幸福を独占してイラっとする(あんまり覚えてないけど、自己中なくせにちやほやされている子に腹立つ気持ちはわかる)。嘉納伝助は威圧感はあるが恐怖感を抱かせない。品が悪い人を品よく演じる吉田。
    ・あさがきた2015 榎本佑うまい。
    ・まれ2015 展開が都合よすぎ。仕事と母親業の両立の描き方が、働く母をなめてる。こんな直線思考で物事が進むなら苦労しない。(おおむね同意)。てっぱんの主人公と同じ感じで天然でお人よしだけど周りが助けてくれる。お人よしに最初はウザがられるけど最後には感謝される、っていう構図。
    ・べっぴんさん2016 中学生が台本書いた学芸会みたい。セットも安っぽい。谷村美月うまい。(でも自分は主演の芳根京子もファーストラブとかで怪奇的な演技をしてて好き)
    ・あまちゃん2013 脚本のクドカンは今を生きる女子を肯定的にとらえている。朝ドラが女の一代記(結婚出産夫見送る)でなくてよし!
    ・とと姉ちゃん2016 主人公が寂しい。他人ファーストすぎ。
    仕事で孤独が埋められているように見えないし恋愛もいらない。(自分としては星野さんとの恋愛シーンはキュンキュンしていたが)
    ・ひよっこ2017 実在モデルの成功譚ではないのが素晴らしい。勝たなくていいと言ってくれたドラマ。(同じ岡田作品なら、おひさまよりひよっこより断然2001のちゅらさんがよき)

  • 「カムカムエブリバディ」を鑑賞後、次にみる朝ドラを探していたとき図書館で見つけた本著。

    朝でも慌ただしく出勤する必要がない女性をターゲットに女性の一代記が描かれ続けたこと。
    働く女性の変化から開始時間が15分繰り上がったこと。
    日曜日の大河で描かれる偉人の生涯が
    働く男性の1週間を奮い立たせるなら
    朝ドラは女性たちへのエール。
    描かれてきたのは偉人だけでなく、
    その時代、隣にいたかもしれない、
    自分の祖母や身近な人だったかもしれない女性。
    毎日15分の連続性に元気をもらい、涙する。

    配信で一気見するのがもったいない。

  • 図書館で。

    猛烈に記憶に残る数多の俳優さんたちが次々に頭に浮かんで、ひさびさに再会したような気持ちになって楽しかった。

    カーネーションでの周防さんと糸子の関係について熱く語られていたけれど。
    そうそう、あの朝ドラらしからぬちょっと湿度の高い2人の雰囲気に、当時中学生だった私は「これが大人の恋愛なのか...!?」と静かに興奮していたことを思い出す。笑

    私の中での傑作であるあさが来た、ひよっこ、ごちそうさんあたりは特に共感が多くて、一気に読み進めてしまった。

  • 私は母の影響で小さい頃から朝ドラを見ていた。学校行く前に見たり、見終われなかったら帰ってきてから録画を見たり。当時まだ小学生だった私にとって朝ドラの主人公達はとても眩しく憧れだった。彼らは皆一生懸命で真っすぐで、頑張れなかったり嫌なことを考えたりする自分と比べて自己嫌悪に陥ったりした。
    しかし20歳を超えた今この本に出会い、朝ドラは女性の生き方や働き方をこんなに強く訴えたメッセージだったのかということに気が付かされた。彼女たちは決して真っすぐに生きていたわけではない、悩みや衝突、挫折を繰り返し、それでも生き抜こうとしていた。この本を読んでもう一度朝ドラを見返したくなった。当時の私には見えていなかった新たな物語がまた見えてくるだろう。

  • この本では2007年以降の朝ドラ作品が取り上げられて
    います。

    特に放送時刻を朝8時に繰り上げて「復活」したと言わ
    れている「ゲゲゲの女房」以降が中心です。

    その中でも「カーネーション」「あまちゃん」あたりが
    何度も語られているところから、「なるほど、女性は
    こういう点に共感するのか」と納得させられます。

    平成から令和へと移り変わった現在、朝ドラの必要性は
    女性活躍社会の中では益々重要性を増してくるのでは?

    と感じずにはいられない一冊です。

  •  「ちりとてちん、カーネーション、ゲゲゲの女房、あさが来た」‥‥。著者が熱く朝ドラの魅力を語るが、タイトルとは異なって、かっこいい男性が魅力だ!が妙に説得力があった。結局強い女性はそんなに思い入れがあるわけではないのは、「花子とアン」の花子が好きではない理由からも類推できるので!「あまちゃん」「カーネーション」が著者のいう2大横綱(名作)!脇役の魅力についても頷けるところが多い。吉田鋼太郎、柄本佑などがそれ。一方、「まれ」と「べっぴんさん」にはあまりにも手厳しいが、分かるようだ!

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00260623

  • 抱腹絶倒。うなずくことしきり。

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著者プロフィール

一九六一年三重県生まれ。コラムニスト。八三年朝日新聞社に入社し、記者に。宇都宮支局、学芸部を経て、「アエラ」、経済部、「週刊朝日」に所属。「週刊朝日」で松本人志のコラムを担当、連載をまとめた『遺書』『松本』(ともに朝日新聞出版)はミリオンセラーになる。「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理を経て、書籍編集部で部長を務め、二〇一一年、朝日新聞社を退社。シニア女性誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長となる。一七年に株式会社ハルメクを退社し、フリーランスで各種メディアに寄稿している。著書に『美智子さまという奇跡』(幻冬舎新書)、『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)がある。

「2020年 『雅子さまの笑顔 生きづらさを超えて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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