AV出演を強要された彼女たち (ちくま新書1225)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 131
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480069344
#AV

感想・レビュー・書評

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  • 2022年12月14日読了。AV出演強要被害を受けた女性たちの救済団体「PAPS」の活動をする著者による、被害の典型的パターンとその対応活動の解説。「AVに出るのは自己責任、契約に判を押さなければいい」という考えは浅はかだった。「善良な人間の無知につけこむ」「信用させてだます」「圧力をかけて思考能力を奪う」などの確立したノウハウ・プロセスがあり、それを産業として実行している、というあたりこれは振込詐欺と変わらない社会問題であるのだろう。AVで自己実現してキラキラした人もいるはいるのだろうが、「裸・性交を強要され撮影されてしまう」ということがその人に未来永劫にわたってどんな影響を持つのか、どこまで説明すれば十分といえるのか、AV業界側はそこに誠実に対応してこなかったのだな。被害者は「困ったときに人に助けを求める」簡単なことができないのは残念だが被害者に全ての責を負わせるのは酷すぎる。悪質な宗教のみならず、子どもたちがこのような被害にあわないよう、大人の側が知識を身に着けていかないといけないな…。

  • ひどい状況なのを知らずに消費している人たちが多いのだと思う。多くの人がこの状況を知ってくれたら…と思う。

  • 2023年3-4月期展示本です。
    最新の所在はOPACを確認してください。

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00529402

  • 3.61/109
    内容(「BOOK」データベースより)
    『モデルにならないか、とスカウトされ契約書にサイン、いざ撮影となって現場に行ってみたらAVだった。嫌だと訴えても、契約不履行で違約金がかかるぞ、親にバラすぞ、と脅され、仕方なく撮影に応じると、以後、次々に撮影を強要される…。「AV出演を強要された」女性からの生の声を聞き支援するなかで見えてきた、驚くべき実態を報告する。』

    著者:宮本 節子
    出版社 ‏: ‎筑摩書房
    新書 ‏: ‎237ページ
    発売日 ‏: ‎2016/12/6

  • 騙されないための教育も必要では?

  • 「ポルノ被害と性暴力を考える会」の宮本節子氏が実際に寄せられた被害相談の内容を元に問題提起した内容です。最近は有名なAV女優さんたちが色々と情報発信して昔ほど黒い印象がなくなってきましたが、こういった事が行われているという事実は非常に残念。本書は被害者側からの視点で書かれているので、次は業界側からの視点でも読んでみたい。規制なのか業界ルールなのか分かりませんが策定まで時間がかかるので、まずは自己防衛という観点からもっと世間に広く知られるべき内容だとは思う。男性からの被害相談もあるらしいのは驚いた。

  • 情報弱者が経済的、身体的に搾取される様を冷徹に表した本。男性諸氏としてはお世話になっている方も多いことから目を逸らしてはいけない問題と捉える。
    視聴者の目が肥える、ネットで転がっている動画で満足→商品を買わなくなる→女優の質を上げて購買意欲を増す→人材不足
    といった流れもあるのでは。
    とにかく作り手は真っ当なモデルケースを提示すべきではなかろうか。被害に遭いそうな女性の方は知識を増やす事も必要かと。

  • 最近とみに話題になっている。
    男にとっちゃとってもアレな問題には違いない。
    この本の著者は非常に冷静というか、ヒステリックに自分の側の立場の正義だけを振り回しているわけでなくて良い。中には自己実現の方法としてこの業界に携わっている人がいることも否定しない。
    詐欺まがいの契約からなぜ脱出できないのかという問題も、この業界に限ったことでなく考えさせられる。

    そもそも、性の商品化、と言うことを考えなければいけないんだろう。男と女の認識、情報量のギャップも確かにそうだ。
    ま、女性の側に落ち度はないみたいな書き方は、言い過ぎだと思うけどね。

    もう本当に、義務教育のレベルで、世の中の怖さってのもちゃんと教えていないといけないんじゃないか。この件に限らず。

  • 帯文:”彼女たちが陥ったとんでもない事態とは。” ”アイドルになれると思ったら、アダルトビデオだった!”

    目次:はじめに 今アダルトビデオ業界では何が起こっているのか、Ⅰ アダルトビデオに出演させられてしまった彼女たち、Ⅱ なぜ契約書にサインをし、なぜそこから抜け出せないのか、補遺 契約書には何が書いてあって、何が書いていないのか

  • <目次>
    はじめに いまアダルトビデオ業界では何が起こっているのか
    第1章  アダルトビデオに出演させられてしまった彼女たち
    第2章  なぜ契約書にサインをし、そこから抜け出せないのか
    おわりに

    <内容> 
    タイトル通りの本。著者は「ポルノ被害と性暴力を考える会(PAPS)」の世話人。いくつかの事例を基に、女性たちがいかにこの業界に騙されて入り、抜け出せないのか、その理由は何かがわかる。
    つまりは、こうした知識(契約の問題)が不足しているのだ。学校の教科書には一切書かれていない。しかし、社会に出ていくにあたって、今社会科(そんな教科はもうないが…)で教えるべきものは(特に「現代社会」では)、アダム=スミスやモンテスキューよりも、契約、労働法、選挙関係、権利と義務、金融関係、社会保険などではないか?

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著者プロフィール

日本社会事業大学卒業、公務員を経て全国社会福祉協議会、日本社会事業大学付属日本社会事業学校などで社会福祉従事者養成に関わる。「ポルノ被害と性暴力を考える会」世話人。主な著書に『証言・現代の性暴力とポルノ被害』(東京都社会福祉協議会、2010年、共著)、『ソーシャルワーカーという仕事』(筑摩書房、2013年)などがある。

「2013年 『婦人保護施設と売春・貧困・DV問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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