解決!空き家問題 (ちくま新書 1153)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480068583

感想・レビュー・書評

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  • 昨今の空き家問題に対する問題提起とその解決方法を提示している一冊。

    現状と法制度等の不備から始まり、現状の打開策を具体例を挙げている。具体例については、都市部の事例に偏っているきらいがあり、過疎地の解決策としては少し物足りない。

    手が付けにくい問題ではあるが、不動産の登記制度を抜本的に見直す時期だと思う。国が土地所有者を把握できていないなどということはあり得ないことと思う。

  •  1章はよくある空き家の現状把握、国の無策に対する非難だけど、本書は問題提起のみにとどまらない。(余談だが、任意である登記制度をベースに義務である納税を載せているとは知らなんだ!正直者が損をする、でいいのか。)空き家再生の活路を提案、成功事例を多数掲載しているのが本書の特徴である。

     空き家活用の3つのキーワードは、「収益性」、「公益性」、「社会性」。不動産の常識にとらわれない活用が鍵だ。寿司屋をカフェに、ドヤ街の宿をシェアオフィスに、風呂なしアパートを外国人向けシェアハウスに、銭湯をボルダリングジムに、木造アパートを文化施設に(HAGISO!)、DIY賃貸、認知症カフェ、図書館、などなど、成功事例は後を絶たない。一時期住みたい!と考えていた尾道は全国有数の空き家対策成功の地で、そこには一人の女性の熱い思いがあることも知った。

     ただ、ここで紹介されているのは再生できる・立地がいい建物が多数。どうしようもない建物、活用しにくい立地の空き家も当然多数あるわけで、今後はもっと増えていくことが予想される。こうした売れない・貸せない空き家に対しては、やはり行政がシステムを変える必要があるんだろうなあ。小さなことからコツコツと。できることに目を向けることも大切だと思った。

  • 空き家関係の資料作成時にもう一度読む。

  • ■「空き家」問題は,早くから分かっていた人口動態を無視し,景気対策としての住宅建設を推進した国の無策から生じたもの
    ■全国の空家数は約820万戸(2014総務省)で総住宅数に占める割合は13.5%であるため,ほぼ七軒に一軒は「空き家」
    ■住宅の除去,減築などが進まない場合,2033年には総住宅数が約7,100万戸,そのうち2,150万戸(30.2%)が空き家になる(2015野村総合研究所)
    ■駅から徒歩15分は非常に遠いと評価される
    ■通勤圏30分未満の割合が57.0%(平成20年住宅・土地統計調査)
    ・要因①:バブル以降,土地価格,住宅価格,賃料が下落し,利便性の高い,都市の中心部に住みやすくなったこと。
    ・要因②:働く女性が増え,週休二日制の普及で平日の労働時間が長くなったことから,通勤時間の短縮が求められるようになったこと。
    ・要因③:家族数の減少で,広さ,住環境よりも利便性が優先されるようになったこと。
    ■世田谷区では2013年度から区内の空き家等を社会の資産として活用すべく,空き家を社会貢献的な事業に活用するモデル事業に助成を出したり活用してもらいたいという空き家を募集しているが,相談のあった物件のうち三分の一は建物の欠格から活用できていない。
    ■古くから人が密集して住んできた都市では既存不適格の物件が多い。
    ■Airbnb(エアビーアンドビー:宿泊施設のマッチングサイト)問題
    ・日本では約4,000件(2015年)
    ・空き家を活用した例も多く含まれる
    ・問題は旅館業界との関係
    ・衛生面などの規制がない
    ・湾岸のタワーマンションなどで自室をAirbnbとして貸出しする例あり
    ・利用者が共用施設を我が物顔に占拠するなどの問題がある
    ■DIY賃貸
    ・持ち家を賃貸しやすくするもの

  • 2015年に書かれたちょっと古い本ですが、空き家問題解決のヒントがたくさんありました。

    一番気になったのは…
    P241
    実家を相続して、住まなくなってから、3年目の年末までに売れば、居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例が使える。(これ、今も?)
    それ以降になると、譲渡益に対して、20.315%の税率で課税される。

    私の実家は、母が無くなったら、確実に3年以内に売却しよう!


    空き家を購入して、賃貸している大家です。
    ずーっと思っていることは、コミュティを作りたい。
    そんな思いを再認識しました。

  • 空き家の現状とそれを今後どう活用していくべきかを知れる本だと思った。

  • 2022.01.15 空き家問題の詳細と解決事例を知ることができた。部分的に対応が進んでいることが理解できるが、全体的にはこれから益々問題が顕在化すると思われる。良い解決策を模索しないといけない。

  • ふむ

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  • 空き家をAirbnbしたら、かなりニーズあると思うんだよなあ。

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著者プロフィール

北海道大学教授

「2023年 『経済法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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