女子・結婚・男選び: あるいは〈選ばれ男子〉 (ちくま新書 969)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480066749

作品紹介・あらすじ

近代女子最大の問題、それはもちろん"男選び"だ。打算で結婚するのは卑しい。でも最上の男を手に入れたい。男子に対する尊敬の念と幻滅。女を見る目がない男と、男を見る目がない女たち。ゲーテとマン、夏目漱石から水村美苗までを、一級の男選び(選ばれ)小説として読み直し、何が勝ちで何が負けかもよくわからないままに繰り広げられる悲喜劇を考察する。さあ、「女の子いかに生くべきか」。女子必読!(当然)男子も必読。

感想・レビュー・書評

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  • 思索
    ジェンダー

  • 明治から現代までの恋愛小説・結婚小説を題材に、女子の結婚、男選びを論ずる。

    非婚率が上昇してしまった現在。結婚とは、本来、もっと「打算的」であるべきなのかもしれない。社会の価値観が変わりつつあるのに、結婚に対する理想のみが、高いままにとどまっているように感じる。

    <目次>
    前口上 女子は計算(違い)する
    第一幕 女子は見る目がない
    第二幕 女子は燃えている(か)
    幕間  女子はあなどれない
    第三幕 女子は育てる
    納口上 女子は諦める

    <本書で登場する主な作家・小説>
    尾崎紅葉『金色夜叉』
    ゲーテ『若きウェルテルの悩み』
    夏目漱石『明暗』『虞美人草』
    水村美苗『續明暗』
    高橋たか子
    冥王まさ子
    矢川澄子
    津村節子

    <メモ>
    「なにしろ男はプロバイダー(扶養者)としての役割を課せられる。だから男の富や社会的地位は、男の魅力そのものとして女の目に映る。それでいて打算を働かせずに最上の男を得るというのが女の夢なんです。女が他の女を軽蔑するとしたら、「ああ、打算的に結婚したな」ということがはっきり見える時だと思う。」 『グロテスクな教養』水村美苗(著)より (32)
    塩崎圭二によれば、「結婚を通じて社会的ポジションの上昇を欲望する女性」、現在でも別に珍しくもなく、『金色夜叉』にも『十三夜』にも認められる女性の<男選び>のありようが、その当時は虚栄という言葉で表現され、批判されたのだという。(68)
    女から結婚相手として高く値踏みされる、あるいは、こういう男に打算のない心で深く愛されたいと思われる。(144)
    「生硬な大胆さ」『されどわれらが日々』柴田翔(166)
    夫を庇護し、甘やかし、育てる。つまり夫は子どもである。(210)

    2012.08.16 HONZより
    2012.09.02 読書開始
    2012.09.06 読了

  • [ 内容 ]
    近代女子最大の問題、それはもちろん“男選び”だ。
    打算で結婚するのは卑しい。
    でも最上の男を手に入れたい。
    男子に対する尊敬の念と幻滅。
    女を見る目がない男と、男を見る目がない女たち。
    ゲーテとマン、夏目漱石から水村美苗までを、一級の男選び(選ばれ)小説として読み直し、何が勝ちで何が負けかもよくわからないままに繰り広げられる悲喜劇を考察する。
    さあ、「女の子いかに生くべきか」。
    女子必読!(当然)男子も必読。

    [ 目次 ]
    前口上 女子は計算(違い)する
    第1幕 女子は見る目がない
    第2幕 女子は燃えている(か)
    幕間 女子はあなどれない
    第3幕 女子は育てる
    納口上 女子は諦める

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 作者と編集者が抜粋した小説から女性の結婚観を談話で綴られていくのだけど、読み始めて直ぐに私は飽きてきてしまいました。

    作者と編集者のみが盛り上がられても、私にはその小説の場面が同意出来なかったりという所もありました。

  • 『グロテスクな教養』もそうでしたが、結局何が言いたいのかつかみにくい、焦点が絞れずに読み終わった感があります。幕間の編集者との対話形式の部分も、かえって主題をわかりにくくしているだけのような気がします。むしろ著者の文章だけで構成した方がよかったのではないかと思います。

  • がんばれ、日本の女子。
    私のことも振り向いてもらいたいものだ。。

  • 文学作品を読む、しかも深く読むということがどういうことかと、実に分かりやすく示されている。本書は内容のおもしろさ以前に、著者の個性が際立っており、さらにサポートする編集者も一筋縄ではいかにキャラで、敢えて書き手の個性を晒すことで読みやすくするという工夫が為されている。読み終えたら捨てる本と、書架に並べる本とに分けているが、本書は残す価値あり。しかし、人の心をえぐりすぎていて、あまりに面白すぎるので、広く一般に受けるかやや心配ではある。

  • 面白かった。
    水村美苗を読みたくなった。

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