デジタル時代の著作権 (ちくま新書 867)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480065735

作品紹介・あらすじ

近年における社会のデジタル化の進展はめざましいものがある。ソーシャルメディアの普及、多様な電子端末の登場、電子書籍への移行…。こうした急激な変化の前に、創作者の権利、すなわち著作権のあり方も再考を迫られている。著作物の複製・改変・送信が一般化し、アナログ時代の法体系では対応しきれない状況にあるのだ。著作権をめぐり、今何が変わり、何が問題となっているのか。われわれはどんな点を心得ておかなければならないのか。基本的な仕組みから明快に説き起こす。

感想・レビュー・書評

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  • 著作権の考え方がよくわかった。良書。

  • 2010年の発行で、今から12年前なので、すごく古いかと思っていたら、ほかの本と比較して最も未来のことを示した本であった。
     著作家について自分が権利を守るために、限定させていく考えもあるが、サザエさんのように著作権が厳しすぎるために、メディア・リテラシーの学習でサザエさんを使えるのが日本だけであり、海外ではサザエさんをまったく知らないことがある。

  • 著作権のことを授業する時に参考に読んだ。今となっては、内容が少し古くなってしまったか。

  • 藤本直子先生 おすすめ
    11【教養】021.2-N

  • 技術の側面から著作権の現状を問題提起。著作権は非常にコストの要るツールで権利者の意図や利用者の二次利用など多様なアクターとのバランスで考える必要がある。ネットコンテンツの利用施策が落ち着いてきた今、研究や出版に関わる人やクリエイターは今一度著作権について抑えておく必要がある。「直接侵害」と「間接侵害」の違いや、「個別例外規定」と「一般例外規定」。クリエイティブ・コモンズやフェアユースの思考について。レッシグも読んでおきたい。

  • 著者はレシッグ教授にも師事を受け、現在はグーグル株式会社の法務部長。デジタル・ネットワークの進展と著作権法のねじれ(大衆化)を説き起こす。
    (2章まで読んだところ)

  • 同人活動や二次創作の場面において、著作権は昨今のトレンドです。
    しかし、実際の創作当事者が知っている知識としては、一個人の見解により法解釈をまとめたネット上のページによるものに過ぎないケースがほとんどです。

    そういったページは、大体が「こういうことをすると著作権違反になるかもしれないから、気をつけましょう」という、いわば自動車免許試験の問題文と答えを丸暗記させるような内容のものだったりします。

    創作にあたっている人はやはり、自分たちが取り締まられるのが怖いですから、必死に「熟読」します。
    しかし、そもそも著作権法が前提とした社会構造がすでに崩壊しきっていて、時代に合わない法律なのではないか、ということを深く考える人はそういません。
    中には、時代に合わない法律は変えようと言うと、こちらがまるで法を犯したくて仕方がないように決めつける人がいます。
    そういう人にこそ読んでもらいたい一冊です。

    法が成立した社会情勢や目的のところから立ち返らないと、自分で自分の首を絞めることになるよ、ということが端的に描かれてるように思いました。
    ネット上でそのページを「熟読」することさえ、もしかしたら著作権法違反になる可能性もあったのかもしれないのですから…

  • 著作権に関する判例などから今後の流れ・考え方の概説
    日本の著作権について考えるときの基本概念や,判断材料となる過去の判例や条約などの制定過程などを示しながら今後どうしていけばよいか考えが示されている。

    具体的には,以下のような話題を扱っている。
    * ソニーのビデオレコーダー判決
    * Winny判決
    * 著作権保護期間延長の是非
    * フェアユースの利点・欠点
    * サイエンス・コモンズ(科学技術分野のライセンス)
    * ウィキペディアのライセンス切り替え(GFDL▷CCライセンス)

    巻末に参考文献として,判例の正式な名称や書誌情報がきちんと明記されており資料としての価値が高い。
    今後のライセンスや著作権のあり方,基本概念を抑える上で有益だった。

  • 100年以上前の著作権が生まれた時代から、今のデジタルの世紀までの間で、技術が驚くべき進歩を遂げ、著作権問題がが一般の人にも避けて通れなくなった現在。メディアの変遷とそれに著作権に関する法律がどう解釈され、適用されれていったのか、具体例も紹介しながら、ていねいに解説してくれています。非常にわかりやすい。
    著作権のことについてこの本1冊を読むだけでも、ずいぶんと目を開かされれる。市井の人々も、この本を読んで著作権に関する教養は付けておきたい。

  • [ 内容 ]
    近年における社会のデジタル化の進展はめざましいものがある。
    ソーシャルメディアの普及、多様な電子端末の登場、電子書籍への移行…。
    こうした急激な変化の前に、創作者の権利、すなわち著作権のあり方も再考を迫られている。
    著作物の複製・改変・送信が一般化し、アナログ時代の法体系では対応しきれない状況にあるのだ。
    著作権をめぐり、今何が変わり、何が問題となっているのか。
    われわれはどんな点を心得ておかなければならないのか。
    基本的な仕組みから明快に説き起こす。

    [ 目次 ]
    序章 なぜ、今、著作権なのか
    第1章 著作権が保護するもの
    第2章 ゆらぐ著作権―その歴史と現代の課題
    第3章 技術と法律のいたちごっこ―間接侵害について
    第4章 ハリウッドが著作権の世界を動かす
    第5章 科学の世界と著作権
    第6章 柔軟な著作権制度へ―フェア・ユースとクリエイティブ・コモンズ
    終章 これからの著作権制度で考えること

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

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