- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480064011
感想・レビュー・書評
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これは面白い。大学入試問題を深く掘り下げ解説してゆくので、大学生なら十分に読める内容だ。
というより、高校でここまでのレベルの解説をやったらどうだろう。
「哲学」という分野へのアプローチは高校の頃にもうやるべきだと常々思っていて、こういう手法なら楽しくやれるんではないかと思った。
095頁9行目8文字目、誤植。
良い本は読み終わるのが惜しい。問題を解き、設問の回答で答え合わせをし、解説を読む、というやり方で読んだので時間はかかったが、時間をかけた分、自分が浅い読みをしたところ、逆に筆者と同じ読みをしたところがとても明確にわかる。
実在論や時間についての哲学的解釈が特に多く書かれていて、とても興味深かった。
続編をぜひ出してもらいたいなあーヽ(´ー`)ノ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ためになる本なのだろうけれど、いかんせん難しい。誤読するところまでいかず、理解しようと必死になっている状態。
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入試現代文で哲学する、という企画が興味深くて手に取った。
もちろん、入試現代文の設問に対する批評にもなっているのだけれど、
何より本書は、文章を精読するプロセスをかなり詳細に示してくれている。
本気で思考するとはどういうことか、を知りたい人にとっての最良の入門書だ。 -
頭つかうわあ。
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哲学
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本書は、大学入試問題で引用された、野矢茂樹・永井均・中島義道・大森荘蔵の文章に関する問題を解きながら、どうして作者や出題者、解説者、回答者それぞれが読みや意図がずれて〈誤読〉してしまうのかを語るもの(とにかく哲学に関する文には誤読がつきまとう)。哲学の本のジャンルでも、現代文についてのジャンルでも、本書は極めて奇異なものである。
だが実際には、彼らの文章の内容を読み解き、その中から哲学的な問題(引用文からは過去・現在・未来[特に過去の〈過去性〉に関する問題])について著者が解説しながら、入試問題を解いていく。
哲学の入門書のように、哲学者や哲学用語なるものは殆ど出てこないが、丁寧に問題文や文章を読み進めていかないと、内容は易しいものではない。
それでも、歴史哲学や時間論、歴史の物語り論などに興味がある人には、本格的に始めるための初級本として向いている。 -
[ 内容 ]
哲学の文章は「誤読」の可能性に満ちている。
すべてを人生や道徳の問題であるかのように曲解する「人生論的誤読」、思想的な知識によってわかった気になる「知識による予断」、「答え」を性急に求めすぎて「謎」を見失ってしまう「誤読」、そして新たな哲学の問いをひらく生産的な「誤読」…。
本書は、大学入試(国語)に出題された野矢茂樹・永井均・中島義道・大森荘蔵の文章を精読する試みである。
出題者・解説者・入不二自身・執筆者それぞれの「誤読」に焦点をあてながら、哲学の文章の読み方を明快に示す、ユニークな入門書。
[ 目次 ]
第1章 「謎」が立ち上がる―野矢茂樹「他者という謎」(「答え」ではなく「問い」;「問い」というよりも「謎」 ほか)
第2章 “外”へ!―永井均「解釈学・系譜学・考古学」(解釈学;系譜学 ほか)
第3章 未来なんて“ない”―中島義道「幻想としての未来」(テーマ;概観 ほか)
第4章 「過去をいま引き起こす」ことはできるか?―大森荘蔵「『後の祭り』を祈る」(私の読み方の強調点;「酋長の踊り」という話の紹介 ほか)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
あとがきに「初校の段階で通して読んだときに、妙な執念みたいなもの・過剰なこだわりみたいなものがあちこちに漂っているのを感じて、その「しつこさ」に自分でもちょっと辟易した。「何でこいつは、こんなことを一生懸命にやっているのだろう?」とも思った。」とありましたが、私はむしろ好感しました。奥深く読み込む姿勢、誤読に対する厳しいツッコミ…いえ切込みがカッコよく感じました。丁寧に何度も書かれていて、図にするなどわかり易く、入試問題に対して寄り添って考えてくれています。
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入試問題の哲学文書を使って哲学したもの。ユニークな企画だけど頭にはいらなった。
年をとって入試問題とかを考えるのが億劫になったのか