芭蕉の風雅: あるいは虚と実について (筑摩選書 121)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480016270

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  • 芭蕉がめざした藝術は俳句ではなく、俳諧。その証拠ともいうべき歌仙(連歌)を読み解く。有名な俳句(発句)ではなく、去来・凡兆ら一門との歌仙の中で、脇・つぎ句の中に芭蕉の名を見るのは新鮮。歌仙は「座の文学」だそうで、共同作業として影響し合い融合し合い、言葉を紡ぎ織りだしていくもの。現実とは別に打ち立てたある意味でバーチャルな世界が風雅のようである。その代表的なものとして「奥の細道」市振の宿で出会った二人の遊女との出会いと別れが創作であると解題。有名な「古池や」は弟子の意見で其角が「山吹や」としたが、芭蕉が聞きいれなかったとの解説は面白く、2つを比較すると納得する!また芭蕉の名句が古典の詩歌を踏まえているということも風雅!

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著者プロフィール

長谷川櫂
一九五四年(昭和二十九年)生まれ。俳人。「読売新聞」に詩歌コラム「四季」を連載中。朝日俳壇選者、俳句結社「古志」前主宰、インターネット歳時記「きごさい」代表、「ネット投句」「うたたね歌仙」主宰。著書に、句集『虚空』(読売文学賞)、『震災歌集 震災句集』、『沖縄』、『九月』、『太陽の門』のほか、『俳句の宇宙』(サントリー学芸賞)、『古池に蛙は飛びこんだか』、『俳句の誕生』などの俳論、『俳句的生活』、『俳句と人間』などのエッセイ、『和の思想』、『文学部で読む日本国憲法』などの日本文化論がある。

「2023年 『四季のうた 雨ニモマケズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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