武器になる! 世界の時事問題~背景がわかればニュースがわかる

著者 :
  • 大和書房
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479797159

作品紹介・あらすじ

世界のことだけど、自分ごとだ。

アメリカ大統領選挙、中国に端を発した新型コロナウィルス・・・。 
遠くの国で起きたできごとが自分の生活に直結する、混迷の時代。
大きく変わる世界情勢を読み解くためのバイブルが登場!

◆トランプは再選なるか? 
◆中国はどこへ向かうのか? 
◆EU、中東、朝鮮半島は? 
◆日米関係の今後と沖縄問題は? 

この1冊で一生モノの国際教養を身につけられる!
その鍵は「少し前の歴史を知っておくこと」。

関西学院大学の学生たちに向けて熱く語った、池上先生の名講義。
このわかりやすさは池上先生ならでは!
世界のあちこちで起きている時事問題がすっきりわかる、
今こそ真の国際教養を身につけたいあなたへ最適の1冊。

【はじめにより】
経済が発展する中国ですが、二〇二〇年初頭の新型コロナウィルスによる肺炎は、情報統制が行われた結果、対策が遅れ、感染者が拡大しました。共産党の事実上の一党独裁の欠陥が、改めて明らかになりました。
その中国では、過去に何が起きたのか。信じられない歴史があったにもかかわらず、共産党にとって都合の悪い情報は隠蔽されてきました。情報が隠蔽されると、過去の失敗から学ぶことができないことがよくわかります。

【目次より】
第一章 アメリカという「不思議」の国
第二章 EUは何を目指したのか
第三章 戦後の日米関係を総括する
第四章 沖縄問題とは何か
第五章 中東問題とは、「ユダヤ」「イスラム」とは何か
第六章 中国の「失敗」と「成功」
第七章 朝鮮半島問題
第八章 世界地図を読む

感想・レビュー・書評

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  • 池上さんの本、99冊目。
    100冊目も予告しておきますね。
    増田ユリヤさんとの共著で『感染症対人類の世界史』です。
    楽しみ♪

    さてこの本は昨年夏、関西学院大学で行われた講義をまとめたもの。
    私の頭の中では「出口治明さんが立命館。佐藤優さんが同志社大学。そして池上さんは関西学院大学か」。

    そしてこれだけ池上さんの本を読んでいると、もちろん初めてじゃないことも多く、それは忘れっぽい私にとって繰り返して復習になってとても良いのです。
    でも新しく知ることも沢山あって、池上さん、知識を小出しにしているんだなと。
    池上さんの頭の中って広辞苑みたいなんだろうなあ。

    「はじめに」にコロナのことが少しだけ書かれています。
    「中国共産党の欠陥が改めて明らかになりました」。

  • アメリカという国の成り立ち。トランプさんが登場した背景。EUを離脱したイギリスが向かう先や離脱までの紆余曲折。EUが出来上がった背景。沖縄とアメリカとの関係など。
    最後に国境の問題がありましたが、インドとパキスタンの国境問題に中国の絡みがあったことが興味深かったです。国境とは宗教であり民族であり国家のパワーバランスでありと言う感じがしました。すでに知っていることや知らないこと含めて、分かりやすい一冊だなと思います。

  • アメリカ、EU、中東、中国、北朝鮮と満遍なく世界の情勢や時事問題が書かれています。どの章も池上さんの丁寧な語り口で分かりやすくためになりました。特に気になったのは北朝鮮の拉致問題について。もう少し日本人として意識を持って生きていきたいと思いました。

  • 深くを知りたいのなら、原点を訪ねるのが一番の近道。

    東工大講義と重複している部分が多いのですが、こちらの方が情報が新しいのはもちろん、わかりやすく書かれているように感じました。
    トランプ大統領の誕生、ブレグジット。多くは過ぎ去った出来事ですが、理解をする事で、先見の明が生まれるかもしれません。

    賢者は歴史に学ぶ。

  • 紛争が起こる度、それが日本から遠い(地理的に)ほど、背景がわからずどうにも判断がつかないので、「背景がわかればニュースがわかる」というサブタイトルのついたこの本を読んでみた。生憎、旧ソ連については触れられていないのだが、EUの抱える問題についてはざっくり読み取ることができた。また、2020年の書籍なので、世界的にナショナリズム(自国ファースト)に傾倒していく一歩手前の流れが見え、今現在、新聞で知っている印象とはやや違う面もあり、興味深い。しかし、時代の流れが早過ぎると思い知った。締めの言葉が秀逸‼️

  • アメリカ、EU、戦後の日米関係、沖縄問題、中東問題、中国、朝鮮半島問題などが取り上げられているが、やはり複雑なのは「中国問題」。少し我流で纏めてみた。
    ○中国共産党という独裁体制
    ・中国には「共産党」の他に8つの政党があるが、いずの綱領にも「中国共産党の指導に従う」とある。そもそも共産党は憲法より上位位置する。従って、憲法違反かどうかを判断するのも「共産党」となる(三権分立の否定)。
    ・人口の6%にあたる「共産党員」が、行政や司法機関、企業や農村などあらゆる部門で指導的な役割を果たす(中国社会のエリート)。党員には不逮捕特権があり、警察も検察も手を出せない。入党(18歳以上)には党員2人の推薦の他、学業成績や家庭の政治的背景などの厳格な審査を経て、党による思想教育などを受ける必要がある。正式な党員になるには少なくとも1年以上を要する。
    ・毛沢東(1893-1976)が「百花斉放・百家争鳴」の方針を示す(1956)。しかし、共産党を批判すると「右派」のレッテルが貼られ、弾圧を受ける(反党・反社会主義の「毒草」)。
    ○大躍進政策(1958-61)から文革(1966-76)へ
    ・「大躍進政策」での「庭先での溶鉱炉建設」などの失敗。1958から61年にかけて、3000万人以上が餓死。毛沢東の権威が揺らぎ、国家主席の座を劉少奇に譲る(共産党主席の座にはとどまる)。劉少奇は、大躍進政策での飢饉は毛沢東による人災と非難。毛沢東が権力を再び手にいれるために始めたのが「文化大革命」。
    ・劉少奇と鄧小平の登場は、毛沢東の地位の相対的な低下を意味した。そこで、毛沢東は彼らを「実権派」(権力主義者)「走資派」(資本主義者)と決め付け、糾弾する。そのために展開した大衆運動を「文化大革命」と呼ぶ。
    ・「造反有理」のスローガンの下、「紅衛兵」(毛沢東によって動員された学生、工場労働者)は、権力者(役所幹部、官僚)に「腐敗分子」と書いた帽子をかぶせ「自己批判」を迫る(ジェット式)。「紅衛兵」は暴走(警察も止められない)、宗教施設や文化財を破壊。学校や職場も機能しなくなった(四旧打破)。
    ・文革での死者は1000万人とも。1968年、劉少奇は失脚、翌年死亡。鄧小平も地方に追いやられる。暴走と内部抗争を繰り返す「紅衛兵」は、農村に追いやられ、多くは重労働で病死。
    ○改革開放路線(1981-)から民主化運動へ
    ・毛沢東が死去(1976)すると、鄧小平は中央に復帰。「改革・開放政策」(1978年)で、資本主義を取り入れる。
    ・「改革・開放政策」を機に民主化運動が高まる。1981年に共産党主席となった胡耀邦は民主化要求を容認(共産党保守派はこれを認めず、辞任へ)。胡耀邦は1989年4月死去。追悼の声が高まり天安門広場に集まる。1989年5月のゴルバチョフ書記長の中国訪問を機会にし、民主化運動を世界のメディアに訴えようとした。
    ・民主化運動を容認する趙紫陽は、鄧小平が民主化運動を「動乱」と決めつけたと明言。戒厳令の布告や人民解放軍の投入で学生たちを排除する。
    ・共産党は、「六四情報」(天安門事件)を封印。死者は1万人以上ともいわれる(イギリス外交文書)。
    ・この事件以降、中国は徹底した「愛国教育」と「反日教育」へ。文革が60年代の世界に与えた影響は大きく、世界各地で社会運動や反政府運動が巻き起こった。記者も攻撃対象となり、文革の実像を報道できなかった。

  • 理解しやすい文脈で書かれており、専門用語も少なく読みやすい。広く浅く教養として学べる本。

  • なんでニュースでそんなに取り上げられるのだろうと
    思っていたことが理解できた。
    思惑通りにしたい国だったり、振り回された国だったり
    それぞれの国には、それぞれの背景があり事情があるから
    今も世界で揉め事が起きているんだと納得した。
    学生時代の世界史や政治・経済の授業でやってたなーと思い出して
    なんでもっと真剣に授業を受けなかったのかと少し反省しました。分かると楽しい。

  • これまで読んできた池上彰の本の内容をまとめた本でした。なので、この件知ってるぞってのもあった。

    改めて、第二次世界大戦以降、様々なエリアで争っていて、その解決策はゼロイチで明確にする事だけではないことがよくわかる。お互いの国を意識した戦略的領土問題や宗教問題など、簡単に解決できる話ではない。表題にもあるが。背景を知ることで現在の時事問題がより理解できると思う。

  • 時事問題としては基本的な内容だが、知っておくべき内容が端的にまとめられていた。
    この本の内容だけでも、ニュースを見る視点が変わると思う。

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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