中学受験の親たちへ~子どもの「最高」を引き出すルール

  • 大和書房
4.03
  • (20)
  • (24)
  • (18)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 272
感想 : 26
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479393504

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 中学受験するか否か、いろんな観点がほしく関連書籍を読み漁る。
    教育ジャーナリストであるおおた氏が一歩引いた目線で、プロ家庭教師である安浪氏がリアルな現場目線で、以下の5テーマについて持論を語る。
    ・なぜ中学受験をするのか
    ・「本当の学力」をあげる勉強法
    ・塾を使い倒す新常識
    ・志望校選びの玄人的着眼点
    ・親子の信頼関係の育て方

    おおた氏の書籍は過去に二冊読んでいるので、ふむふむと持論を確認する感覚で読んだ。
    安浪氏の担当の章が勉強する子たちのリアリティをのぞかせる。
    まだ我が家は受験期に突入していないが、例えば公文式とそろばんどっちがいい?とか、読書量が国語の成績を決めるか?とか、一定の時間一定の努力をすれば誰でも結果が出るのか?とか・・・・
    今の時点でも興味深い論点が多かった。

    全体を通して感じたこと。
    中学受験をなぜするか、志望校をどうやって選ぶか、親子にとって不幸にならない勉強法とは何か、受験したこと自体からどのような意義を得るか・・・・
    その全ては偏差値至上主義から脱することで得られるのであろう。。。

  • 小3の息子が中受塾に通い始めてもうすぐ半年。
    並行して現在の中受の世界の情報を収集しています。

    我が家は共働きなうえに息子の性格的にアスリート型の受験塾は合わないと判断して首都圏四大塾は選んでいませんが、果たしてこの選択で合っているのかとたびたび不安になっていますが、この本を読んで改めてこのままでよい、このまま進んでいこうと思えました。

    まわりに流されて教育虐待にならないよう、悩んだら読み返したいと思います。

  • 中学受験の実情が書かれており、実際に経験した親としても頷ける部分が多い。とはいえ、子供は千差万別だし、本を読んでわかった気になっても実際に経験して初めてわかることも多いと思います。
    塾をうまく利用するというのは、第一子が中学受験する親からするとわからないことが多すぎてなかなか難しい。でもこういう本を頼りに、親も勉強して、家族で乗り越えていくべきイベントなのだろうと思います。一番見るべきは我が子という点も共感。子供の気持ちが書いてあり、うるっと来る箇所もありました。

  • 話題の本とのことでとても気になっていた本書。
    感想を一言で言うならば「スカッとした!!」

    私は中学受験を経験しており、我が子がもし中学受験をするのであれば10年近く先の話になります。
    私が受験をした頃よりも多くのことが変わったことに驚かされました。

    おおたさんの、数字を用いた客観的なデータ(中学受験者数の増減や、学校と模試の偏差値のカラクリ等)、数多の学校への取材を通して得られた各々の学校の特色や志望校の選び方のポイントなど(なぜ中学受験をするのか、どのようなメリットとデメリットがあるのか、高校受験との違い等)は、大変気づきが多く、頭の中をスッと整理することが出来ました。

    一方で安浪先生の、多くの実例を用いた現場の"リアル"(努力が必ずしも報われるわけでは無い等)は、胸がぎゅっとするようなものもありましたが、ここまでキッパリと言い切ってもらえるのはとても良かったと思います。


    カンニングについてのお話。思い返してみれば私も宿題の答えをカンニングしたことがありました。
    でもカンニングする理由なんて考えたことがなかった。
    宿題をやってなくて怒られるのが嫌だったから…出来が悪くて怒られるのが嫌だったから…だった気もします。私はとにかく親に怒られるのが嫌だったんですね。


    大人の立場で「カンニングするな!」って言うのは簡単だけど、子供には子供の事情があるんだよね。だから、カンニングをさせない環境づくりをしてあげることが大事と言うのはとても良いなと思った。
    安浪先生の、子供のプライドを傷つけないようにというのはとても大切なことだと感じた。

    私も子供の時、こんな風接してもらいたかったなと心の底から思う。

    私は公式を丸暗記するのがとても嫌いでどうしてその公式になるのか、自分自身で導けないと気が済まないタイプだったけど、ひたすら「お前は要領が悪い、言われた通り覚えれば良いんだよ」と怒鳴られ叩かれて育ちました。

    少し感傷的になりつつも、それはそれ。これはこれでもう過去は巻き戻らないし、相手も変わらないので私は私ができることを。私がして欲しかったことを子供にはしてあげたいと思います。


    中学受験における多様化。大手塾に通うことが全てではなく、個別指導やプロ家庭教師の利用、オンライン学習など、子供に合わせたやり方が始まっていると。これはとても良いなと感じた。

    中学受験となると親は全力で目の前の点数や偏差値など数字に踊らされてしまうが、大切なのは今目の前にいる我が子を見ること。
    これは絶対にいつも意識をしていたいと思う。

    個人的に一番好きだったのは公文そろばん論争です。

    また時間を空けて読み返したい。
    時代と共にトレンドは変わっていくけれど、色々な流れや術を知っておくのはとても良いと思いました。

  • 「フェイク学力」(解法を丸暗記して基礎が脆弱)というワードにドキッとさせられました。
    中学受験をするか、まだ決めかねている我が家ですが、親が目先の点数に必死になることは、子どもにとって不幸である…耳の痛い話です。

    「中学受験」での親の役割は、成績を上げることではなく、生き方を教えること…肝に銘じたい。
    軸を持って、しっかり考えていこうと思えました。

  • 絶対に読むべき一冊間違いなし。
    中学受験、親の勝手な考え、勘違い、思い込みで子供を振り回してはいけない。
    この一冊は最低でも読んで子供のサポートをしたい。

  • まだ子が年中だけど中学受験についての本を最近意識的に読んでいる。なにしろ田舎育ちの私自身には全く知見がないからね…!!虚心坦懐である。

  • 読書量とテストで点数をとる国語力は全く別物です。

    身体をつくる大切な時期である小学生にとって、睡眠は勉強より大切。

    第1希望先に関しては、最低でも5年分の過去問は解かないと、子供が出題形式や時間配分に慣れることができません。第2,第3希望さきも、よほど余裕で合格できる場合で無い限り、最低3回は解き、点数の取り方を習得する必要があります。

    過去問をざっとみることによって、学校の本音を知ることができます。特に国語で扱っている文章から、その学校が大切にしていることがわかります。

    6年制の秋以降は模試ではなく、過去問の点数を信用すべき。

    四谷大塚の合格実績には、「予習シリーズ」を使っていた早稲アカの子たちの実績も含まれている。

    同じ学校が複数回の入試を実施ている場合、一番低い偏差値を見ること。

    子供の頃から準備しておかなければ身につかないビジネススキルなどありません。特に中高生までの教育においては、「何が出来るか」よりも「何を大切にして生きるか」を伝えることのほうが圧倒的に大事です。

    「時代」が必要としているのは、「民主主義」やその基盤となる「人権」の大切さに自覚的な人たちではないでしょうか。「民主主義」や「人権」を理解するために伝統校の多くが取り組むのが平和教育です。

    学校選びでは、旬のニーズを捉えた見た目に派手な教育をアピールする学校ではなく、見た目は地味でもしっかりと大地に根を張り、根から吸い取った養分が枝葉の末端まで行き届いていることが感じられる学校を見極めるのが親の役割。

    カンニングは子供からのSOS。なぜ子供がカンニングするのか?を一緒に考えてみよう。

  • 実りの多い内容だと思う。
    共感する部分や参考にしたい部分が多かった。
    今後も、親の私のメンタルを保つために、折に触れて読み、確認して精神を安定させたい。
    大人は、どうしても逆算してモノごとを考えるから、今、この勉強量で大丈夫なのだろうか?と、私だけが焦るのだ。
    そして、「今できることを精一杯やっているのだから、これ以上追い詰めては駄目だ」と冷静な気持ちと相反して葛藤する。

    ・我が子をどれだけ冷静に俯瞰して見られるか?
    ・中学受験の目的は何か?目的がブレていないか?
    ・精一杯努力した上での結果をまっすぐに受け止めて、きちんと評価する

    以上を常に心にとめて、我が子と横並びで歩んで行こうと思う。

  • なるほど

全26件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

おおたとしまさ:教育ジャーナリスト。1973年東京生まれ。リクルートで雑誌編集に携わり、2005年に独立後、数々の育児・教育誌のデスク・監修・企画・編集を務め、現在は教育に関する書籍執筆および新聞・雑誌・webメディアへの寄稿を行う。テレビ・ラジオなどへの出演や講演も多数。心理カウンセラーとしての活動経験、中高の教員免許、私立小学校での教員経験もある。著書は『ルポ名門校』(ちくま新書)、『勇者たちの中学受験』(大和書房)、『不登校でも学べる』(集英社新書)など80冊以上。オフィシャルサイト:http://toshimasaota.jp


「2024年 『学校に染まるな!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

おおたとしまさの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×