子どもの頃から哲学者 ~世界一おもしろい、哲学を使った「絶望からの脱出」!

著者 :
  • 大和書房
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本棚登録 : 379
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479392712

作品紹介・あらすじ

便所飯のパイオニア、躁ウツ8年間、人類愛教の教祖さま…どんなにこじらせても、絶望したとき人は前に進める。歴代哲学者もとんでもない中二病だった!?

感想・レビュー・書評

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  • 絶望して人類愛教の教祖さまになったり中二病だったりして這い上がってきた哲学者。おもしろかった。
    不幸から抜け出す三つの道→ 能力を上げること。欲望を下げること。 それでもダメなら欲望を変えること。
    なるほどでした!
    自分自分にならずに相手の欲望の、次元までお互いにさかのぼり合う。
    とっても良いことだなー。
    忘れないようにしよう。。

  • 著者である苫野さんの半生を、ユニークに自伝的に紹介しながら、いかに哲学によって考えが変化したり、整理されていったかが書かれています。

    哲学的な内容としては「はじめての哲学的思考」と重複する部分がありますが、より簡略的で、厨二病の人や若年層、鬱気味の人にターゲットを向けたような印象。

    とても分かりやすいく面白い内容でしたが、
    本書の立ち位置がちょっと曖昧だったので⭐️3つにしました。高校生向けかなあ。

  • 哲学って難しいという先入観があったけど、この本は哲学初心者にも役立てられるように書かれている。
    そこに、作者さんの優しさを感じる。
    どんな学びも基礎から積み上げることが大切。

  • 哲学史というより、「そもそも哲学って?」という疑問を持っていたので、とてもいい読書体験になった。ここまで黒歴史を公に向けて発信できるメンタルマジで強いし(きっと国会図書館とかにも入るのだろう)、中二病的な部分は死ぬほど自分にも思い当たって、枕に埋もれて叫びたくなった。2,000円足らずで人の人生をトレースできる本ってメディアはすごい。 【以下メモ】共通了解/自由の相互承認/幸せになるには、欲望を変えること/相手の信念の底にある欲望を見ることで、納得点が見つかる可能性が出てくる

    その昔、同じく苫野さんの「はじめての哲学的思考」(ちくまプリマー新書)を読んだ時は全然ピンと来なかったのだけど、自分の中で少し関心が強まったのか、「子どもの頃から哲学者」は読み易く感じた。

  • 「苫野一徳」月間、ラストの4冊目
    苫野氏の半生と共に紐解く「哲学」
    しかしユニークと言うか、個性的で面白い人
    そして節目節目で私の思い出や辿ってきた道と所々交差?!してきているのがまた不思議
    一度講演会でもオンラインサロンでも…お話を聞いてみたいなぁ〜

  • 積読をふと手に取って一気に読んでしまった。もの凄く面白い。ほぼ同世代で哲学に惹かれおまけに双極性なのもあって、とても親近感を覚える。と同時に、自分が哲学者になれなかった理由を面と向かって突きつけられた気もする。
    それはこういうことだ。「つまり僕は、ある意味では自分の「人類愛」思想の正しさを確認するためだけに、哲学の本を読み続けていたのだ。今の僕からすれば、それは最悪の読み方だ。自分の信念に都合のいいように、哲学書を勝手に解釈しながら読む。それは哲学書の読み方として、一番やってはいけないことだ。」「古代から近代、そして現代へと、歴史の風雪に耐えた哲学書を読み込んでいくと、これら専門用語の意味と、その登場の理由や必然性などがよく分かってくるようになる。そしてその過程で、勝手なイメージを乗せて考えていた、自分のそもそもの“思想“の浅さにも思いいたるようになる。」僕に欠けていたのは、自分の信念を崩壊させる哲学史の洗礼であり、もっと言えば師匠との出会いだ。著者にとっての竹田青嗣のような。
    鬼界さんは決して哲学史をやれとは言わなかった、とにかく考え続けろという指導だった。廣瀬さんは教え子に徒弟修行を強いるタイプではなかった。竹田青嗣の指導方法が唯一絶対ではないが、修論を書き終えて僕は自分の判断としてこれを職業にするなら哲学史をやらなければと強く思った。しかし、本当にやるべきことは、著者のように(翻訳とはいえ)原典を大量に通読することだった。
    哲学史が必要だけど、興味はなかった。だって真理は自分の手の中にあったから。今となって思えば、だからこそ哲学の連綿たる蓄積に打ちのめされる必要があった訳だけれども、当時は職業哲学者の嗜みとして哲学史のお勉強をしなければという認識だった。そして、図書館から借りた哲学史の本に埋もれた夢枕に鬼界さんが立ってこう言った、「君本当にそんなことやりたいの?」これで僕は哲学者になるのをスパッと諦めた。だって哲学史になんて全然興味ないんだもの。
    そうして僕は法律家になった。向いてないと思いつつ15年くらい実務をやってきた。今も哲学だけやれたら幸せだろうなとは夢想する。でも、僕は哲学者にはなれないだろうと思う。そう思うと今でも血が流れるくらい辛いのだけど。

  • 筆者が哲学の道を志した経緯を記した本。
    文章が軽快で哲学にちょっと興味がある程度の人(わたし)もとても気持ちよく読める。

    途中で48時間笑い続けたことについて書かれているが、私はあまり自分の精神のバランスの崩壊が身体をコントロールできない部分まで侵食したような人間をノンフィクションで見たことがなかったのでとても興味深かった。

  • イカレてる

  • 躁鬱と戦いながら、苫野さんが哲学者になるまでの半生を綴った一冊。章ごとにコンパクトにまとめられた偉人たちの哲学が平易でかつ本質的。高校生とか大学生が読むと、受け取れるインスピレーションが多そう。「知らぬが仏」ではあるんだけど、深く考えることでしか得られない発想の境地はある。

  • どんなにこじらせても、絶望したとき人は前に進める。便所飯のパイオニア、躁ウツ8年間、人類愛教の教祖さま・・・孤独や絶望にもがく、ふり幅が広すぎる著者の半生はめちゃくちゃ面白くて共感できるところがたくさんあります。生きる苦しみに「哲学は役に立つ」。哲学も哲学者も身近になるとってもおすすめの哲学入門。

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著者プロフィール

哲学者・教育学者。1980年生まれ。熊本大学大学院教育学研究科准教授。博士(教育学)。早稲田大学教育学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程修了。専攻は哲学・教育学。経済産業省「産業構造審議会」委員、熊本市教育委員のほか、全国の多くの自治体・学校等のアドバイザーを歴任。著書に『学問としての教育学』(日本評論社)、『「自由」はいかに可能か』(NHK出版)、『どのような教育が「よい」教育か』(講談社選書メチエ)、『勉強するのは何のため?』(日本評論社)、『はじめての哲学的思考』(ちくまプリマ―新書)、『「学校」をつくり直す』(河出新書)、『教育の力』(講談社現代新書)、『子どもの頃から哲学者』(大和書房)など多数。

「2022年 『子どもたちに民主主義を教えよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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