- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478113127
作品紹介・あらすじ
◎北の達人コーポレーション(東証一部上場)社長の処女作。編集処女作担当26作目。
◎北の達人は株価上昇率日本一(17年上昇率1164%:125円→1455円)。社長在任期間中の株価上昇率ランキング日本一(113.7倍、在任期間8.4年)。著者は神戸生まれだが、北海道に渡り一代で「市場が評価した経営者ランキング」第1位(東洋経済オンライン)、史上初の4年連続上場。日本国政府より紺綬褒章4回受章。
◎本書の読みどころは、無一文から売上100億・利益29億円を達成した源泉、会社の弱点が一発でわかる「5段階利益管理」(1.売上総利益〈粗利〉、2.純粗利、3.販売利益、4.ABC利益、5.商品ごと営業利益に分けて管理)と、一度つかんだ顧客を離さない「商品&人材戦略」。5段階利益管理の考え方はeコマース企業だけでなく、全業種で使える(著者が買収したエフエムラジオでの実践例も紹介)。
◎これまでは、売上が上がれば利益が上がるが常識だったが、著者は「変化の激しい現代では、先行投資期に売上が上がっても、回収期には市場が変わって利益が回収できない。今の時代は、利益は後からついてくる前提で売上と利益を別々で考えるのではなく、売上と利益をセットで管理する経営方式に変えるべき。また、売上10倍はリスク10倍。売上アップはトラブルやアクシデントも激増するので、むやみに売上アップを目指してはならない。今こそ売上OSから利益OSにして売上最小化、利益最大化を目指すべきだ」と断言する。
◎北の達人では、びっくりするほどよい商品ができたときしか発売しない。750の評価項目の検査を行い、全社員でこれはいいと実感したものしか発売しない。リピート率が7割の源泉はブームを追わずロングセラーを追求する姿勢だ。ツイッターフォロワー数2万人。
感想・レビュー・書評
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最近ときどき見聞きする「北の達人コーポレーション」その社長の木下勝寿さんの本。
本を開くまで、北の達人コーポレーションが何の会社かさえ知らなかった。(居酒屋チェーンか?ぐらいに思っていたが、実際はeコマース企業)
ほとんど知られていない会社がなぜこんなにも話題になるのか。
読み終わったいま、「ほとんど知られていない」ことこそ、北の達人コーポレーションの戦略なのだと知った。
企業にとって売上を上げることは使命である。
だから、売上を上げるために商品のラインナップを増やし、なるべく多くの人の目に触れるように広告をうつ。
しかし、本書では「利益が絶対の目的であり、売上はそのプロセス」と言い切る。
売上は「お役立ち度」の合計を数値化したもの
利益は自分自身が生み出した付加価値分を数値化したもの
そして、企業は利益に応じて税金を納める。
つまり利益を上げて納税すること自体が社会貢献である。
北の達人コーポレーションでは、徹底的に利益を追求する。
利益をあげ、一定の手元に資金があれば、事業環境の変化によりたとえ売り上げがゼロになったとしても、事業を立て直すための時間(無収入寿命)を稼ぐことができる。
利益を上げる方法は、本の中でも紹介されている「商品ごとの5段階利益管理法」により、厳格に仕組み化されている。仕組み化することにより、会社が大きくなって社員数が増えても、属人的な判断を排除し、誰でも同じ基準で判断できるようにしている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1.この本を選んだ目的
WEBマーケティングに興味があるため、手にしました。
2.あらすじ
短期間に東証プライムまでのぼりつめた北の達人コーポレーションの戦略や取り組みについて語られている。
一番のポイントは、売上ではなく利益を重視しなければいけないという点だろう。なぜ、売上ではなく、利益を意識する必要があるのかということから始まっていく。
5段階利益管理についても、独自の方法が解説されている。
①売上総利益
②純利益(造語)
③販売利益(造語)
④ABC利益
⑤商品ごと営業利益
「誰に、何を、どう、伝えるのか」の「何を」がクリエイティブのカギ、のようなコメントがちょいちょいでてくるので、その辺をしっかりメモしながら読んでいくと、読み終わるまでに結構時間がかかりました。
3.感想
CPOや、LTVといった用語を知らなかった私には、知らないことばかりで勉強になった。
経営に関わる人だけでなく、誰が読んでも勉強になる点がある本だと思いました。
サブスクリプションがいたるところで増えているが、解約の方法がわからないとか、定期購入のつもりはなかったという声をよく聞くが、だいたい購入する側の問題が多い。
販売する側だけでなく、購入する側も、時代についていくために、いろいろ勉強していく必要があるだろうなと感じました。
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一般的に売上額、利益額、利益率は多ければ多い程、良いと考えがちなのですが著者・木下勝寿さんの考えを掻い摘んで言うと、徹底的に”利益率を追求する事”でその為には、どの製品群がどれだけの利益を上げているかを把握し、無駄なコストを排除し、利益を上げている商品群への販売に注力するという事でした。木下さんが当著内で語っている通り、木下さんが持つノウハウを出し惜しみする事無く、多くの事例と事表を使って解説してくれている名著です。私もEコマース始めようかな~。
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利益率のくだりが読んでいて
良かったです。 -
売上だけでなく、利益を重視してやりましょうという本。
北の達人がどう運営されているのかよくわかるし、EC事業者のみならず消費者向けビジネスやってる方に間違いなく参考になる内容。 -
徹底したコスト管理と効率的なマーケティングを実践的観点から書かれた本で非常に参考になった。利益管理は5段階で管理。
①粗利
②純粗利→粗利から注文連動費(カード決済費、送料、梱包資材、ノベルティなど)を引いたもの
③販売利益→純粗利から販売費をひいたもの。いわば広告のコスパをここで計測する。
④ABC(activity based costing)利益→販売利益からABC(商品ごとの人件費)を引いたもの。いわば、手間がどのくらいかかっているかを計る。
⑤商品ごと営業利益→ABC利益から運営費(オフィス家賃や間接業務の人件費など)を引いたもの。これは売上で按分する。
マーケティングも非常に参考になる。無駄な広告を打たないように、最低限守るCPO(cost per order)を決める。広告費と新規顧客獲得件数は収穫逓減の法則が当てはまる。CPOはイノベーター理論(正規分布を作ったマーケティング理論)を意識。
イノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティくらいまでを意識する。また、マーケティングファネルの考えも参考になる。 -
売上よりも利益、当たり前にも感じますが、売上を増やすことよりも、利益を増やすことの方が、複雑で難しいことなのだと、改めてわかりました。
同業なので、参考にしやすい仕組みも多く、さっそく実践してみたいと思いました。 -
DtoC × サブスクモデルで有名な、北の達人コーポレーション代表取締役社長兼マーケティング責任者木下氏の初著書。
新しい概念を持ってきました!というものではない。
みんなが何となくそうすべきと思っていることを言語化、共通語化、仕組み化し、会社として推進できているんだなと感じた。そして利益率29%という数字を出せているのが凄い。
例えば、
・売上より、利益を大切にすべき
・細かく利益(商品別や広告別、利益の段階別等)を見て、効率が悪いものは止めるべき
・商品の質にこだわるべき
等であり、当たり前と言えば当たり前、ただ会社として実践しきれている会社がどれだけあるかと考えると多くなさそう。
社長兼マーケティングトップの方が、ここまでわかりやすく言語化したものを共有してくれるというのは画期的だと思う。
業界問わず、すごく参考になる、しやすい実用書かと。