スタンフォード大学の共感の授業 人生を変える「思いやる力」の研究

  • ダイヤモンド社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478112083

作品紹介・あらすじ

「思いやりの心」は、本能ではない。
自分で伸ばせる能力だ!

「最新の科学と、心に響くストーリーの数々が
織りなす、見事な一冊。」
――アンジェラ・ダックワース(『やり抜く力』)
アダム・グラント(『Give & Take』)、キャロル・ドウェック(『マインドセット』)、
世界中で絶賛の声、続々!

スタンフォード大学の人気准教授が教える
「分断」「不寛容」の時代を生き抜くための必須教養。

感想・レビュー・書評

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  • 「共感」は、意識的に伸ばすことのできる能力だ。分断や不寛容が広がる時代に不可欠なこの「思いやる力」について、心理学者が解説する書籍。

    人は「共感(エンパシー)」という感覚を通じて、相手の気持ちや痛みを推測し、理解する。
    この共感の最も重要な役割は、「やさしい行動」を引き出すことだ。共感すると、人は自分を犠牲にしてでも、他人を助けようという気になる。

    共感の本能は、周りにいる人のほとんどが「身内」である時代に進化し、確立した。その後、時代とともに都市化が進むと、知らない人が増え、やさしさの行使は難しくなった。その結果、現代に入って共感力は大きく減少している。

    科学者や哲学者はかつて、共感力も含めた人間の本性は生来のもので、変わらないと考えてきた。しかし、研究の結果、体験や習慣が脳を形成することが確認され、私たちの脳と精神は生涯を通じて変わり続けることが明らかになった。

    人の性質が、遺伝子によってある程度決定されるのは事実である。例えば、共感力の約30%は遺伝で決まる。しかし、残りは体験や環境、習慣などに大きく影響され、大人になってからも低くなったり高くなったりする。

    共感力は、意図的に伸ばすことができる。
    マインドセット(思考回路)に関する研究では、「共感力は伸ばせる」と信じれば、実際に共感力が伸びることが示唆されている。

    現代のテクノロジーは、私たちがネット上で多くの他人と会うことを可能にした。しかし、それは昔の人付き合いよりも薄いものである。結果として、私たちは直接顔を合わせる付き合いから遠ざかり、共感力を高める機会を逃している。

  • 読書にハマったきっかけ

  • たくさんの研究、実験結果とともに事例を紹介しているので、読んでいてわかりやすい。
    これは何度も読み返したい本だし、いろんな人に読んでもらいたい。

  • 「配慮」「思いやり」など現代の社会環境は「利己主義的」(金・見栄え・権力・名誉等)を重要視するばかりで「他人を想う心」が減退していると言う。それは都会に続々集まる「独居生活」(独身・孤独・自律生活者)が自然と創り出す世界と言うことだ。「弱肉強食」のような、まずは自分が満足のいく生活環境を作り上げることが最優先となり、落ちこぼれには目を止めないことにつながると言うことだ。今後身近なソーシャルテクノロジーは使い方次第で人との関係を「繋ぎ・引き裂く・暴走・混乱・破滅」まで創造できるのだ。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000054133

  • ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00559870

  • 個人の能力開発の話っぽい出だしから、3章ではヘイトによる社会の分断(共感の欠如)の話へと広がり、骨太な展開に。「共感」って奥深い。

  • THE21 10月号 109ページニューリリース

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著者プロフィール

ジャミール・ザキ(Jamil Zaki)
スタンフォード大学心理学准教授。スタンフォード・社会神経科学ラボの所長。ボストン大学で学士を、コロンビア大学でPh.D.を取得し、ハーバード大学でのポスドクを経て現職。共感の研究を専門として、『ニューヨーク・タイムズ』や『ワシントン・ポスト』『ニューヨーカー』『アトランティック』などで論稿を発表している。

上原裕美子(うえはら・ゆみこ)
翻訳者。訳書は『僕らはそれに抵抗できない』『世界の一流企業は「ゲーム理論」で決めている』(ともにダイヤモンド社)、『♯HOOKED』(TAC出版)、『壊れた世界で“グッドライフ"を探して』(NHK出版)、『日本経済のマーケットデザイン』(日本経済新聞出版社)、『みんなにお金を配ったら』『RCT大全』(ともにみすず書房)など。

「2021年 『スタンフォード大学の共感の授業』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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