知覚力を磨く 絵画を観察するように世界を見る技法

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478111628

感想・レビュー・書評

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  • 「知的生産」は知覚→思考→実行という、3つのステージを経て生産される。

    残念ながら、知覚は思考と違い、無意識的に判断するためコントロールすることができない。
    では、知覚力そのものを磨くにはどうすればいいか。

    それが、絵画鑑賞である。

    「絵画を観察するように世界を見る」

    知覚と絵画に関しては密接な関係があり、この本では、「絵の観察をすることで知覚力を磨くことができる」と述べられている。

    この本では、ルノアールやカラヴァッジョの絵を用いて、「観察すること」の重要性、どこを見るべきかがわかりやすくまとめられている。
    また、それに関連して、企業の事例を紹介している点が、非常に実学的であると感じ、また、絵画鑑賞の技術網羅的に説明するというよりも、どう日常で使っていくべきか、に重きを置いているように思える。


    絵の見方に関する本は何冊か読みましたが、実際の仕事に活かすのであれば、読む価値は非常にあると思います。また、こちらの本は、他の本よりも非常に読みやすく感じました。


    もっと知りたいと思われた方へー

    もし、鑑賞する技術という面を深掘りしたいのであれば、『絵を見る技術』や『国立西洋美術館 名画の見かた』 をお勧めします。

    鑑賞を通じて、日常で観察力を発揮するためにはどうするべきかは、『観察力を磨く 名画読解』を読むことで、本書とは違う視点から、知覚力・観察力を磨くことができるかと思います。

    ご参考までに。

  • Fusae Kanda
    https://www.fusaekanda.com/

    知覚力を磨く | 書籍 | ダイヤモンド社
    https://www.diamond.co.jp/book/9784478111628.html

  • 【直感力】
    何が正解かわからない、何が起きるかわからない世の中で、判断して前に進む必要があります。

    その判断は何に基づいて行うのでしょうか。

    論理的な左脳による解釈ではなく、右脳を使った判断が必要になります。
    右脳的な判断は絵画を観察することにより養われます。

  • 企業は「人材発掘」には時間と費用をかけ、より優れた人材をかき集めているのは世界の流れであり特に最先端企業にとっては必死である。その人材とは「知覚能力」であり「リベラルアーツ」であると言う。知覚とは「観察能力」であり、それを磨くには「絵画」を観察、絵画から思考・実行能力を磨くとある。
    知識と情報+五感的感覚はこれからの人材には欠かせないものとなる。それはAIにできそうにないこと「感覚・知覚」を持ち合わせるのは人間だからだ。

  • 絵画の見方を変えるだけで「知覚」が向上する。
    このような内容が、様々な具体事例とともに紹介されている。
    実際に「知覚」の力を向上している人たちの例も
    書いてあるので、説得力がある。

    難しい内容であるが、賢くなった気持ちになった。

  • ロジカルシンキング等、思考力が持て囃される時代だが、その手前にはまずは気付くこと、つまり「知覚」することが前提となる。知覚することなしには、いくら思考力を鍛えようがコミュニケーション力を磨こうがそれらを発揮する機会も訪れなくなってしまう。しかし嘆く事なかれ、この「知覚力」は絵画を使ったトレーニングによって鍛えることが可能である。実際にあらゆる成功者の共通点として、アートに携わっていたという事実からもその効果が分かるであろう。先人のように「知覚」し、イノベーションを起こすための、「絵画鑑賞トレーニング」を紹介する。
    というのが本書のスタンスです。

    見ているつもりで見えていない、という状態の克服には興味があり、またアートも好きなので期待して読みましたが、実際のトレーニングについては5章まで読んでやっと少し触れられる程度です。残りは、「知覚力」を身につけるのがいかに素晴らしいことか、と、古今東西の成功者がアートに関わっていた事実が並べられています。そのため、「アートに価値があるなんて、どうも信じられない」という方には実例が多くあって良いのではないでしょうか。

    見ているつもりで見えていない、の例の1つとして、"見えないゴリラ"と呼ばれる実験が援用されており、これは被験者が特定の作業に集中するよう指示されている間、場違いに現れるゴリラにも気付けなくなってしまう…という実験だと理解していますが、筆者はこれを「現代ではこうした人が増えている」と言います。こうした煽り方はいかにもビジネス書っぽく、本書はビジネス書なので仕方ないのかもしれませんが、こうした言いたいことが先行しているような姿勢は「ものごとを先入観に囚われずありのまま観察しよう」という本書のテーマ自体とも相反しているように思え、残念でした。

  • 様々な思考法が世に出ているがそれらに先立つものとして知覚がある、と挑戦状のような本書。観ているようで見えていない我々が、目の付けどころを良くするための訓練として絵画をみることが適していると述べている。

  • スマホでいつでもSNSで検索できて便利なようになったがそのおかげで、知らず知らずに、ものを観る力が落ちてしまっていた。
    その観る力をつけるには絵画をおすすめ
    とはいえ、美術館に行っても一枚の絵を見る時間はたった15秒
    そんな短時間では絵を鑑賞できない
    1枚の絵を鑑賞にするには15分ぐらいの時間が必要
    そして、見るとは単につぶさに見るだけではない
    シャーロックホームズのように多様な解釈ができるポイントに目をつけ、観察すること
    そしていろいろなバイアスを排除して、観ること
    その訓練には絵画は最適

  • データは結局その解釈に主観が入り込むので、主観からは切り離せない。私達は「純粋によく見る」という行為をしていない。現代人の眼は「マルチタスクに心を奪われてそもそも見ていない」「何かを探して、期待して見ている」「なんとなくぼーっと見ている」
    ビジュアルシンキング、言葉を介在せずに視覚のメンタルイメージで考える。

  • 目で観察するのではなく、脳で観察する。そうするともの事の本質、つまり目に見えない物も見えてくる。
    ただ見るだけじゃなくて脳で見る。忙しい現代人には難しい。
    でも見えない部分まで見ようとすること『大切な事は目に見えないんだよ』とよく言うが、なんとなくじゃなく見ようとする事は大切だと思った。


    PDFに図や絵が沢山あった。
    オーディブルで聴くには少し難しい部分もあり、後から絵を見てみたりした。

    深いところまで理解出来なかったけど『リベラルアーツ』に興味を持った。

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著者プロフィール

日本女子大学英文科卒業。日本航空入社、国際線客室乗務員として日本国政府専用機にも乗務。米イェール大学大学院にて東アジア学修士号、博士号を取得。数々の国際学会発表、学術記事出版を行う。現在は米国エグゼクティブボイス社東アジア開発ディレクターとして活躍。

「2017年 『答え方が人生を変える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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