ワークマン式「しない経営」―― 4000億円の空白市場を切り拓いた秘密

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  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478111451

作品紹介・あらすじ

☆10期連続過去最高益更新中、急成長ワークマン仕掛け人、待望の処女作!
☆ワークマンは「しない会社」だ。残業しない、ノルマ課さない、極力出社しない、社内行事しない、接客しない、競争しない、値引きしない、顧客管理しない、取引先を変えない、社員のストレスになることをしない、期限を設定しない、対面販売しない。とりわけ「頑張る」ことはしないどころか禁止されている。なのに売上・利益・店舗数は右肩上がり。「残業するくらいなら決算期を遅らせろ」と本当に決算発表を遅らせたが、株価に影響はなかった。「しない経営」を実践したら「三方よし」どころか、社員、顧客、取引先、加盟店の「四方よし」になったという。
☆急成長のカギは「しない経営」×「エクセル経営」=「第2のブルーオーシャン市場拡張(客層拡大)」の方程式だ。左手に「しない経営」、右手に「エクセル経営」(データ活用ゼロの会社がマクロ・VBAではなくエクセル活用で企業風土が劇変)により「低価格・高機能という4000億円の空白市場」を新ブランド「ワークマンプラス」で開拓。2020年3月期のワークマン+ワークマンプラスの売上は1220億円(前年同期比31.2%増)。経常利益は207億円(同39.9%増)。店舗数は9月末で886(ワークマン663、ワークマンプラス223)となり国内店舗数であのユニクロを抜き、どしゃぶりのアパレル業界でぶっちぎりの業績となっている。     
☆「5年後に社員全員の年収を100万円上げる」と先に宣言し見事実現。スタープレーヤー不要の凡人による凡人経営を実現し、自ら動く社員が続出。最終章は『世界標準の経営理論』入山教授との対談から「知の探索」と「知の深化」型「両利きの経営」秘密を初公開。白熱対談。新サーバントリーダーが還暦で入社し、どうやって全員経営参画型「両利きの経営」に変えたのか。「ダイヤモンド経営塾」講演を聞いた経営者から「ドラッカーの“イノベーションと企業家精神”の体現者」という声も。商社時代はジョブズ型経営者だった著者がサーバントリーダーになる変化と社員の成長物語をノウハウとともに凝縮!

感想・レビュー・書評

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  • まさにこれ>「しない経営」×「エクセル経営」=「第2のブルーオーシャン市場拡張(客層拡大)」の方程式。
    このなかで2-6-2の6や下の2を活かす人事政策。
    社員が330人という顔が見える規模だから出来るともいえる。
    まあしかし大企業に勤めていると殆どの業務が仕事のための仕事、後ろ向きの仕事、言い訳の為の仕事、行事のための仕事に溢れている。
    そりゃあ日本企業も衰退するよなあ、と思った。

    Excel分析の試験を平均点が90点になるように簡単にして「自分は得意なんだ」と自信をつけさせる。少しでも褒めるという姿勢が成程と思ったな。
    これは自分でも、まずはなるべく簡単な事を多くこなして得意とか出来るとかの確信を自ら持つというようにすることにも応用できると思った。

    以下「作品紹介・あらすじ」より------------------------------
    ☆10期連続過去最高益更新中、急成長ワークマン仕掛け人、待望の処女作!
    ☆ワークマンは「しない会社」だ。残業しない、ノルマ課さない、極力出社しない、社内行事しない、接客しない、競争しない、値引きしない、顧客管理しない、取引先を変えない、社員のストレスになることをしない、期限を設定しない、対面販売しない。とりわけ「頑張る」ことはしないどころか禁止されている。なのに売上・利益・店舗数は右肩上がり。「残業するくらいなら決算期を遅らせろ」と本当に決算発表を遅らせたが、株価に影響はなかった。「しない経営」を実践したら「三方よし」どころか、社員、顧客、取引先、加盟店の「四方よし」になったという。
    ☆急成長のカギは「しない経営」×「エクセル経営」=「第2のブルーオーシャン市場拡張(客層拡大)」の方程式だ。左手に「しない経営」、右手に「エクセル経営」(データ活用ゼロの会社がマクロ・VBAではなくエクセル活用で企業風土が劇変)により「低価格・高機能という4000億円の空白市場」を新ブランド「ワークマンプラス」で開拓。2020年3月期のワークマン+ワークマンプラスの売上は1220億円(前年同期比31.2%増)。経常利益は207億円(同39.9%増)。店舗数は9月末で886(ワークマン663、ワークマンプラス223)となり国内店舗数であのユニクロを抜き、どしゃぶりのアパレル業界でぶっちぎりの業績となっている。     
    ☆「5年後に社員全員の年収を100万円上げる」と先に宣言し見事実現。スタープレーヤー不要の凡人による凡人経営を実現し、自ら動く社員が続出。最終章は『世界標準の経営理論』入山教授との対談から「知の探索」と「知の深化」型「両利きの経営」秘密を初公開。白熱対談。新サーバントリーダーが還暦で入社し、どうやって全員経営参画型「両利きの経営」に変えたのか。「ダイヤモンド経営塾」講演を聞いた経営者から「ドラッカーの“イノベーションと企業家精神”の体現者」という声も。商社時代はジョブズ型経営者だった著者がサーバントリーダーになる変化と社員の成長物語をノウハウとともに凝縮!

  • 一度も入店したことがないお店だったが、その経営手法はとても興味深いものだった。冗員ゼロ宣言、社員全員が経営に参画するための仕掛けなど、組織力向上のヒントが満載!
    入店してみたいと思わせてくれる一冊でした。

  • ニッチ市場での成功後、セグメンテーションを変えてさらに顧客獲得。データ分析文化のメリットは「属人化を無くす」こと

    【感想】

     audiobook.jpにより読了。ワークマンのデータ分析文化醸成、ワークマンプラス仕掛け人が語る、ケーススタディ本。本書は大きく分けて2つの学びがある。1つは経営戦略のお手本的な「選択と集中」の成功事例が学べること。2つめは、データ分析を全社員で行う「エクセル経営」の力。
     ワークマンとは、教科書的に優秀なニッチトップ企業だ。個人向け作業服、という市場にいち早く参入し、業界トップの地位を築いた。既に大きな地位を築いているため、他社にとっては、参入障壁が高い。「作業服」という製品需要特徴も、同社の成長を支えた。消耗品かつ、流行が無い。良い商品を安価で供給し続ければ、同じ客からの定期的な購入が見込めた。加えて、とにかく「無駄なことをしない」ことを重要視した。たとえば、事前の見積もりや発注業務などは行わない。購入先のメーカーからは、見積もりのチェックなどは行わず、納品された分について支払いを行うようにした。需要計画を立てやすかったことから、無駄な生産調整などしなかった。取引先を無理に変えることもしない。可処分時間をするべきことに絞り込み、勝てる市場で闘う戦略を取っている。経営学の教科書のお手本のような企業。
     2つめに学べるのは、「データ分析」文化の定着プロセスとメリットだ。筆者が中心となって、ほとんど販売データが無かった時代から、営業マンがデータを駆使して店長たちとの交渉をするようになるまでの過程が語られる。ことに「データサイエンス」や「AI」がバズワードになりがちな現代において、地に足のついたデータ活用の事例とパワーが分かり、良いケーススタディだった。データ活用ができる組織の強みは、属人化を排せることだと理解した。データを用いたコミュニケーションは、そのデータへのアクセス、簡単な分析さえできれば、誰でも習得可能だ。データによって判断、意識決定できるようになれば、誰もが一定の水準に達することができる。元もてゃ、エリアマネジャーとして活躍するのあはコミュニケーション力が高い人材だったのが、エクセルを駆使するようになってからは、データ活用できる人材も成績が伸びるようになった、というのは興味深い。

  • 今後のビジネススタイルを考えてく上で、ワークマン(土屋氏)のポリシーは非常に参考になる。データ分析力は技術、営業問わずつけていかなければならないマストスキルだろう。

  • 大切なのはデータだ!
    全員データ経営だ!!

    すぐに実践可能な実用書だと感じた。
    なんかダサいとか軽視されがちなエクセル資料。
    そんなエクセルの良いところが再認識できた。
    データさえいれておけば好きなように加工できる点だ。
    今流行りのAI化すると決められたデータしかでてこない。
    数字が加工されて出てきてしまう。
    世の中AIを不必要にありがたがる傾向がある。
    大金をかけてAI化する意味あるのか?と思わせてくれた一冊。

    ・思いつきで発言しない。
    大事なのはデータ。エクセルを加工、使いこなせれば一つ上の高みにいける。
    ・市場での戦いは2つある。
    市場を広く捉えて浅く進むか、狭く捉えて深く進むか?
    ・自社の強みを見つける
    誰が、どんな価値に対してお金を払ってくれたのかに注目する。
    自社は製品力が強いのか?顧客との関係力が強いのか?運営力が強いのか?
    強みを理解し、他の強みと組み合わせることが大事
    ・働き方改革やリモートワークで残業が減る=高機能、低価格志向が強まる
    ・短期目標なんかいらない
    自分のアタマで考え、順序立てて仕事するほうが大事

  • 強い会社。

    世にある経営学的図書は、一般的に成功の後付けで理屈を言うために、それはそれで勝因分析を理解するためには有効ながら、本著との明らかな違いは、ワークマンは、先ず、理論を方針として宣言し、従業員の給料をコミットしてから実践した事。理屈が後付けではなく、先行しているのだ。だからこそ、実証的でリアリティがあり、勉強になる。

    その方針とは、大きく2つ。「しない経営」と「エクセル経営」。社内行事を廃止し、納期やノルマにこだわらない。取引先や従業員のストレスがたまらない経営を志した。また、アナログワークマンと言われた旧式の会社を一気にIT化させるわけではなく、Excelの活用を標準化させた。DX化と言うとExcel以上のBIツールをイメージするために、Excelではやや時代遅れ感があるが、著者はそのことも理解した上で、Excelが最適だと判断した。

    この方針に加えてワークマンに対する適切な経営分析は、その辺の経営学本よりもよほど勉強になる。事業を志す人は読んで損のない一冊。

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    残業 ノルマ 期限 なし!
    ……頑張らないのに
    10期連続最高益の理由。
    急成長の仕掛人がAmazonに負けない戦略を初公開!
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    ずっと気になっていた一冊です。

    ジャングルファイター型の経営者だった土屋さんが、
    ワークマン会長から
    「この会社では何もしなくていい」
    と言われるところから始まります。

    本当に何もしなかったかというと、そうではなく、
    業界、商材、店舗をしっかりと分析し、
    社内の風土や従業員の性格、性質を見極め、
    コツコツとエクセル経営を浸透させていった
    土屋さんは本当にすごいと思います。

    ぶれない部分と、
    柔軟に意見を取り入れる
    土屋さんだからこそ出せた結果なのでは、
    と思いました。

    コミュニケーションも感覚も大事ですが、
    エクセルを使って分析、
    数字を読み取る力を伸ばすことが大事。

    私はエクセルが苦手なので、
    ワークマンでは全く役に立たないな、
    と思いながら読んでました。苦笑

    自己肯定感の低い日本人だから褒めて伸ばすとか、
    競争して伸びる人もいるが、
    激化すると結果ばかりで本質を見失うとか、
    読んでてなるほど、ということばかりでした。

    ある意味従業員の平準化の底上げ、という感じだけど
    それが企業の生き残る道でもあるし、
    今後は数字を扱えない人は厳しいんだろうな、と思う。

  • 星4にするか3にするか迷いどころでしたが、最後の章(対談)を読んで3にしました。
    「しない経営」ということでもっとドラスティックにやらないことを選んでいるのかと思いましたが、ほどほどな印象でした。
    データによるディシジョンメイキングの大事さも異論ありませんが、エクセルを使う話が全体の1/4くらい占めていたように思えるのはあまり好みではありませんでした。
    金言も散りばめられている一方、余計なモノで濃度が下がってしまった感じでした。

  • 非常にわかりやすく、なにより働き手にとって魅力のある戦略で、興味深い内容だった。根本にはワークマンの製品の品質の良さがあるということを忘れて他社がかじると大怪我するだろうけど。

  • ネットではなくリアル店舗の強さ。
    AIではなくExcel経営での社員育成。
    ホワイト市場の分析と時間を掛けてのチャレンジ力。
    既存のファン+新規顧客の獲得。
    まだまだいきそうです!

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著者プロフィール

東京大学経済学部卒。三井物産入社後、海外留学を経て三井物産デジタル社長に就任。本社経営企画室次長、三井情報取締役。2012年ワークマンに入社。19年より現任。ワークマン店は作業服市場を取り尽くす勢いのため、18年に新業態店「WORKMAN Plus」を仕掛けて大ヒット。20年に女性目線の「#ワークマン女子」店を立ち上げ、10年で400店舗の出店をめざし快進撃中。著書に『ワークマン式「しない経営」』(ダイヤモンド社)がある。

「2021年 『ホワイトフランチャイズ ワークマンのノルマ・残業なしでも年収1000万円以上稼がせる仕組み』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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