徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと

著者 :
  • ダイヤモンド社
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本棚登録 : 986
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478107744

感想・レビュー・書評

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  • ブロガーちきりんさんが、自宅をリノベーションをしたときのドキュメンタリーのような本。

    実録であるので、リアリティがあるし、利用者としての視点が書かれているので読み物としても面白いと思いました。

    内容で、一番ハッとしたのはリノベーションは共同型プロジェクトという言葉。お金を払ってサービスを(一方的に)受ける以外にも、プロジェクトに参加するという形のサービスの受け方があるというのにはっとしました。

    情報の集め方や、イメージを伝えるやり方が、いくつか紹介されていたので、リノベーションに限らず情報を集めたり、人に伝えるという方法にも役に立ちそうだなと思いました。

  • 人気のブロガー、ちきりんさんによるリノベ/リフォームの解説書。
    個人的には特にリノベの予定もなく、そもそも賃貸住まいなんであんま関係ないのですが、「家」の問題って知っておいて損はないし、「劇的ビフォーアフター」とか大好きなので手を出してみました。
    著者の本は、かなーり昔に読ませていただき、Twitterもフォローしているんですが、何と言うかネット系の有名人って信仰に近い扱いをされてる場合もあって(その分アンチもいて)距離感が図りづらいですね。

    読了して思ったのは、「巧い…」ということ。
    文章のわかりやすさとかそういう次元ではなく、本著のポジショニング自体が巧い。
    有名人がリフォームしました、という体験談を出版するというのは事例として想像がついて、社名を出して辛口に言いつつ、ただ「それってあなたの感想ですよね?」と言われるレベルの(あぁ、ネットに毒されてる…(笑)著書になるんだろうなと。
    本著はそういった「体験談」ではなく「実体験に基づく解説」になっています。

    「巧い」と思ったのは、リノベ業界側への配慮が凄い、ということ。
    「医療や英会話と一緒で、受ける側の配慮ややる気がないと良い成果は生まれないんだよ?共同プロジェクトなんだよ?」とまず顧客側の意識を転換し、業界側の事情等々を説明して、あぁ無理な要望をしても仕方ないんだなと顧客側に納得させる。
    それを、業者側ではなく、顧客側の立場でやったというのが画期的。
    それが何故凄いのか?と言うと、著者→業者の一方的な関係ではなく、業者さん側にメリットがあるから。仮に各業者さんが営業所に1冊ずつ本著を置くと、見込み客が「どこにいってもこの本がある…」と思って手を伸ばしたりする訳です。リノベするなら本の1冊くらい安い物でしょうし。

    きっと、こういう分野は他にもあると思うんです。
    売り手と買い手の認識に隔たりがあって、それなりに高い単価があって、今まであまり語られていない所。
    パッと思いつくのはお葬式とか相続とか、触れづらい分野な上に頻度も過少なところでしたが、リノベというのは今後伸びそうな分野でもあって、その意味でも巧い…。
    だからこそ、著者は色々なショールームを巡ったり、引っ越し業者に問い合わせをしたり、ご自身の経験を活かしつつ、リノベ/リフォームをするとしたらコレが必要、という全項目を網羅しようとされたのかなと。

    「劇的ビフォーアフター」的なワクワク感はもちろんあって、著者がされたリノベの考え抜かれた感も素晴らしかったのですが、感想という意味では上記がメインになってしまいました(^^;
    でも、住環境は整えたいですねー。もうちょっと不動産安くならないかしら。。

  • リノベとリフォームの違いが分からなかったが、この本のおかげでよく分かった。
    リノベを小規模なリフォームだと思い込んでいたが、逆だったとは…。

    リノベにしろ、リフォームにしろ、今すぐ検討する予定はないが、数年後に子どもが独立し始める事を考えると、今の段階でこの本に出会えたのは良かった。

    住宅に関しては素人の目線を保ちつつ、そこはやはりちきりんさんの解析力で、ボーッと生きている私にも順序立てて考えておくべきことや、様々な活用できるヒントを提示してくれている。
    一度流し読みしただけだが、実際にリノベ予定のある人は手元に置いても損のない本だろう。
    2019.11.23

  • 自身のリノベ体験から、リノベ会社の選び方、スケジュール、顧客が何が分からないか、リノベ会社の意図、考え方などを伝授。
    リノベだけでなく、新築で注文住宅にしたい人にも役に立ちそうな内容。私自身に家を買う予定はないが、家造りはワクワクしそうで、勝手に計画を立てたくなった。

    予算は必ず聞いてくるが、顧客は大体の値段が知りたい。しかし、設備により金額はピンキリなので、最初の段階でリノベ会社にいくらでできるかを聞くのはナンセンス。リノベ期間も然り。相見積もりは価格競争させるためではなく、どういう提案をしてくるかを比較する。提案してくる設備が違うので、価格を横並びにしても意味はない。
    予算はしっかり伝える。最終的に高くなるからと低い予算を伝えると、それなりの提案しかこない。
    リノベはリノベ会社との共同作業。問題が起こった時にどう対応しそうな会社なのか。
    企業選びは相対基準ではなく絶対基準にする。
    複数企業にプラン提案を依頼すべき理由は、値段を下げるためではなく、いろいろな人に提案してもらい質問し、説明してもらううちにどんどん理解が深まるから。

  • ちきりんさんのファンなので購入。

    リノベーションに関する顧客側の体験記ではあるが、それにとどまらず、新築で注文住宅を考えている人も一読する価値はある。少なくとも、数年前に注文住宅で家を建てたわたしはそのように感じた。

    家を建てる時も関連書籍を読み漁り、「住まいの解剖図鑑」「片づけの解剖図鑑」「快適で住みやすい「家のしくみ」図鑑」といった良書に出会え、かつ、工務店にも良縁に恵まれたおかげで、満足度の高い家を建てることができた。自分の家が好き、というのはうれしいことで、未だに建築関係の書籍には目を通すほどである。

    ーーー
    今回の本書には「台所での冷蔵庫置き場の位置」や「利き手とバスタブの位置の関係」といった、かつて読んだ本で「あー、確かに!」と思い我が家に反映させたところもあり、若干懐かしさを覚えながらも楽しく読み終えることができた。

    さらに、この本を読み進めると、いままで雑誌などで断片的(かつ、非常に簡素)な情報しかなかった「業者の選定の考え方」「予算に対する考え方」など、人気ブロガーである著者ならではの思考プロセスで追体験することができる。

    著者のいう「共同プロジェクト型取引」についても、今まで中々言語化して考えがいたっておらず、逆に、なぜ満足度が高いのか?といった点(=共同プロジェクトが気持ちよく達成できたから)に気づくきっかけとなった。

    これからリノベーションをしようとする人はもちろん、(業者、顧客側問わず)何かしらの建築に関わる人すべてにお勧めできる一冊。

  • 筆者が中古マンションを居住20年後に1200万円かけてスケルトン・リノベした記録。リノベという共同プロジェクトを一緒に行う業者の選び方、リノベプランの作り方、リノベ費用内訳、補助金、リノベ工程だけでなく仮住まいや荷物保管先、リノベを通じた親の家問題の解決策まで、リノベを体験したことがない素人にも詳細に分かりやすく書かれている。マイホームを買う人が多かった世帯が定年し、あるいは定年が見えてきたため、当事者として、あるいは「親の家問題」としてバリアフリーリノベ等をする人も増えると思うが、ぜひおすすめしたい。

    メモ:マンションはPS(パイプスペース)が決まっており、間取りに制限がある。洗面台の下を開けると車椅子でも使える。冷蔵庫をリビングの近くに置きにくいのは冷蔵庫の存在感が大きいから。グリルを使わない世帯は3割あるのにグリルなしコンロはほとんどない。ミストサウナ等のイレギュラーな注文をすると各社の対応が分かれ比較しやすくなる。toolboxはいつか使ってみたい。

  • ちきりんさんの本、という事でリノベの予定はなかったんですが読みました。具体的にリノベーションを考えている人にはとてもタメになる本で、「どうしたか」「なぜそうしたか」「それはどういう意味か」などがしっかり書かれていてとても分かりやすかったです。
    ちきりんさんが行ったリノベーションの過程やなぜそうなるのかという理由がとても分かりやすかった反面、「一般の人がリノベーションを考えた時にヒントになるようなポイント」的なものが50個載っているのかと思って読んだらそういうものではなかったので星3です。
    伝えたいことが50もあるので、文章量の割には深く踏み込まれた話になれないのも仕方ないかなと思いました。

  • リノベーションの工程を、最初の動機から施工完成まで追ってくれて面白く読めた。しかしデザインセンスはバブル世代だよなあ。デザインは真似したいという部分がなかった。

  • カリスマブロガーとして有名な著者が、自身の住まい(マンション)をリノベーションしたときの初めから終わりまでをイラストやビフォー・アフターの写真等を交え、「顧客目線」で解説した本。

    なお、著者は部屋の床、天井、壁等を全て撤去、躯体だけを残して、配線、配管等も交換、間取りも変えたフルリノベーションを行っていて、水周りだけとか部屋の一部だけを変更する「リフォーム」は行っていない。

    リフォームにすべきか、リノベにすべきか、業者はどう選んだらよいのか、途中の各種トラブル対処法、助成金の申請等々多岐にわたり自身の体験を踏まえ詳細に解説してあるので、築年数の古いマンションに住んでいる人は、リフォームやリノベをするしないにかかわらず、今後の参考のために一読してみてはいかがだろうか。

  • 貴重なスケルトンリノベ体験談。
    全体像が掴める。
    こだわりを持っている人の考え方なので、普段使いの家というものとの機能性の違いをかんがえさせられる
    機能として選ぶにはカスタマイズするしかなさそうだが、
    リフォームにリノベーションと選択肢が結構あることに驚き。
    もちろん1000万円単位で予算を組んで半年にわたるプロジェクトとなるが、
    理想の家に住むという考えが身につく。
    高齢者になることを想定したリフォーム知識や助成金知識もつかめるので、
    この手の本の一冊めとしてよさそう。

    賃貸住まいであっても、住む場所の選択肢として考える幅が広がる。

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著者プロフィール

ちきりん

関西出身。バブル最盛期に証券会社で働いた後、米国の大学院留学を経て外資系
企業に転職。2005年に書き始めた社会派ブログ「Chikirinの日記」は日本有数の人
気ブログとなり、ツイッターのフォロワーは30万人を数える。2011年からは独立
し、文筆活動に専念。デビュー作となった本書のほか、『自分のアタマで考えよ
う』(ダイヤモンド社)、『社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう』(大和書房)、
『未来の働き方を考えよう』(文藝春秋)などの著作がある。

ブログ    https://chikirin.hatenablog.com/
ツイッター  https://twitter.com/InsideCHIKIRIN

「2013年 『ゆるく考えよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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