- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478106891
感想・レビュー・書評
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より詳しく、がん治療について知ることができる本です。
様々なデータや、データの見方が紹介されていて、科学的根拠に基づく判断をしていくにはどうしたら良いかが示されています。
最善の治療と出会っていくためにはどうしたらよいか。
備えとして、早めに読んでおけるとよいのかなと思いました。 -
忖度なくズバッと書かれた本書。実父が前立腺がんになり前から1度は読んでみたいと思っていたのでこの機会に読んでみた。専門用語が多く私には難しい内容だったけど大まかな概要は掴めたしがんに対する理解が深まった。また負けないようにしたい。長いきするぞ!!
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・標準治療メインの治療がエビデンス的にももっとも高い
・食事、運動も並行して実施していきがんの発症リスクを下げる -
導入本として非常に明快かつエビデンスがきちんと提示されていて信ぴょう性に足る内容だと感じた。
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親が癌の手術を何度も受けていて、自分も癌になってもおかしくないのでは?と思い、読んでみた。
癌はメジャーな病気だけど、知らないことがたくさんあったので、この本を読んでよかった。
いざという時に、変なトンデモ医療に騙されないように正しい知識を身につけることが大事。 -
読了。非常に素晴らしい本でした。
最後に、筆者から本書はがんに関する「情報のワクチン」であると言われて納得した。
巷に溢れるがん情報をどのように受け取れば良いのか、がんとは何か、どうすれば良いのか、騙されないためにはどうすれば良いのか。それらの質問に対して完璧に解説をしてくれる。今風に言うのであれば、完璧に論破してくれる。いや、喝破か?
また、その内容と説明は正確であり、医学の、科学の信徒として適切で信用できる。
がん患者も健常者も必読だ。 -
医療の本なのにとっても読みやすく、わかりやすい!がん治療について知らないことや思い込みが多いと気付かされた。家族や自分ががんにかかったとしても、今は2人に1人がかかる時代で、治せなくてもうまく共存できる時代なんだと頭に入れておきたい。
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:覚え書き:
-----------------------------ここから
結局その辺の健康本と一緒
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こういう風に説明すると、患者さんも医者も、そして医師会もだまされるんだなぁと、
とても勉強になる一冊。←ここ共感
・「代替療法を受けたがん患者さんの生存率は低い」
「代替医療は標準治療と比較して治療成績が劣る」とする参考文献を挙げているが、
「すべての」代替療法を含んでいるわけであり、
個別の療法、例えばケトジェニックダイエットや高濃度ビタミンC点滴療法の判断はできない。
ちなみにこの報告は当然製薬会社から研究資金を調達している。
代替療法が優れている報告をするわけがない。
・「保険が適応される治療法こそ、最高の方法である」
がん治療薬は臨床試験を潜り抜けてきたエリートとのことだが、ここで大きなミスリードがある。
「がん治療薬に効果がある」とされる判断基準は「がんが小さくなった」ことであり、寿命に関しては全く関与していない。
つまり、「がん治療薬で寿命が縮むかもしれないが、がんが小さくなればそれでよし」という考え方なのである。
著者の一人である勝俣氏は製薬会社から年間360万円以上の報酬を得ている。
特にアッヴィ合同会社からコンサルティング料として年間100万円以上の報酬を得ている。
アッヴィ合同会社は抗がん剤のメーカーであるので、スポンサーの悪口を言えるわけがない。
以上の情報はマネーデータベース『製薬会社と医師』から誰でも閲覧可能である。
・「ビタミンCの有効性は証明されませんでした。」
高濃度ビタミンC点滴の有効性はほとんどが単群試験や非ランダム化比較試験であり、RCTはほぼ皆無であるので、その意味ではエビデンスはないといえる。
となれば、標準治療が全死亡率を低下させるエビデンスも同様に無いことになる。
手術した群と、放置した群のRCTはあるのだろうか?
抗がん剤治療とビタミンC点滴群のRCTはあるのだろうか?
結局何もないのである。
ちなみにビタミンCに否定的な報告が多いのは、多くが内服であったり、点滴量が少ないことに起因している。
さらに防腐剤が含まれていないビタミンCを使用する必要がある。
もう少しフェアな情報がほしいところである。
・赤肉は身体に悪い
津川氏は自著でもことさら赤肉の危険性を訴えているが、実は根拠が薄弱である。
まず本書で参考にしている「Nutr Rev, 74 (12), 737-748」だが、よく読むと「全死亡率と乳製品、肉、シリアル、パン、卵、茶、赤身の肉、加工肉の摂取量に相関がなかった」とある。
赤肉単独では死亡率に影響がないことを触れないとは、フェアではない。
そして赤肉で大腸がんのリスク上昇があると説明しているが、
参考にしている報告はどれも大腸がんのリスクであり「全死亡率」を調べているわけではない。
チャイナスタディーでは中国と米国の比較で、赤肉の摂取量が多い米国のほうが大腸がん死亡率が高かった。
しかし、平均寿命は米国のほうが長かったのだ。
裏を返すと、赤肉を食べるほうが寿命が延びることを示していることになるのだが。
・「推奨グレードがAかBの検診を受ければよい」
受けるべき健診における根拠を「国立がん研究センター」のホームページにしている。
「国立がん研究センターが良いといっているものはすべて良い」というスタンスは、非科学的である。
これは専門家の意見をただ載せているにすぎず、エビデンスレベルが低いことになる。
ガイドラインや論文自体の精査もしっかりしたほうが良い。
そこで、国立がん研究センターがだしている「有効性評価に基づくがん検診ガイドライン」をよく見てみると驚くべきことが分かる。
最終アウトカムを「対象がんの死亡率低下」としているのだ。
これはどういうことかというと、胃がん検診を行って、他の疾患、たとえば肝臓がんや心筋梗塞で亡くなった場合は「胃がん検診有効」とされるということなのだ。
世界中で、「がん検診で全死亡率が低下」した報告はまだ一つもない。
・糖質制限に科学的根拠がない。
本書の言う科学的根拠とは「LCDでがん患者さんの寿命が延びたという長期間のRCT」のことだろうから、その意味では根拠はない。
となれば、本書が進める標準治療も同様に科学的根拠がないことに気づいていないのだろうか。
脂質制限やカロリー制限、標準治療でがん患者さんの生存期間が延びたとする長期間のRCTなどない。
そしてケトインフルエンザに対する参考文献を挙げているが、その文献は肥満者に急激なケトン食を試行している。摂取カロリーも不明であり、なにより多種多量のサプリを併用している。下痢の副作用はオイルやマグネシウムのせいでは?
「糖質制限は生理学的には良さそうだが、エビデンスが不足しているのですすめない」というスタンスでは、この先永遠に糖質制限を受け入れられないが、それでもよいのか。
がんと肥満の関連、がんとインスリンの関連は本書でも指摘しているので、もう少し生理学的根拠を重要視したほうが良い。
専門外なので無理な相談ではあるが。
昨今の「トンデモ本」の見分け方は
・「科学的根拠に基づく」や「エビデンスに基づく」と銘打っている。
・参考文献だけたくさん引用し、論文自体の精査はしていない
・著者が製薬会社からたくさん報酬をもらっている
・生理学的根拠を軽視している
・AGEs、ケトン体、GI値、GL値というワードがない
・LDLコレステロールを悪玉と表記している
・なんだかんだ言って結局「食事はバランスが大事」
本書ではいくつか当てはまっているので注意。←ここ特に共感
-----------------------------ここまで
Amazon書評より -
感想
エビデンスの揃っていない治療方法はそもそも怪しい。民間療法は主観的なものが多い。治療法の選択においても科学的思考や態度は必要となる。