「お金の流れ」がたった1つの図法でぜんぶわかる 会計の地図

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478105573

作品紹介・あらすじ

会計は仕事と深く関わっているはずなのに、難しくてつまらないと思われがちです。本書は、「会計の地図」という図法を用いて、100以上の図解で「売上」から「のれん」まで一気通貫で視覚的に伝えます。「自分の仕事」が「社会の流れ」とつながる、会計ジャンルで空前絶後の「超」入門!

感想・レビュー・書評

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  • 会計用語の解説と会社の中でのお金の流れがどのようになっているのかを図を使いながらわかりやすく説明されている。前回の本とは違いどちらかというとその知識を軸にしてどのように社会と向き合っていくかという所に主眼が置かれており、その要素として「のれん」というものが重要な要素となっている。これは企業の時価によって算出される値であり、企業の純資産の価格がキーポイントになってくる。企業のイメージや魅力によって大小が決まっていく。これを大きく伸ばすためには創造力を身につけることが必要であるとしている。その方法として逆張りなどの解決方法が書かれてこの本は終わっている。この本はただの会計の本ではない、そのことをどう生かしていくのかである。『決算書の読み方』→本書のほうがより会計を理解するのに良い順番だと思う。会計に興味のある方は是非『決算書の読み方』と本書を読むことをお勧めします。

  • オープンハウスのロゴデザイン、或いは、画家のピエト・モンドリアンを彷彿させる小洒落たアートが実は決算書であり、そのアートをマップ化して道案内される事業の価値について、案内役もまた秀逸。素晴らしい。会計を学ぶなら、この一冊。企業人なら、この本で社員教育すべきではないか。とにかく分かりやすいし、本質的だ。

    何が素晴らしいか。出来上がった決算書を読むのではなく、事業を始める所から物語が始まる。商品を作ろう、いやその前に、お金を集めよう、がスタートだ。解説は「現金」から始まる。現金は商品になり、それが費用と売上へ。差額は利益へと。まるで商売をしながら、結果的に損益計算書と貸借対照表が出来上がっていくという原点を辿る。

    途中にテクニカルな解説も挟みながら、しかし、その軸は崩れない。現金が多ければ多い方が良いと思われるが、そのまま持っているだけでは、投資をせず機会を損失しているとも受け取られてしまう。不測の事態、不透明な環境、リスクの高い業界であれば現金を持っていた方が良い。例えばヒット商品の売り上げに左右されやすい任天堂、など事例も。

    そうして到着するのが、のれんだ。会社のブランド力や信用が溜まり、株式の時価総額が高まれば自己創設のれんとして他社に対する優位性が高まる。この時価総額を用いたPBR、株価純資産倍率だが、日本企業はPBRが1倍未満の会社が半分以上。これは大半の会社が本来持っている純資産よりも市場から評価されていない事を示すが、よくいう将来性、というものだ。のれん、時価総額、事業の期待、価値を上げるには、無形資産が重要。世界の時価総額ランキングの上位はほとんど無形資産の塊のようなもの。1975年米国S&P 500の市場価値に占める無形資産の割合は17%だったが 2015年で87%まで高まった。

    無形資産を高めるためにESGやら企業イメージ、開発投資などがある。将来を意識しているか、それに向けてアクションできているか。会社評価は、技術的に確立、進化してきた技法なのだと改めて感心した。人間における組織的な営為、活動の基本なのだろう。

  • 日本の経済に関してよくある「日本は借金大国である」という間違った言説。会計学の知識から日本の連結バランスシート(BS)を書いてみれば、破綻していないことが分かるだろうと言われています。政治家の言には、「破綻する」という前提に立ったものも多く、「経営者じゃないし会計なんて自分には関係ない」という人も自らそれを検証し政治家に騙されないようにするために会計学も身に着けなければいけない時代となっています。

    さて、この本は、会計学の概念を1つの図で示した本で、「漫画でわかりやすい」という類のわかりやすさではないのですが、全体を俯瞰することができるために、わかる、というものになっています。理系的には個別の事例を覚えるのではなく、1つの公式で表すことが良いとされ、例えば三角関数の諸公式が加法定理の1つから芋づる式に導けることは有名です。そんなような構造的なわかりやすさを目指している所に好感が持てます。


    自己実現という観点から見てみると、著者は「「会社」のお金の流れを見ることで、自分は社会にどう貢献しているのかを知ることができる。そのためのツール」が会計であるといいます。多くの人にとって、会計学というのは優先度の低い学問だと思いますが、この本をきっかけにして、自分と社会のつながりを「お金の流れ」という点から意識し、会計学へ足を踏み入れてみると、視点が変わってくるのではないでしょうか。そんな、入門的な本となっています。

  • とてもわかりやすい。
    ただ会計の知識をつけるだけでなく、会計を知ることで会社の特徴がわかったり、将来の成長度がわかるという話が面白かった。

  • #会計の地図 名著。「のれん」の概念を説明するプロセスとして、財務三表とそれぞれの関係性を丁寧に図解している。終わりにで、「入門書の前に読む入門書を書きたかった」と言っているけれど、のれん概念の説明は図解がこんなに相性がよいとは、初学者ではないけれどはっとさせられた。今後の仕事に直結すると確信。

    特に印象的なのは下記
    ・BSの真下にPLを持ってくる図解 P106
    ・のれんとPBRの関係の図解 P160
    ・企業買収に伴うのれん評価の図解 P163

  • 分かりやすいの一言に尽きる。まずはこういう本で、財務三表の全体像を掴むことが大切だと思った。全体像さえ掴めれば、難しい専門用語に触れても、すんなり頭に入る。ページぎっしりに文字があるわけではなく、図解も多用されていたので、かなり読みやすかった。具体的な有名企業での財務三表の解説も凄く楽しかった。投資の勉強をしてるので、そこの部分ともリンクする箇所も多く、更に理解が深まった。

  • 経理部門で仕事してる自分だけど会計の知識不足を感じてたため手に取って見ましたが、とても分かりやすくスラスラ読めた。
    キャッシュフロー、ROE等はもっと理解を深めたいと感じた。
    毎週読書してみよう!って気にもなった。

  • BS PL キャッシュフロー計算書のひとつひとつがバラバラの認識であったが、一つの表にまとめて表現されることで、つながりとして理解できるようになった。
    各章ごとに章全体の内容をスライドで図解しており、理解しやすかった。

  • 良質な入門書。大事な基本は全部書いてあるし、それをすべて図解してある(それもへんちくりんな図ではなく、複式簿記の基本の則った図になっています)ので、初心者でもわかりやすい。入門書の前にまず読むべき本だと思います。
    ある程度の知識がある人にとっては知っていることしか書いていないでしょう。その意味では読み価値はあまりないかもしれません。しかし、たとえば新入社員に説明するとき、この図解が頭に入っていると、わかりやすく解説できると思います。自分の知識を整理する上でも役立ちます。
    そして、せっかく手に取ったならパート3には目を通しましょう。会計の目的を再確認して、もっと言えば仕事をすること、起業が存在することの意味を再確認できます。

  • まさに入門書の前の入門書。
    入門書を読んでもいまいちイメージしづらかった箇所が綺麗に理解できた。
    個人的には、のれんについての説明がとにかくわかりやすい
    取得ののれんと自己創出ののれん2種類をうまく区分できていなかった。
    だからあのニュースをいまいち理解できなかったのか…

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著者プロフィール

ビジュアルシンクタンク「図解総研」代表理事。1987年生まれ。東京理科大学工学部建築学科卒業。千葉大学大学院工学研究科建築・都市科学専攻修士課程修了。面白法人カヤックでディレクターを務め、2014年株式会社そろそろ創業。「ビジネスモデル図解」で2019年度GOOD DESIGN AWARD受賞。2020年「共通言語の発明」をコンセプトに「図解総研」を設立。共同研究により「パーパスモデル」を考案。主な著書に『ビジネスモデル2.0図鑑』(KADOKAWA)、『会計の地図』(ダイヤモンド社)など。

「2022年 『パーパスモデル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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