わけあって絶滅しました。 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑
- ダイヤモンド社 (2018年7月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478104200
感想・レビュー・書評
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コロナ自粛で少しだけ地球環境が良くなって、ガンジス川が澄んできたり、東京から富士山が、インドからヒマラヤ山脈が見えるようになったり、都会に野生動物の姿が見られるようになったり……、普段は、人間の活動が他の動物達の生活を脅かしているように思えますが(いやこれほんとに事実ですけど)、実は生き物は、私たちとは関係ないところでも絶滅の危機に遭っていたのです。
なんと生命誕生から今日までに絶滅してしまった種は、99.9%!生があれば死があるように、生まれた種には必ず絶滅があるのです。
大きな理由は、1位「環境変化」、2位「ライバルの出現」、3位「人間のせい」。
生き残ることこそが例外の中、それでも、絶滅する種があるからこそ、進化して繁栄する種もあるということ。
絶滅と進化は隣り合わせだけど、絶滅したくないのであれば、経験者に話を聞いてみましょうというのがこの本の趣旨なのです。
そして、この経験者(60種の既絶滅種と10種の難を逃れた種)の代表者たちの言葉で、その経験が語られています。
まずは身近なところでニホンオオカミ。乱獲が原因だと思っていたら、なんとイヌからうつされたウイルスが原因だったんですね。
あと、イヌの悪事の濡れ衣を着せられて駆除されたフクロオオカミとか。
「岸辺のヤービ」に出てきたような気がしているんですけどリョコウバト。これも乱獲で絶滅なんですね。そういえば、種類は忘れてしまいましたが、「世界のはての少年」で獲っていた鳥も、ほとんどが乱獲で絶滅していましたね。
面白い形だったのは、プラティペロドン。ゾウの下顎が鼻と同じくらい長くなった形で、重くて疲れたらしいのです。
デコり過ぎていたのは、オパビニア。復元図が学会で発表されたときには爆笑が起きたとか。
マストドンサウルスには、上顎に、下の歯が突き抜けるための穴が開いていたんですよ。ここから食べ物こぼれなかったのかなぁ?
大きいものもいました。
翼を広げると7.2mのアルゲンタビス(80kgと重すぎて自力で飛べなかった)とか、体長6m(2階建ての建物と同じくらいですよ!)、体重3tのナマケモノ メガテリウムとか、想像するだけで、ドキドキします。
ユミハシハワイミツスイが環境に特化しすぎたのに対し、パキケトゥスは、陸海どちらにも特化しないことが命取りになり。
オオツノジカは戦うために角を大きくしすぎて体に栄養が回らなくなり、骨がスカスカになって滅んだらしく、真の目的を見失った姿を見せられているようです。
ムカシトカゲって、寿命100年なのに、4年に1度しか産卵しないんですね。うわ、少なって思いましたけど、人間が4年に一度出産するなら少子化社会はないですよね。
驚いたのはクニマス。田沢湖で絶滅したと思っていたら、西湖で生きていたのを、なんとさかなクンが見つけたんですって。
最後に「はじめに」に書いてあった耳の痛い話。
「絶滅は自然の仕組みの一つですが、「自然が引き起こした絶滅」と「人間がかかわった絶滅」はまったく別物。なぜならば、人間による絶滅はつぎの進化した動物をうみ出さないからです」。
こんなふうに、知的好奇心をくすぐられながら、怠けすぎていたら絶滅しますよと自戒しながら、これもヒトのせいなのね、ごめんなさいねと反省しながらも、楽しんで読める本です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「絶滅」って、とても悲しいことだと思うんですが。
絶滅した本人が、「なぜ絶滅に至ったか」「絶滅しないためにはどうすればよかったか」を語る設定になっています。
イラストがまた絶妙。
丸山貴史さんて、知識も豊富ですが、絶滅した動物の身になって発言させることができる天才だと思いました。
すごく面白かったです!
丸山さんのほかの本も読んでみたいです。 -
著者、丸山貴史さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。
丸山 貴史(まるやま たかし、1971年 - )は、日本の編集者、文筆家。好きな動物はツチブタ。
東京都出身。図鑑制作のスペシャリストであり、制作に関わってきた図鑑は100冊以上。子どもたちに生きものの面白さを伝えるために活動している。
で、今回手にした、『わけあって絶滅しました』。
その内容は、次のように紹介されています。
油断、やりすぎ、不器用、不運……
ああ、地球ってせちがらい!
わけあって、絶滅してしまいました。
発売後たちまち28万部突破のベストセラー!
受難のいきもの70種!
さまざまな理由で地球から消えていった生物の「絶滅原因」を紹介する
今までになかったコンセプトの動物図鑑が登場!
地球誕生以来、生物の99.9%は絶滅してきました。
いま地球にいる生物は、奇跡的な確率で「たまたま」存在していると言っても過言ではありません。
「アゴが重すぎて絶滅したプラティベロドン」
「まっすぐすぎて絶滅したカメロケラス」
「笑いすぎて絶滅したワライフクロウ」
など、興味深い絶滅のエピソードとともに、
「森に引きこもって助かったコビトカバ」
など、絶滅しそうでしなかった生物も紹介しています。
各ページには生物の基礎情報も丁寧に解説しており、学術的な内容も充実。
巻末には別冊の「絶滅全史」の付録つき。
生物の99.9%は絶滅してきたとのこと。
人間も、いずれは絶滅するのかねえ。 -
全ルビなので小学生から読める。
キャッチーな見出しと絵本風のイラスト、左側ページには少し専門的な解説が入り、年代表も表示される。
親子で読んで、考えたことを言い合ったりしたら面白いんじゃないか。
絶滅したことをネタにされるのは切ないだろうが、滅びた生物自身が経緯を語ってくれるのが面白い。
面白がってもいられない。
「はじめに」には、『自然が引き起こした絶滅』と『人間が関わった絶滅』とは全くの別物、自然が引き起こした絶滅は、その代わりに新しい種族が進化していくが、人間が関わった絶滅は何も生み出さない、と書かれていて衝撃。
読み進めば、人間が島に入ってきて、家畜を持ち込んで、天敵を持ち込んで、病原菌を持ち込んで…などというケースがたくさん載っていて、人間生まれてごめんなさい、人間は失格、みたいな後ろ向きな気分になりかけたが…
人間が記録というものを残したおかげではっきり分かっているのであって、実は理由のわからない絶滅の方が多いのだそうだ。
仕方ないな、と思うのは、進化の仕方がいまいち「使い勝手悪かった」というもの。
神様が商品開発してみたが、やっぱりこのパーツ邪魔だよね、もっと重さを減らしてスピード上げた方がいいよね、などと新たなアイデアで生き物を増やしていった結果だろう。
これも仕方ないな、と思うのは、今までにあった5回の大絶滅「ビッグファイブ」の時。
次がないとは限らない。
どの種族も必ず滅びを迎えるのだという。
いつか6回目の「大絶滅」があったとき、人類は生き残れるのだろうか。 -
絶滅の理由というのは、
乱獲が多いのかなぁと思っていたが、
これほど様々な理由があるとは。
しかも、笑ってしまうような理由も多い。
店頭で面白そうだと思い購入したが、
イラストも可愛いし読みやすいし
老若男女楽しめる本だと思いました。 -
命の終わりは「死」。
種の終わりは「絶滅」。
生き物のうち99.9%が絶滅したという理由を探る。
絶滅しそうで、してない生き物も有り。
別冊に絶滅全史有り。
いやまあ地球のせいでの絶滅の凄まじいこと!
大隕石の場合もありますが、その影響で自然環境ががらりと
変化してしまう恐ろしさ。対応できないと絶滅まっしぐら!
それでいて、絶滅と進化は背中合わせ・・・でも、進化の過程が
おかしくなっての絶滅は、なんだか虚しい・・・。
もちろん人間のせいでの絶滅もありますが、クニマスさんの
「絶滅させたり 保護したり 人間は勝手なものだよ」には
ドキッとさせられました。
さすがに「ざんねんないきもの事典」コンビの本は面白い。
児童書コーナーの本だけど、大人が読んでも楽しめます。 -
子供とミニ博物館でカイギュウを見た時に、「何を食べていたか知ってる?」と職員の方に質問されて
「海藻です」って答えたから、「なんで知ってたの?」と聞いたらこの本で見たと、、、
さっそく読んでみました!
大人が読んでも面白い!
カタカナの名前が多いから覚えづらいけど、大きくて重いものは絶滅しやすいんだなと、、
続編も読みたいです!
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大型化が進みすぎて 小回りが利きにくくなり
絶滅するのが多いみたいです
他の種に対抗するなら
小型で早い方が有利なのに
なぜ大型化してしまうのか・・・
考えると なかなか深いですねぇ -
悲しい出来事ですね。今生きている事は凄い事ですね。