世界最高の子育て――「全米最優秀女子高生」を育てた教育法

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  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478103883

感想・レビュー・書評

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  • 日米のエリート教育の違い、というより埋める事のできない差を思い知った。日本で一流大学に入る方法は一発勝負の入試を突破するしかない。言い方を変えると、日本では入試の筆記試験さえ通ればいいので、最難関の大学には勉強以外を犠牲にして勉強ばかりしてきた人間が集まってしまう。

    アメリカの一流大学はSATのスコアで計測できる学業成績だけでは到底合格できないという。SATで満点を叩き出すような人物は沢山いるわけで、次世代のリーダーを育てたい米国の一流大学は突出した何かを持ち、コミュニティに貢献できる人物を必要としているからだ。卒業生の多くをアイビーリーグへ送り出すアメリカの進学校では卒業の条件としてボランティアに従事する時間が定められている事も納得だ。

    成長を止めた日本が蘇る為には、教育を改革しなければならない事は明らかだ。大学入試改革でアメリカに近づくのか、どのように教育が変わっていくのか注目したい。

  • 世界最高とか
    全米最優秀とか表紙に書かれており、大げさだな、胡散臭いなと感じながら読み始めました。
    しかし、この本は日本のお母さんたちみんなに読んでもらいたいと思う本でした。
    私自身帰国子女で、海外と日本の教育に関して身をもって違いを体験しましたが、まさに、日本でもこれから求められる能力というのは、いわゆる日本の良しとされてきた教育とは違います。
    東大でも推薦入試ができましたが、今後は、点数で見る学力ではなく、その子の輝く点、可能性のある点をみて評価されていきますし、今後社会を動かしていくにはどんな能力が必要でどんな教育が必要なのか、この本から理解できると思います。
    是非おすすめです。

  • モンテッソーリと同じくらい目からウロコの気付きがあった。

  • これからの子育ての中で定期的に読み直したい1冊

  • ・今後社会で求められる学力とは
     国際化、多様化、人員削減、AI台頭など変化の激しいこれからの社会では
     ・知識、技能
     ・思考力、判断力、表現力
     ・主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
     が必要になる。

    ・必要な思考法
     ①自分で考える力
     ②実行機能
      自分で計画、実行し、結果を出すスキル
      脳の3つの機能に依存している
      ❶作業記憶
       短期間に脳内に情報を記憶し必要に応じて適切な情報を活性化させる
      ❷認知的柔軟性
       状況に応じて、使い分けや他の方法を探す
      ❸自己制御
       優先順位をつけ、衝動的な要求や行動を抑える
     ③クリティカルシンキング
      思い込みや感情に惑わされずに論理的に良い結論を導くこと
      的確な判断力と決断力を持ったストレスに強い子が育つ

    ①考える力をアップさせるために
     ■イエス、ノーで答えられない質問(オープンエンド)を習慣にして考える癖をつける
      どんなことがあったの?どうして?どうやって?いつ?なんのために?など。
      回答として「わからない」は無し。
     ■あなただったらどうする? を口癖にする
     ■子どもの能力を信頼し、考える自信をつけさせる
      粘り強いね、色々なアイデアを試しているね、頑張っているね、と温かい言葉をかけてあげると子供は自信を感じるようになる
     ■経験を増やし知識ベースを広げる
      ある一定の知識がなければ好奇心は生まれない
      好奇心がなければ自分で考えようという姿勢は身につかない
      そして、楽しく学んだことは長く頭に知識として残る
      →実際に自分で体験してみることが大切

    ②実行機能の育て方
     前述の3つの機能に注目して、大人が枠組みを作る
     一つ一つの作業の理由を教え、作業を順番にやることによって結果に到達する流れを見せること
     足場と捉えるとわかりやすい。
     実行機能は最初は大人が足場を作ることによって育成するが、建物が無事に完成に近づくにつれて(子どもの成長とともに)足場は不要になる。
     ただ、足場がないと建物は建たない

     まずは子どもの興味のあることを見つける。
     それについてどんなことを知りたいかを話し合う
     どうやってそれを知ることができるかを考える
     考えたことを行動に移す。行動する時も全部こどもが自分で決める
     その合間に、テレビを見たい、などの衝動が出てくるがそれを自制心で抑えてプロジェクトを完成させる。

     ■大きなことを小さく噛み砕く
      幼稚園からできることとして、大きな作業を小さな作業に分解すること
      例:夕飯
      何を作るか、スーパーに行って、どのくらい時間がかかるかを考えていつ作るかも決めて、作って食卓に出す。
      そのときにそれぞれの作業の順番、作業の意味を説明する
      どうして?と聞かれたら答えを教えず、どうしてだと思う?とまずは考える癖を植え付ける。
      手伝わない、プロセスと結果にあれこれ言わない、見張らない。

     ■自制心
      マシュマロ実験 我慢したらマシュマロ2つ食べていいよ
      →大学入試の点数が高い、肥満指数が低く健康管理にも長ける
      ▶︎自制心を鍛え実行機能を高めることは人生を成功に導く上で重要

     ■十分な睡眠を取る
      睡眠不足だと衝動的な行動に出たり注意散漫になる危険性が非常に高い

     ■理由付きの ちょっと待ってね
      理由をつけると相手の立場を思いやる心を育てる
      なぜが加わると、どうして待つ必要があるのかを考える
      ただし、大人も必ずその約束を守る。約束を破ると、待っても損、と植え付けられてむしろ待てない子になる。
      待てたら「助かったわ」と協力に感謝する。
      ポジティブな達成感は自制心を強化する

    ③クリティカルシンキング
     ■特徴
     ・自分の意見が正しいことよりも最良の結論に辿り着くことの方が大切
     ・思考を飛ばして結論に飛びつき断定することがない
     ・情報を鵜呑みにしない
     ・感情に惑わされて優柔不断にならない
     ・他の意見に耳を貸す柔軟性がある
     ・自分に対しても正直になれるから自分の間違いを正せる
     ・感情に走らずどんなときも落ち着きを保てる
    →ストレス耐性がつく。

     ・良い点と悪い点を書き出す
      1.問題を1行で書く
      2.自分なりの解決法を1〜3つ出す
      3.それぞれの解決法について良い点と悪い点を書く
      4.その結果から判断し、自分にとって最適な答えを導き出す

     ・「本当にそうか?」と自問する力を習慣にすると何か言われた時や何かあった時に自分を責めるのではなく、まずは状況を把握する冷静さが育つ
      1.どう感じたか?(生理的リアクション)
      2.何を言われたか、明確に思い出す
      3.誰に言われたのか、あなたをよく知っている人か、言ったことについてよく知っている人か
    4.どこで言われたのか、みんなの前か、ヒソヒソか
    5.いつ言われたのか
      6.どんなふうに言われたのか、悪意があったのか
     ▶︎言われたことに関して客観的要素はあったか?
     ▶︎自分はどんなふうに感じたいか?

    ■コミュニケーション力
    ・第一印象が大切さ
     笑顔と握手、大きな声での毎日の挨拶が大切

    ■心が折れない回復力(レジリエンス)をつける
    人の心は自然もネガティヴになるように出来ているため、回復力をつけることが大切。
    脳は生まれながらにして悪いことにより過敏に反応する傾向がある。

    ・心をポジティブに保つ
    →1日の終わりにその日の良かったことを書き出す

    ・良好な人間関係を築く
    →人を幸せにする1番大切な要素は良好な人間関係
     ・毎晩夕飯を一緒に食べる、など子供にとっての安全地帯を確保する。
     ・親の幸福度は子供に遺伝すると言われている
      親が愚痴っぽいと子供の心の習慣になってしまう
      子供の幸せのためにこそ、親は何があっても譲れない自分の時間を作る

  • 子育ての視野を広げてくれるような本だった。
    何回も読みたい。

  • 何回も読み返してるこちら。
    自分の頭で考える力
    レジリエンス
    やり抜く力
    自己表現力
    コミュニケーション力

    こどもたちがつけられるような関わりを。
    子育てがぶれてさそまいそうな時の指針本に。

  • 日本とアメリカで考え方や気質の違いを教えられた。
    個性を活かせるように子育てに励みたい。
    出る杭を伸ばしてあげたい。

  • 考える力、コミュニケーション力、レジリエンスなど、非認知能力を鍛える子育てをしよう、という本。

    特にレジリエンスの章が、子育て関係なく参考になりました。

  • 娘が全米最優秀女子高生コンクールで優勝したママによる、娘が通ったアメリカの幼稚園〜高校での教育と、家庭教育の話。日本で自分が受けた詰め込み教育と違いすぎて目から鱗だった。アメリカで子供時代からやり直したいくらい。

    ・教えるのではなく自分で学ばせる

    ・オープンクエスチョン&あなたならどうする?

    ・子どもの長所を伸ばす観察
    子供が時間を忘れて集中していることは?
    子供に努力しているという自覚がないことは?
    どんな話題をよくするか?
    人から言われなくても進んでやることは?
    他の人にとっては難しいが子供にとっては簡単なことは?
    他の人が子供を表現するときの形容詞は?
    嫌いなことは?

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著者プロフィール

Shigeko Bork BYBS Coaching LLC代表。ICF(国際コーチング連盟)会員ライフコーチ。アートコンサルタント。福島県生まれ。30歳目前に単独渡英し、美術系の大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学、現代美術史の修士号を取得する。フランス語習得のための留学中、のちに夫となるアメリカ人と出会い1998年に渡米、結婚し娘を出産する。「どんなときも自分らしく強くしなやかに生きていく力を」という願いのもと、ワシントンDCで育児をスタート。非認知能力育児に出会い、研究・調査・実践を重ね、自身の育児に活用。娘・スカイが18歳のときに「全米最優秀女子高生The Distinguished Young Women of America」に選ばれる。子育てと同時に自身のライフワークであるアート業界のキャリアも構築、2004年にはアジア現代アートギャラリーをオープン。2006年アートを通じての社会貢献を評価され「ワシントンの美しい25人」に選ばれた。現在は、セカンドライフをライフコーチとして、全米・日本各地で子育てやママに向けたコーチングを展開中。

「2022年 『しなさいと言わない子育て』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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