福岡市を経営する

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  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478103470

感想・レビュー・書評

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  • 福岡がおもしろい!
    大型のクルーズ船が福岡に寄港したり、おもしろいコンテンツをどんどん打ち出したり、災害関係の整備が進んでいたりと…
    ここ数年ものすごく福岡が元気だな~と思っていたら…
    そうか、この人が市長になって走ってきたからなんだな~と納得。

    元アナウンサー、36歳の若さで市長に就任した高島宗一郎さんの著書。
    新人、それも若手ということでなかなか大変なことも多かったそうだけど、市民と一丸となって新しいチャレンジで福岡を活気つけている。

    国を頼らないで自分たちで市を”運営していく”ということの大切さ!

    「国からのお金がないからあれができない、これができない」っていう言い訳をせずに「どうやったらできるか?自分たちで考える」ことを実行。
    だからこそ、ちゃんと海外の人や国とも信念を持ってきちんと話し合いができるんだろな~。

    福岡は長期のビジョンで大きく変わっているというのは土地を訪問するとよくわかる。
    街中で使いやすいネット環境、
    住民に使いやすい制度(老人にも子育て世帯にも)
    都市の計画など…
    訪問するたびに「住みやすいだろうな~」と思う。

    きっとこんな熱意ある人が政治を変えていくんだと思う。

    すごく面白い本でした。
    そして読んでて元気が出る本でした。

  • 当選前から知名度があればクリエィティブに政治ができる。アナウンサーという職を生かして当選し、地盤や看板を持たないからこそ、ここまで創造的でいられるのではないか?日本で初めて首長としてダボス会議に呼ばれたスーパー市長の初著書。市長政治論・都市経営論というより、自己啓発、エッセイ

    ●本の概要・感想
     グロービスでよくお見掛けする高島福岡市長による初の著書。本を書くきっかけは編集者に営業されたからのこと。読んで納得。タイトルは「福岡市を経営する」とあるが、内容はエッセイ、自己啓発寄りで取り扱うテーマが拡散し気味。本の構成は高島氏が普段市長として考えていることが散りばめ編纂して作られており、一つ一つのアイデア、価値観は面白い。ただ、読んでもタイトル「福岡市を経営する」って、結局どういうことか、分からない。その問いに答える本の作りになっていない。タイトルを見て、著者独自のコンセプト「福岡をアジアをリーダー都市にする」に関する詳述が多いものと期待していた。本の結果としては、グロービスなどでよく聞く話題「若者が各界に進出すべき」「起業家を応援しよう」等が盛り込まれてしまって、著者のオリジナリティがやや薄れてしまった印象だ。
     個人的に一番面白かったのは「選挙に強い政治家(知名度)」の重要性が分かったこと。そもそも、国政にでる前提で、選挙に強くなるためにアナウンサーになったという。結果を見ても、その戦略は非常に筋が良かったと言うほかない。初当選からカバンや地盤を持たずに、アナウンサーとしての知名度が功を奏し当選した。この空中戦の強さが、高島氏のクリエイティブな政治力を下支えしているのではないか。著書内にも指摘があるが、一般的に政治家というのは当選のために講演会や地盤へのあいさつ回りに非常に多くの労力を割く。政治家として活躍するためには、当選しなくては何も始まらない。したがって、応援している人たちとのコミュニケーションが多くなってしまう。これが、政治家の抱えるジレンマだ。本来は市政の民の代表として意見を述べるべきだが、気づかぬうちに特定の思想、価値観に染まってしまうのである。首長にもなれば、よりジェネラルな感覚・および各分野の最先端の知見を身に着け、意思決定を下していかなければならない。そうでなければ、自治体を良い方向に変えていくのなど難しい。高島氏は初当選から奇跡的だった。十分な選挙準備期間があったわけではない。しかし、アナウンサー時代に培った知名度・好感度を生かして当選した。高島氏がここまでクリエイティブでいられるのは、最初の当選からから、特定の地盤や看板を持っていなからではないか。「あの業界には頭が上がらない」「ここの人たちのいう事は絶対」というしがらみを持たずに当選できたからこそ、常に各界の最先端の知見を取り入れることができる。破壊的な改革も厭わない。これから政治家を志す若者は、まず高島氏のようにしたたかに、知名度を獲得できる職に就く、ことを検討してみはいかがだろうか。

    ●本の面白かった点、学びになった点
    *災害対策をどのように行うかについて多くの文量が割かれている
    *市長が変われば都市も変わる。高島氏が就任してから福岡はイケイケになった
    ・人口増加
    ・スタートアップの開業率全国一位
    ・国際コンベンションなどの招へい数がとにかくすごい

  • しがらみと闘いながら福岡市をアップデートさせたサクセスストーリーとして単純に楽しめるが、それ以上に
    「新しいことを、新しくない環境で始める」ことの難しさだったり、必要な覚悟だったり、なによりそこを乗り越えたときに見えてくる景色だったりが熱く胸に迫る。
    なんなら「福岡に住んでみたいかも」と思わせるくらいのパワーがある。

    そして信じられないほどの成功の裏には、それこそ信じられないほどの不断の努力。
    周囲に原因を探し言い訳を求めるのではなく、あくまで全力で向かう。
    新年度に襟を正してくれる一冊。

  • 【書評】恐れず挑戦する人こそが、成功する
    『福岡市を経営する』

    「福岡市はここ数年で本当に変わった」
    福岡出身の友人から上記のような声をよく聞く。
    若手市長が何を考え、どのように市を変えたのか。
    私は気になり、本書を手に取ってみた。

    高島氏の尊敬できる部分として「スピード感のある実行力」が挙げられる。
    2016年に起きた福岡市の陥没事故も、市長の判断スピードと実行力により素早い復旧がなされた。
    まず実行してみて、そこから修正していく。
    変化が早いこれからを生きるためには、どの仕事でも「スピード感のある実行力」は必要になってくるだろう。

    また、とにかく小さく結果を出したという点も尊敬できるところだ。
    人から信頼を得るためには、結果を出すのが最短ルート。
    だが素人からチャレンジすることは、すぐに大きな結果は出せない。
    だからこそ自分ができる範囲で、まず小さな結果を出していく。
    そうすることで信頼に繋がり、次のステップに進むことができる。

    高島氏はアナウンサーを辞め、政治家という道を選んだ。
    はじめや1章に悩みや苦しみが記載されているが、「変わる」「挑戦する」ということは「不安」や「痛み」を伴うのだ。
    それでもチャレンジできたのは、高島氏の「夢への熱い想い」なのだと感じた。
    私が高島氏の考え方に共感できるのは、上記の部分に繋がるところがあるからだろう。

    最終章の高島氏からのメッセージが熱い。

    「成功の反対は、挑戦しないこと。」
    「幸せだから笑うんじゃない。笑うから幸せになる。

    不安や痛みを恐れず、楽しみながらチャレンジできる人間こそが成功を勝ち取るのだ。

  • ニュースキャスターから福岡市長へ、現在3期目を務める現職高島市長の手記。
    36歳の就任時からは既存の古いお役所体質の中ご苦労されたこと、信念と夢を持って改革を進めてきたことが分かります。

    2020年2月からのコロナウイルス感染拡大は、はからずも全国の各自治体での政策を横並び比較する機会となり、中でも光るシステムを構築したり良いメッセージを発信しているのは、大阪府、千葉市、福岡市、札幌市なと若く有能な首長のいる自治体でした。
    古い体制からなかなか抜け出せない世代がまだ牛耳っている社会や団体を、
    いかに新しい時代へ導いていくか、とても参考になる1冊です。

  • 最初から 政治を目指していたのですね。
    そのために どうしたらよいか。
    アナウンサーは その目的の 通過点。
    福岡市は 最近元気ですからね。
    ちょっと その理由が わかりました。
    一人の人間によって 町が 変わるんですね。
    ただ この人は 一人からの 闘いと言っていましたが。
    自民党という バックが あったので
    本当に 一人からの スタートとは 言えないのでは 無いでしょうか。

  • 「リーダーは決断するのが仕事です。」

    本書の中では市長当選後は割と順調に市政が進んだかのようにテンポよく語られていますが、現実は変化を求められることへの根強い反発や既得権益層との厳しい戦いなど、決して楽な道のりではなかったと思います。(敢えてそういった泥臭い部分を多く語らないところに好感を持ちました)

    前市長は、市の負債を縮小するなど、それなりの実績を残しており、再選を決定的に危うくするほどの失政は無かったようです。それでも当時の国政や中国漁船事件の対応など、民主党政権に対する不信感は大きな逆風となり、知名度こそあれ政治経験ゼロという未知数の36歳の若者を大きく後押ししたことも事実だと思います。本当に何かを実現する人は、自身の才能や努力だけでなく、そんな時の運をも味方につける天賦の才能を持っているのではないかと思いました。

    すでにこれまでの経験則や既成概念は通用しない世の中です。日本をここまで豊かな社会に成長させてくれた先人に尊敬の念を持ちつつも、これからの時代を牽引する若きリーダーの一人として、今後もどんどん「決断」して欲しいと思いました。

    個人的には「命のバトン」の件(くだり)がとても心に残っています。

    … それはコツコツとした地道な仕事を通してでもいいし、世界を変革する起業でもいい。また次の世代を担う子孫を残すこともひとつの命のつなぎ方ですし、生き様を記憶として次の世代へ残すこともできるかもしれません。(p252)

    自分はどんな形で命のバトンを繋ごうかな。

  • 福岡が良くなっていくのがホントに良く分かる。
    これからは公的機関の先鞭という感じが凄くします。

    「税金を使って問題解決」は古い。

    その通り!

    税金を使う側の問題も当然あるんですが、税金を支払う側の気持ちも、今までより変わらないとダメな気がした。

    お金(税金)を払っているからと、何でも公的な組織頼りにしてしまう、その民衆心理そのものを、責任転嫁の強い今の世の中、どうやって自分自身から変わっていくのかが、すごく興味あるテーマになりました。

  • 現役福岡市長、高島宗一郎さんが市長在職8年を振り返り、地方都市の可能性、現代のリーダーに必要な考え方や行動力、福岡市を最強都市とした戦略等を書き綴った一冊。

    福岡市といえば、人口160万人弱を抱える政令都市で、海や山、自然と街がいい塩梅で存在し、スタートアップに力を入れて、起業しやすい環境を整備、アジアを中心とした訪日客が多く、新しいことにチャレンジしているというイメージがあった。

    自身、福岡市に住んでいて、勢いを感じるし、住みやすさ、利便性も問題ない。欲を言うと。。ということはもちろんあるが、求めすぎるより、快適な今の環境を楽しんでいる。

    そんな福岡市の現市長は、市長となる前、いずれ国政に進出して、日本に貢献したいという想いはあったそうだ。しかし、8年前、ある自民党議員から声がかかり、市長としての道を歩むことになる。

    日本という国を、それぞれ個性の異なる地方が、それぞれの個性で輝くことで、結果的に国が光輝く宝石箱のようになればいいという想いで、若く、勢いがあり、リスクを負いつつも行動、決断できる高島市長は、今の福岡市、今の時代のリーダーとしてピカイチだと思う。

    もちろん政策である以上、市民全員が納得でき、市民全員が利益を受けるというものはまず無理で、あくまで福岡市全体にとって利益となることが進められ、どこかで既得権益者が損をしたり、誰かにとっては不都合な政策となることもある。
    そして、彼らの抵抗の勢いは激しく、賛成意見よりも声が大きいこともしばしば。しかしそれを恐れて、何も行動しないでいると、市政の見かけは安定しているように見えても、成長はおろか、後退していく一方となる。

    新しい行動を起こすには、反対意見や、行動を起こさせないようにする動きが起こるのは、どんな行動でも同じ。
    自ら決めた決意であっても、なにかしら理由をつけて止めてしまう。そんなことは、誰にでも起こる心の動きだと思う。
    そこを乗り越えて、これからも新しいチャレンジを続けていこうと思える内容だった。
    福岡市最高♪


  • 実際の行動で示した難題への最適解がカッコいい!組織は利口なリーダーありきなのだと心から思わせてくれる本:)

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著者プロフィール

福岡市市長1974年生まれ。大学卒業後はアナウンサーとして朝の情報番組などを担当。2010年に退社後、36歳で福岡市長選挙に出馬し当選。2014年、2018年といずれも史上最多得票で再選し現在3期目。2014年3月、国家戦略特区(スタートアップ特区)を獲得、スタートアップビザをはじめとする規制緩和や制度改革を実現するなど、数々の施策とムーブメントで日本のスタートアップシーンを強力にけん引。福岡市を開業率連続日本一に導く。2017年日本の市長では初めて世界経済フォーラム(ダボス会議)へ招待される。規制緩和で誘導する都市開発プロジェクトやコンテンツ産業振興などの積極的な経済政策で、政令指定都市で唯一、7年連続で税収過去最高を更新。一方、熊本地震の際には積極的な支援活動とSNSによる情報発信などが多方面から評価され、博多駅前道路陥没事故では 1週間での復旧が国内外から注目された。

「2021年 『福岡市長高島宗一郎の日本を最速で変える方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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