直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN

著者 :
  • ダイヤモンド社
3.84
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478102855

作品紹介・あらすじ

各界のプロフェッショナル大絶賛の「VISION DRIVEN」とは――。
「戦略からはじめない」「直感でおわらせない」思考の全メソッド!

P&G、ソニーで活躍し、米国デザインスクールで学んだ最注目の「戦略デザイナー」が語る!
「妄想」を手なずけ、圧倒的インパクトを生み出す
「先が見えない時代」に必要な「感性ベースの思考法」の決定版!!

感想・レビュー・書評

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  • ▼本のポイント
    ・「自分の本当にやりたいことって何だろう?」という問いに答えるための思考法をまとめた本。
    「人も組織も『これがやりたい!』があると強い」という視点のもと、"他人モード"から"自分モード”で生きることの大切さを説いている。
    ・"自分モード"で生きるための手段としてビジョンドリブンが登場する。
    ・ビジョンドリブンはイシュードリブンの対となる思考で、なにより「妄想」が大切であるという。

    ▼思ったこと
    ・車を買う、家を買う、みたいな画一的な幸せのないこの時代だからこそ、やっぱり幸せは自分で定義していくしかない。そのためには"自分モード"で生きることがマジで大事になってくると思う。でないと、一生「自分の本当にやりたいことって何だろう?」と問い続けながら生きることになると思う。
    ・そういう意味で「目的の難民」は言い当て妙だと思った。
    ・ここでもムーンショットが書かれてたけど、マジで10倍思考は妄想を膨らませるのに有効。
    ・もっと休もうと思った。日々の中で「余白」を増やして何かを妄想する時間を増やして、「これがやりたい!」「これが好き!」と思えることを強くしていきたい。
    ・あとTwitterのいいねリスト見返そう。あそこに自分の嗜好性が溜まっている気がする。

  • 結構むずかしかった。行ったり来たりしました。

    他人が満足するための「他人モード」の仕事ばかりしていると、「本当にやりたいことがわからなくなって」しまうので、自分がやりたい「自分モード」をするのはどうすればいいのかとの投げかけではじまっています。
    「自分モード」とは、「直感」に突き動かされ狂信的ともいえる「妄想」を実現するためにアクセル踏み続けることといっています。
    直感で感じたことを、論理的に実現するためにつなぐ思考法を模索するのが本書です。

    序章、第1章では、「ビジョン思考」に到達するための過程、「ビジョン思考」とはが語られます。

    ①カイゼン思考 PDCAを回して計画⇒実行⇒評価⇒改善 を行っていくには、正解がそこになければならない。が、現在は、あいまいで不確実な、VUCAの時代になっていてカイゼン思考については、かつてないほどの危機にされされている。

    ②戦略思考 ロジカルシンキング MECE フレームワークなどを使ってメソッド化したもの。このやり方は個人に負担が大きくて、どこかで限界がきてしまう。
    目標設定⇒資源棚卸⇒選択集中⇒検証 のサイクル

    ③デザイン思考 手を動かして考える(プロトタイプ) 五感を活用して統合する(両脳思考)、生活者の課題をみんなで解決(人間中心共創) 作り手の個性、「自分らしさ」が失われていつのまにか、「自分がなくなっていることに気が付く」
    手を動かすということでKVA 全身で感じる(体感:K)⇒絵にして考える(視覚:V)⇒名前を付ける(聴覚:A)を回す
    課題設定⇒共感⇒発想⇒プロトタイプ のサイクル

    ということで、長期的にモチベーションを持ち続けることができる、もっとも人間らしい「ビジョン思考」に到達する

    ④ビジョン思考 内発的動機を大事にして、妄想を駆動力にして創造する。
    妄想⇒知覚⇒組替⇒表現 のサイクル

    結論は、ビジョン思考こそが、「本当に社会を変えたい人のための思考法」である。 です。

    第2章以降は、「ビジョン思考」の解説です。

    妄想
      イシュードリブン 顕在化している課題に対しての解決する思考
      ビジョンドリブン まだ目には見えない理想状態を自発的に生み出し、現実とのあいだのギャップから得ていく思考
      10%成長よりも、10倍成長を考えるのが妄想、達成できそうな目標よりも、もう一方先に進もうが妄想

    知覚
      シンプルでわかりやすい世界よりも、複雑のままで考える
      センスメイキング 感じ取り固有の意味をつくりだすモデル 感知⇒解釈⇒意味づけ
       感知はありのままをみる。この段階では言語化はしない
       解釈は絵としてインプットしたら、絵としてアウトプットする。もやもやのままにしておく
       意味づけは、絵と言葉をいったりきたりして言語化を行う

    組替
      パーツ分け
      可動式メモ(おおきなポストイットをつかう)
      突っ込みどころ 違和感をみつける
      あたりまえを裏返す:あまのじゃく
      アナロジーとメタファーをつかった表現 類推と比喩

    表現
      イタレーション(反復)
      ストーリをもたせる 例:英雄の帰還

      プロトタイプをつくる
      評価をもらう
      改善を行う

      これを繰り返す

    目次は以下です。
    序章 「直感と論理」をめぐる世界の地図
    第1章 最も人間らしく考える
    第2章 すべては「妄想」からはじまる
    第3章 世界を複雑なまま「知覚」せよ
    第4章 凡庸さを克服する「組替」の技法
    第5章 「表現」しなきゃ思考じゃない!
    終章 「妄想」が世界を変える?
    おわりに

  • 妄想という表現ではあるが、類推すると自己対話であるしインプットとアウトプットの狭間にある思考の再構築だと感じた。
    言語化ここに極まれりと思うほどモクモク考えた妄想が論理に繋がっていくのは感銘を受ける。
    これから先も何度も読み返すであろう、素晴らしい良書。

  • 他人モードに支配されているというのは共感出来る。自分モードで考える癖をつけようと思う。アイデア創出のための考え方や具体的なツールなど紹介されており、行き詰まった人にはオススメです。前半はビジネス志向、後半はアーティスト向け。

  • タイトルの通り、直感(妄想、アイデア)をカタチにする方法や、その力を鍛えるコツが目白押しだ。

    私はよく「勘所はいい。ただ、感覚的にものを捉えてそのまま発信してしまうのがネック。ロジカルな力をつけたほうがいい」と言われるタイプだが、読んでいて、自分に必要な力やその力を身につける道筋が見えた気がして、かなり満足感があった。

    手元に置いて、繰り返し読み返したい。

    また、右脳タイプと左脳タイプの特徴や切り替えについてかなり豊富な具体例を用いながら説明されている。身近な人と感覚の相違で悩むことがあったが、この本を読んで、その人は左脳タイプ(論理的)だからなのだと納得するなど、他者理解にも役立った。


  • 手を動かしながら、考える

  • まとめると”論理や戦略をたてて他人からの評価基準で動くのも大事だけど、強烈なインパクトを生むのは直感・妄想ベースのものを形にした時だ!”と言う感じ。

    冒頭に紹介される1枚絵が超気持ちいい。
    こういう世界観がぱっと見でわかるイラストがマジで好き。
    そして3章で紹介されるイメージ思考をいかに活用するかという方法論がとても役に立った。

    論理ベース(左脳派)かと思っていたけどチェックリストの結果をみるに意外とイメージ先行(右脳派)なのかも?

    なにか作業をするときにちょっとしたイメージ図や絵で思考を進めるのがめっちゃ好きなんだけど共感してくれる人多いのでは?なんかワクワクするんだよね。

    とはいえあまり実行に移したことはなかったのでこの方法論を頭に叩き込んで活用したい。

  • たーしかに凄く調子がいい時って、手が勝手に動いてていつの間にか出来てた様な気がする。
    これが常に意識的に出来るといいなー。
    ちょっとこれ、やってみよっ!

  • 妄想駆動。カイゼンの農地、戦略の荒野を表した一枚絵が的を射過ぎて素晴らしい。

  • 2024/02/23読破 

    個人的に男性には特にオススメです。押忍。

    一言 
     右脳型と左脳型の考え方を往復して考えることが、自分の言いたいこと・やりたいことの明確化につながる

    感想 
     ブックオフで適当に買いました本書で、あまり期待していませんでしたが、仕事においてお勧めしたい本TOP2に入りました。具体と抽象という本にうっっすら近いものを感じました。
     めちゃくちゃ読みやすくてあっという間でした。社会人でも学生でも、前向きな方は読むと得られるものが多いと思います。著者の考えが全て正しいわけではないですが、本当に部下や過去の自分に伝えたいことがとても言語化されておりました。

    下記は印象に残った点
    p12
    「自分ベース」と「他人ベース」な時間を意識した上で、「自分ベース」の時間を大切にすること

    「自分ベース」を失う4つの要因
    ①内発的動機不足   ー妄想
    ②インプットの幅が狭いー知覚
    ③独自性が足りない  ー組替
    ④アウトプットが不足 ー表現

    p25〜

    PDCAを回す
    →作業ベースのフレームワーク

    MECEで考える
    →勝つためのフレームワーク

    デザイン思考
    →左脳、右脳両方使用した創造性のフレームワーク

    デザイン思考の3種の神器
    ①手を動かして考えるープロトタイピング
    ②五感を活用して統合ー両脳思考
    ③生活者の課題を皆で考えるー人間中心共創

    p94⭐︎ 「情報のギャップ」を作ること
    人が何かを知りたいと思うのは「情報のギャップ」を感じることが不可欠。つまり、「情報が欠けている」という認知のもと、「何かを知りたい」という好奇心が発動する。

    p100「ムーンショット」
    10%の改善より、10倍の成長を考える
    目先の努力ではやく、根本的な物事の解決を図る意識

    p103 「創造性を引き出す為の目標とは」
    「成果を管理するための評価」ではなく
    「人のモチベーションや創造性を引き出す為の目標」

    会社と個人の目標を、リンクさせることに主眼を置いたOKR(objectives and key results)はgood.

    p223 表現を行うために必要な要素
    ①表現の「動機づけ」をする
    ②表現を「シンプル」にする
     メモを取るときにイラストを含めたメモを取ると記憶される率が高くなる。
    ③表現に「共感の仕掛け」を作る
     「英雄の旅フレーム」やストーリテリングを活用して、「その商品やサービスが、ユーザーの生活・人生をどう帰るか?」ということを考える

    p261 ビジョンの考え方。
    ハワード・ガードナーによる「真・善・美」
    あなたにとって、美しいものは何か。あなたのビジョンにとって人々が「魅力」を感じるとすれば、どのようなものがあるか。これをどんどん深掘りすること・個人の内面から溢れ出る妄想や、直感をビジョンと連結させることで、価値あるものになっていく。

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著者プロフィール

株式会社BIOTOPE代表/チーフ・ストラテジック・デザイナー/多摩美術大学 特任准教授
東京大学法学部卒業、イリノイ工科大学デザイン研究科修了。P&Gマーケティング部で「ファブリーズ」「レノア」などのヒット商品を担当後、「ジレット」のブランドマネージャーを務める。その後、ソニーに入社。同クリエイティブセンターにて全社の新規事業創出プログラム立ち上げなどに携わる。 ソニー退社後、戦略デザインファーム「BIOTOPE」を起業。BtoC消費財のブランドデザインやハイテクR&Dのコンセプトデザイン、サービスデザインが得意領域。山本山、ぺんてる、NHKエデュケーショナル、クックパッド、NTTドコモ、東急電鉄、日本サッカー協会、ALEなど、バラエティ豊かな企業・組織のイノベーション支援を行うほか、MVV策定・実装プロジェクトについても実績多数。2021年に生活の拠点を軽井沢に移し、東京オフィスとの二拠点を往復する働き方を実践する。教育分野、地域創生分野など活動の幅を広げる。著書に『理念経営2.0 』『直感と論理をつなぐ思考法』ほか。

「2023年 『じぶん時間を生きる TRANSITION』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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