好きなようにしてください たった一つの「仕事」の原則

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478068878

作品紹介・あらすじ

大企業とスタートアップ、どちらで働くべきですか?インドでプログラミングを学べば、自由人になれますか?「キャリア計画がない」私は、ダメ人間ですか?ビジネスパーソンのあらゆる“迷い”に『ストーリーとしての競争戦略』の著者が答えを示す!

感想・レビュー・書評

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  • 「仕事は、自分以外の人のためにするもの」
    というのが何度も出てくるので、言われてみれば当たり前だけど忘れがちだったことを教えてくれた。
    だけど、誰のために仕事するのかは自分で選んでいい。
    どの仕事を選ぶのが正解なのかは、やってみないとわからない。
    自分の好き嫌いや思い込みで、仕事を決めて良い。
    やってみて向いてなかったら次(ただし似たような職種で)にチャレンジする。やる前から悩んでも、わかりっこないので無駄。
    という考えがなるほど〜と思った。

    それと、「怒るな、悲しめ原則」の話が好き。
    威張ってくる人に遭遇した時、「こいつ!」と怒らずに、「うわ、こんなに威張るんだ」「この人どんだけつらいことがあったのかな」と想像して、その人の寂しさに思いを馳せる。

    各回答が、質問者への的確な突っ込み満載で面白かった。

  • 「ストーリーとしての競争戦略」で楠木さんに興味を持ち、読んでみました。
    結果、大当たり。

    【どんな本か?】
    キャリア相談や人生相談に対して、クセの強いおじさんが予定調和のように「好きなようにしてください」と答えていく本です。
    それだけだと本として成立しませんが、余談(という名の本体)として筆者の鋭い洞察や生きるスタンスが語られており、皮肉と温かみのバランス・痛快な語り口から読み物としても非常に楽しめました。
    読んでてアホらしくなるくだらない相談(でも、意外と自分もこんなことで悩んでるかも…)から、本当に共感できる相談まで、著者がどのように答えるのかが楽しみでどんどん読み進めてしまった。

    たまに読み返したいと思います。

    【主な気付き・特に刺さった点】
    ・子どもは子ども。別人格。
    ⇒頭では超わかってるつもりなんだけど割り切れない。。

    ・幼児性には3つの要素がある。
     ①身の回りのことがすべて自分の思い通りになると思っている
     ②「好き嫌い」の問題を「善し悪し」にすり替えてわあわあ言う
     ③他人に関心を持ちすぎる
    ⇒自分は子供に対して幼児性を発揮していないか?

    ・子どもは自己正当化大魔王
    ⇒これは言葉が好き。笑

    ・勉強する意味は「自分の頭で考え、自分の意見を持ち、自分の言葉で表明する」こと。
     言い換えると「自分なりの価値基準で生きていけるようにする」こと。
     端的にいうと「教養」。
    ⇒これはしっくりきた。子供になぜ勉強するか聞かれることがあり「楽しいから」と答えていたが、別の解としてあり。

    ・情報の豊かさは注意の貧困をつくる(ハーバート・サイモン)
    ⇒スマホ脳的な。本当にその通り。

    ・自分を変える方法は3つしかない。時間の使い方を変える、住む場所を変える、付き合う相手を変える。もっとも役に立たないのは「変わるぞ」という決意(大前研一)
    ⇒役に立たないのばかり使ってた!!

    【その他、印象的だった点】
    ・部下の評価は上司の仕事の中核。上司は、部下を評価することによって周囲から評価されている。
    ・「子どもにいい大学に行ってほしい」等の親のエゴを「なぜ」で深堀していくと、要は「子どもに幸せになってほしい」に行きつく。これは全く正しい。大事なのは「子供自身に自分の幸せを考えさせること」。そして、そう簡単に答えなんか出ないということに子どもが気づくこと。
    ・親が子供の人生に口出ししたくなるのは、自分一人の、一回しか生きていない人生を勝手に当てはめるから。子どもは独立した人格であり、親とは異なる人生を歩んでいく。多くの親が子どもの人生に口を出したがるが、子供に対する接し方は大人の真価が問われる部分。
    ・結婚は華麗なる誤解で始まり、悲惨なる理解で終わる
    ・人間、99%は好きなようにやっていい。何かに縛られている人を見たら、「誰に頼まれたの?」と聞いてやる
    ・職場のエネルギー保存の法則(位置エネルギー、運動エネルギー)
    ・人生のボトムラインは、マクロは戦争、ミクロは疾病。

  • 好きなようにしてください 2016/2/4

    経営に法則はないけれども論理はある
    2016年12月25日

    楠木建氏による著作。
    一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授。
    1964年東京都目黒区生まれ。南アフリカ共和国ヨハネスブルグで子供時代を過ごす。
    1987年一橋大学商学部卒業。1992年同大学院商学研究科博士課程単位修得退学。
    一橋大学商学部専任講師、同助教授、一橋大学イノベーション研究センター助教授、
    ボッコーニ大学ビジネススクール(ミラノ)客員教授、
    一橋大学大学院国際企業戦略研究科助教授、准教授を経て、2010年より現職。

    ストーリーとしての競争戦略が最も有名であろう。
    本作はnewspicksでの連載(キャリア相談)をまとめたものである。
    一見分厚い本になっているけれども意外にすいすい読める感じである。
    基本は全て「好きなようにして下さい」としかコメントしていない。
    しかしなかなかどうして・・参考になる文章を引用してみたい。

    人生はトレードオフ。
    その本質は何をやらないかを決めること。
    環境の選択は無意味。
    最適な環境は存在しない。
    趣味と仕事は違う。
    自分以外の誰かの為にやるのが仕事。

    繰り返し出て来るのだが、仕事と趣味を区分けすること。
    他人からお金を貰う以上、決定的な差がそこにはある。
    仕事の自己評価は意味がない。仕事を評価するのはあくまでお客さん(もしくは周り)
    営業力はレジュメだけでは測れない総合芸術的な能力です。
    仕事における総合格闘技、それが営業といってもいいでしょう。
    日本だろうがアメリカだろうが人間社会であれば仲良しグループというものは必ず存在します。
    ビジネスには儲けるという客観的な目標があります。派閥がどうあろうと商売がうまくいかないと会社としてはどうしようもありません。
    好きなことをして下さい=嫌いなことをしないで下さい
    自分が嫌なこと、イヤなことは若い人であってもわりと確信をもって認識できるのではないか。
    部下の評価は上司の仕事の中核です。
    部下を評価できての上司。
    評価無くして育成なしです。
    ビジネスで一番大切なのは人間に対する洞察。
    人間を観察して私が最も感銘を受けたのは、首尾一貫性の欠如していることである。
    首尾一貫している人など私は一度も見たことがない。同じ人間の中にとうてい相容れないような諸性質が共存していて、それにも拘らず、それらがもっともらしい調和を生み出している事実に私はいつも驚いてきた(サマセット・モーム)
    人間は勢いで結婚するものです。
    お互い見つめ合っている期間なんていうのはほんのわずか。
    結婚に重要なことは3つしかない。
    第一に我慢。 
    第二に忍耐。
    第三に耐え忍ぶ心。(楠木建)
    経営に法則はないけれども論理はある。
    変わらない何かとしての論理が大切になる。
    この数十年間、新聞紙上で激動期で無かった時代などない。
    newspicksのコメントの読みすぎはしない。
    変に意識だけが高いのは駄目。
    実際の毎日のしごとは小さいことの積み重ねに他ならない。
    ビジネス、商売である以上、本当に仕事が出来るということは、
    商売丸ごと全部を動かして、稼いでこれられるということです。
    稼いでくる奴が一番偉い。
    一番頼りになる。
    これが古今東西変わらないビジネスの現実。
    稼げる人=商売まるごと全体を構想して動かせる人のことを意味している。
    世界一は頑張りますと同義。
    夢ではなく地に足のついた目標であるべき。
    ジョブローテーションで足し算、引き算、そして掛け算。
    掛け算をすればするほど視点が経営者のそれに近づいていきます。
    担当がないのが経営。
    あらゆることに手をつっこみ、あらゆる可能性をとらえて売上を上げるかコストを下げるか、その両方を行う。

  • ビジネススクールでの講義が面白かったので買ってみた本。楠木さんと私は思考回路が結構似ているのですがそれをバシッと言語化してくれるのがありがたいです。文章はまったりしているので嫌いな人は大キライでしょうね。ま、当然ですけど。一緒に昼飯のときに世間話しましたが話題の引き出しが多くて楽しい先生でした。

  • 面白い。NewsPicksの質問コーナーをまとめた本で、具体的な質問に答えるので具体と抽象が混ざってて良い。
    以下、著者の考え。

    キャリアコンセプトを作る。抽象レベル(場所にとらわれない自由人)から具体へ降ろす→日常の好き嫌いを集めてコンセプトを洗練する→最後は手持ちの具体から直感で選ぶ(勘がいい人)自分の土俵の輪郭を描く

    キャリア計画は不要そもそも無理。機が熟した時に無理なく自然と行動することが大事。ちょっとした引っかかりを毎日意識し、「こういうことをしたいのかな」を意識。

    人のためにやるのが仕事で、自分のためにやるのが趣味。商売の原則は「まず誰かを儲けさせて、そのことによって自分が儲ける」
    仕事を評価するのは他人、自分は納得すべき。

    ジョブローテーションのメリットは3ステップ、「何が向いているか」の引き算、「複数スキルセット」の足し算、「担当を超えて商売全体へ拡張」の掛け算

    仕事の適性は誰かが教えてくれるものではない。自分で決めつけるもの。都度修正し、自分の土俵を作る。
    ビジネスパーソンは自分の土俵を最もしっくりくる言葉で定義すべき(世間一般標準の定義とは別に)著者は芸者。

  • 相談のほとんどは、読むに値しないレベルの、くだらない内容です。鼻で笑えるものばかり。本当に真面目な顔をしてこれを書いて送ってきたことを考えると、ゾッとする内容が多いです。
    それに真正面から、よくこんなに書けるなと驚くくらいの文章量で回答してくれる楠木先生がおもしろい。楠木節炸裂。そんでもって、全て納得できる。おもしろい上にためになる。本の値段以上に学びがありました。
    仕事をするにあたっての基本中の基本は、全てこの本に書いてあると言っても過言ではない。たまに読み返して、自分もこの相談者たちと同じようになっていないかどうか、振り返るきっかけにしたいと思います。

  • あまりのお悩みの物量に面食らい、気になったものをつまみ食っただけだが、他人は変えられないし、自己評価ほど自分は優れていないし、足るを知れということかと勝手に納得。同じお悩みがあったら、心がちょっと楽になるかも。一時的に辛くなるかもしれないが。

  • 久しぶりに面白い本に出会った。

    キャリアに迷ったときはこれをおすすめしたい。

  • 最近仕事でしんどく、続けるかやめるか本気で悩んでいたけれど、なぜしんどいのか?心の底からやりたいワクワクすることがないからだったのかもしれない。
    というよりも、相手に気に入られようとしすぎて、自分の信じる道を突き進まなかったからだった。
    アウトサイドインではなく、インサイドアウト。
    自分の得意なことは努力を努力と思わないほど継続できることにあると。

    自分の信じる仕事をしていこうと改めて思った。

  • 主に仕事にまつわることに関して、好きなようにするを切り口にとてもバランスの取れた有効な考え方を提示してくれている。とりわけ無努力主義の原則は好きこそものの上手なれであり、努力しようと思った時点でもう向いていないのだ。

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著者プロフィール

経営学者。一橋ビジネススクール特任教授。専攻は競争戦略。主な著書に『ストーリーとしての競争戦略:優れた戦略の条件』(東洋経済新報社)、『絶対悲観主義』(講談社)などがある。

「2023年 『すらすら読める新訳 フランクリン自伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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