トヨタとソフトバンクで鍛えた「0」から「1」を生み出す思考法 ゼロイチ

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478068250

作品紹介・あらすじ

インターネット、IoT、人工知能…。社会の大転換点にある現代、昨日の延長上に未来はない。ペッパー初代開発リーダーが明かす、トヨタ、ソフトバンクで鍛えた「0」から「1」を生み出す思考法!会社のなかで、サラリーマンとして、「ゼロイチ」を実現する40のルール!

感想・レビュー・書評

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  • 【星:3.5】
    タイトルのとおり、著者の経験に基づいた「0」から「1」を生み出す考え方が書かれている。

    自分はあまりゼロイチを求める方ではないが、自分とは方向性が違う本もたまには読んでみようと思い、手に取ってみた。
    ただ、結果はあまり響くものがなかった。

    「とにかく恐れずチャレンジ」などなど、確かにそうなんだろうけど、どうも自分には合わなかった・・・・。

    まあ、こういうこともあるよね。

  • トヨタではLFAやF1に携わり、ソフトバンクではPepper開発リーダーとして手腕を奮った林要氏。綺羅びやかに見える彼のキャリアは挫折の連続であった。ゆえに亜流を歩み、ゼロイチを生み出せたのだろう。本書内でも紹介されている名著『イノベーションのジレンマ』で旧態勢力が新規事業の阻害要因となる旨の優れた分析がされているが、そこを突破するには尖った感性や屈しない挑戦するマインドが必要である。それを孫正義は「情熱」と表現した。各々の組織でイノベーションのジレンマに悩むリーダーたちすべてにおすすめしたい。

  • 読書慣れしている人なら休日に1日で読み切れる本。
    はじめ企業内でゼロイチを起こすと言っても命題を孫社長から与えられているので、本当のゼロイチとは違うのではないか?また、私自身はゼロイチ起業を目的として本書に期待したので、会社内での立ち回りや組織の中でゼロイチを起こすことの難点などどうでも良かった。
    ただし、それだけではなくきちんとゼロイチのアイデアを生み出すための大事なポイントや、ゼロイチの育て方などの記述は学ぶことがあり、とても参考になった。全体的に字が大きく、重要な部分は太字になっているため、読みやすい。

    【この本を読み返す時】ゼロイチを生み出したい時、組織を引き上げながらプロジェクトを進めていくのに行き詰まった時。

    ゼロイチを生み出したのは、元々は孫社長。孫社長から声がかかってペッパー開発に関わった事はゼロイチなのか?… と1/3ほど読むところまでは思っていて、つまらなかったが、
    「7.不満の多い人ほどゼロイチ向き」あたりから「おっ!」と興味を引かれ「8.制約条件こそアイデアの源である」ところで目からウロコが落ちた感覚をおぼえた。

    ・アイデアのとっかかりが見つからず途方に暮れたら
    制約条件を徹底的に洗い出す、そして「出来ること」を明確にする (これは読んだ前日=昨日、私が主治医にアイデアは沢山書き留めてるけど現実的な飲食ふ
    店のことから物理を使った人類未踏の医療技術まで幅広くてどうにもならない、と話した事と繋がってトリハダものだった)

    プレゼンが苦手で演技スクールに通った時に「俳優の真似をしようとして失敗。自分の中の父親や自分の中のムードメーカーを引き出すのが大事」これは目からウロコで参考になった。

    お客の「隠れた願望」はユーザーに聞いても出てこないが、見たり経験したら欲しくなるようなもの。これをゴールにしなければならない。p.155

    何より大切なのは、目指すべきゴールと、そこに至るまでの物語を語り、共感してもらうこと。その共感をベースに「無理難題」を受け入れてもらう努力をすることなのです。p.178

    ゼロイチに効率性は危険とはいえ著者のいう、ハードワーカーになることは別じゃないか?p.182

    ゼロイチの成否は「意味のある無駄」をいとわず、いかにそれを積み重ねることが出来るか?にかかっている。「誰もやっと事のないゼロイチ」とは、ありうるベストの解を見出すことにチャレンジすること。そこに膨大な無駄が生じるが、それは99%無駄であっても「意味のある無駄」である。これがないと「ベスト1%の解」は得られない。p.183

    トヨタ時代、市販車の空気力学の実験で粘土模型→3Dプリンターで作った精密模型にチェンジして、「意味の無い無駄」を減らし、効率的に実験を繰り返しできるようにした話が興味深かった。p.186

    重要なのは労働時間ではなく、脳内時間占有率。孫社長の口癖は「脳みそがちぎれるくらい」考え続ける。(メモメモ) p.188

    最高の答えを見出すためには、出来るだけ多くのトライ&エラーを繰り返す他ない。ここを簡素化すれば効率的にモノを生み出せるが、ゼロイチを生み出すことは不可能。なぜなら、そのくらいの事は誰かが既にやってしまっているから。「意味の無い無駄」を徹底的にそぎ落とし、トライ&エラーという意味ある無駄を愚直に重ね、「意味のある無駄」を最大化する。これを最速で回し続けることが不可欠。これがゼロイチにおける効率性だ。p.189

    一流のレーシングドライバーがテスト走行で、手を抜かない。成功と失敗のギリギリを責めてる。→ 「マージンを取る」ようなコース取りは、他の人も皆やっている訳でゼロイチにならない。かといって、大幅にコースアウトしても「これまでに無かった」けど「誰からも必要とされない」(奇抜すぎて?) ものにしかならない、という部分も興味深かった。p.192

    Pepper発表日、あたりまえ体操をアレンジしたダンスを踊るPepperに孫社長は楽しそうに笑って一緒に踊ってくれた。→ 絵が浮かんで微笑ましく孫社長のファンになりそう。p.204

    市場調査、ユーザーヒアリング、モニターテスト、ユーザーから寄せられたクレーム。これらは会社にとって大事な資産だが、ゼロイチのプロジェクトでは要注意。ユーザーが教えてくれるのは「既にあるもの」に対する要望や不満だから。改善に活かすことは出来るが、「誰も見た事のないもの」は生み出せない。スティーブ・ジョブズはiPhoneなどのアイデアを生み出すときに市場調査をあまり参考にしなかった、彼自身が欲しいと思ったものを純粋に思い描いたと言われている。ベンチャーの立ち上げでも投資家が気にする事は「オマエは何をやりたいんだ?」ということ。→これはピッチ作りの時に気をつける必要があると思った。p.206

    【あとがき】ゼロイチのホットスポットを生きた高度成長期〜バブル期の人々は、「失敗しないように」生きたのではなく、生き抜くためにやれる事はなんでもやってきた世代。戦後の日本は、今日より明日が必ずよくなるという夢を追える、1億総ベンチャーの雰囲気だったはず。その環境は「ゼロイチ思考」を育てる生きた学校だったと言えるのでは無いだろうか。p.215

  • ◯コネクティングざドットは脳の仕組み
    ◯組織の中では、優秀でないからゼロイチが回ってくる
    ◯制約条件があるところにゼロイチちゃんすは多い
    ◯3%は無理でも3割はいける理論@松下
    ◯影響力×アイデア
    ◯計画と無計画の間に正解
    ◯目標は必ずゴールから逆算
    ◯相場間(非論理的)が目標設定では大事
    ◯労働時間<脳内時間占有率
    ◯言葉で関係はくずれる(同じ人生を生きた人はいない=言葉イメージ)
    ◯感性領域のものはモノでしか議論できない(言葉✖︎)

  • 失敗していいという本。

  • ゼロイチに関する本。これも大事なことをいっている。
    クロビの顧客インサイトと通じる部分があると感じた。
    n=1は深いインサイトであれば、多くの人に通じる部分があるという話。

    メモ
    ・ゼロイチをやろうと行動を起こすことでゼロイチに必要な回路を脳は自ら作り上げる
    枠をほんの少し飛び出す練習を重ねているかどうか。
    ・意識すべきエッセンス
    ゼロ位置の主戦場は無意識
    プロフェッショナルな素人が最強
    おっちょこちょいは美徳
    アイデアだけでゼロイチは不可能
    計画と無計画の間を進む
    失敗してないのは危険な兆候
    効率化がゼロイチを殺す
    ・ゼロイチの魅力は楽しさ。ひらめきが生まれる瞬間、実現したい情熱。そこからは苦しみの連続
    ・とにかくやってみるから学びが深い。
    ・チャンスの神様に後ろ髪はない。すぐに捕まえないたあ一瞬で消え去ってしまう
    ・制約条件は思考の焦点を定めるチャンス。制約を明確化し、アイデアのロケット台に
    ・中途半端な専門家でなく、プロフェッショナルな素人に。できない理由でなく、できる可能性を
    ・誰かになろうとするのではなく、自分なりのその対象を見つけ出すこと。自分の内側にあるものを出すことが重要
    ・他の人と異なるひらまきをしたいのなら、自分の好きなことを集めた偏った経験を積み重ねることが不可欠。
    ・アイデアのみではゼロイチは生まれず、アイデアの大きさに見合った影響力が必要
    ・ゼロイチのゴールはユーザーの隠れた願望を設定すべき
    ・意味のある無駄を最大化することこそ、ゼロイチを実現させるカギ
    ・言葉を過信しないこと。言葉のイメージは百者百様。具体的なもので見せる
    ・ユーザーの言葉に答えはなき、言葉の向こうにある想いを解釈すること。自分の頭でそれを考えること。
    おばあちゃんの非言語コミュニケーションの事例は秀逸。

  • ”<キーフレーズ>
    161019 『ゼロイチ』読書メモ
    NSCP文庫にてレンタル→即読了。
    ※目次が詳しくて、目次を読むだけでだいたいの論点がつかめるのでありがたい。

    ・「賢いけれど失敗のできない人」よりも、「ちょっと"おバカ”でも失敗できる人」のほうが結果を出しています。(p41)
    ・鯉が健全で美しくあるためには、天敵の存在が不可欠だったということです。(p59)
     ※鯉の池にナマズを一匹放すと、鯉が必死で泳ぐようになった。

    ・人間はひらめく生き物である。(p100)

    ・最初はプレゼンのトレーニング・スクールなどを探していたのですが、そんな時に知人に勧められた演劇のレッスンを思い切って受けてみることにしました。(p115)
     ※やりたい、面白そうだと思ったことをやってみるっことが大事
      ただし、×自分以外の誰かのマネ → ○自分がかぶっている仮面を取って、自分の内側にあるものを出す(演技対象の要素をみつけだす)

    ・誰でもリーダーになれる
     ゼロイチをやりたい」という純粋な情熱さえあれば、リーダーシップに必要なスキルは、後からついてくる(p145)

    ・レクサスLFAを買ってくださる方が求めているものの本質も、「ダウンフォース」という「現象」ではなく、「すごいな、この車!」という「憧れ」であるはず。(p153)

    ・ダウンフォースが十分にあれば、操縦安定性があがる。そのために、どうしてもサスペンションを曲げなければならいとすれば、そこにこそ、お客様が憧れをもつ開発ストーリーが生まれる。(p160)

    ・メンバーに合わせるのではなく、「ゴール」に合わせて設定するのが「飛び石」これこそが、ゼロイチを実現させるうえでのキモと言っても過言ではありません(p171)

    ・人には「相場観」があります。これこそがゼロイチを率いるうえで大事な能力だと思うのです。
     僕の場合は、だいたい1.5ヶ月おきに「飛び石」を置くようにしています。(略)それを次々とこなしていけば、魅力的なゴールに到達できるという相場観をもっているのです。(p173)

    ・孫正義社長からは、「人と心を通わせる人型ロボットを普及させる」というテーマを与えられていますが、(略) 僕は、「少しでも人に楽しい気持ちになってもらえるロボット」という、20回のトライアルでギリギリ達成可能なコンセプトに解釈し直すことを提案したわけです。
     ※30ヶ月÷1.5ヶ月 = 20回

    ・レゴブロックの要領で、一部の部品を取り換えることで、効率的に実験を繰り返すことができるというわけです。
     ※意味のない無駄を可能な限り避けるための遠回り。= 意味のある無駄

    ・ゼロイチに必要なのは、「失敗への耐性」である(p196)

    ・「3ヶ月間、時間をください。うまくいかなければクビにっしていただいて結構です」と孫社長にメール。(p.203)
     ※Pepperに面白いコンテンツを実装するために。

    ・「ユーザーの声」を表面的に聴くことによって、かえって「ユーザーが求めているモノ」から遠ざかってしまう恐れがある(p.208)

    ・つまり、おばあちゃんは、Pepperとボディ・タッチという非言語なコミュニケーションをとろうとしたということ。これは、ちょっとした驚きでした。(p.212)
     ※「あら柔らかい」「手が温かかったらいいのに・・・」

    ・高度経済成長期も後半に差しかかったころから、日本社会全体が「失敗しない」ことに価値を置くようになりました。(略)テストで、いかに失敗せずに「用意された正解」に辿り着くかを競う。さらに偏差値重視がそれを助長する・・・・・・。(p.215)
     ※むかしの日本はゼロイチのホットスポットだった。

    <きっかけ>
     職場の本棚から拝借。”

  • 著者の思考や経験をそのまま文章化している影響か、内容にやや拙い印象を受けるが、キーポイントを明確にすることで補っている。『恐怖心を感じている自分を客観的にみる』『不満は重要なサイン』『やりたいことをやると無意識が鍛えられる』といった内容は目新しくはないが、エンジニアに限らず、どの分野でも共通事項であると再認識できた。

  •  研修で企業訪問をすることになったため、事前学習のために購入。今までになかったモノ(=ゼロイチ、イノベーション)を生み出す方法についてまとめた本。
     筆者はトヨタでスーパーカー、F1、量販車のエンジニアを担当後、ソフトバンクでPepperの開発に従事。その後、ロボットベンチャーを起業している。ソフトバンクアカデミアの外部1期生でもある。
     最近、イノベーションを生み出すための思考法についての本がかなり出回るようになってきているが、大筋は他の本と同様の内容と思う。例えばこんな内容↓
    ・制約条件を課して考える
    ・専門家の思考の死角に留意(→素人目線)
    ・異種の経験を組み合わせる
    ・失敗の数を重ねる
    ・ユーザーの声を鵜呑みにしない
     この本ならではのポイントは、「組織人として」大組織の官僚的な組織風土に流されず、豊富な経営資源を活用してイノベーションを生み出すポイントを述べているところ。特に組織の新規事業のリーダーとかには共感できる部分が多いのではなかろうか。
    ・失敗による出世への悪影響を恐れない
    ・コンフリクトからアイディアを磨く
    ・トップの無理難題をチャンスにする
    ・人を動かすのは、情熱と共感(ストーリー)
    ・イメージ化して言葉の空中戦を回避

  • 前に読んだ「fearless change アジャイルに効くアイディアを組織に広めるための48のパターン」の実践本のような内容に結果的になった、みたいな感じを受けました。頭ではなく、肌感で理解できた、というのは、すごい!!自分も負けずに頑張ろう。

    <共感したこと>
    職人ではなく、マネジメントを目指せ!
    結局、人々を動かすのは情熱以外にない
    誰もが物語を生きることを求めている
    頼りになるのは非論理的な勘
    ユーザーの言葉を信じない

    前職でやりたかったことが間違ってなかったと、勇気付けられる内容でした!!

    いいねを共有して、
    やりたい(やるべき)を思い描いて、信じきり、
    それを、やりきる勇気を持つ!!
    1人では実現できない!!みんなでやろう。

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著者プロフィール

1973年、愛知県生まれ。
1998年、トヨタ自動車株式会社に入社。スーパーカー「LFA」やF1の空力(エアロダイナミクス)開発に携わったのち、トヨタ自動車製品企画部(Z)にて量産車開発マネジメントを担当。
2011年、孫正義後継者育成プログラム「ソフトバンクアカデミア」 に外部第一期生として参加し、翌年ソフト. バンク株式会社に入社。感情認識パーソナルロボット「Pepper(ペッパー)」プロジェクトに参画。
2015年、GROOVE X株式会社を創業。 2018年、家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」を発表。翌年、出荷を開始。
ラスベガスで開催されている世界最大規模の家電見本市「CES」において、2019年にThe VERGE「BEST ROBOT」、2020年には「イノベーションアワード」を受賞。
2021年、第9回ロボット大賞にて「総務大臣賞」、2022年、第3回IP BASE AWARD「スタートアップ部門 奨励賞」、2023年には第1回WELLBEING AWARDS「モノ・サービス 部門 GOLDインパクト賞」を受賞。

「2023年 『温かいテクノロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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