戦略参謀の仕事――プロフェッショナル人材になる79のアドバイス

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  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478029701

感想・レビュー・書評

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  • マッキンゼー出身の経営コンサルタントによる、企業の参謀役がやるべきことを纏めた1冊。辟易するくらいPDCAが出てきます(笑
    「まぁ知ってるなぁ」と思うコトもありますが、それこそMECEに内容が纏まっている印象を受けました。社内政治っぽい話まで触れているのは勤め人を読み手と想定しているんでしょうか。

    少し小粒ですが、まず面白いと感じた3点をメモします。
    ①本質的な解決が求められる時の鉄則は、「聞きやすい人ではなく、(たとえ怖くても)聞くべき人に聞け」
    ⇒そう、そうなんですよね…(^^;

    ②「PDCAの精度が下がると市場から乖離する」
    ⇒ある意味PDCAを無敵の存在と捉えていて、いや、問題を解決するツールとして何もできないことは(あってはなら)ない、というスタンスに立っているんだなと。
     こう私が思ってしまうのは、それだけ、本著で言う「名ばかりPDCA」や「どんぶりPDCA」が多いということかもしれません。

    ③「時代分析」という自社の過去を振り返る手法
    ⇒自社の癖や施策の因果関係を見るのに有用な取り組みだなと思いました。

    その上で、本著で特に心に残ったのは、最終章の「人間の『業』に対処する」です。
    抵抗勢力や卑怯者にどう対応するかを書いていて、なかなか人間の闇って深いなぁとも思いますが、著者曰く「抵抗勢力は、本質的にはリスペクト、すなわち礼の足りなさに怒っているのであって、本当の大義名分の部分に反対しているわけではありません」とのこと。
    多くの企業の経営改革に携わり、役員も務められた著者なので、色々ダークな思い出はあるんでしょうが、生々しさを感じた章でした。
    この章を読んで感じたのは、やるべきコトをキッチリやって(PDCAを回して)、企業の経営を改革することは、結局コーポレートガバナンスに通じること。監督サイド(取締役会等)の話だけではなく、執行サイドにおいてのコポガバとしてこういった営みはあり得るな、と感じた次第です。

    しかし、そう思った時に、本著で触れられていたアメリカの「人治」前提のマネジメント、これは日本でも広がるようなものなんでしょうか?ゲリマンダー的な、これこそロジックに基づかないもののような気もします。

    今まで読んだノウハウ教科書的な類著の中では、一歩抜きんでていると感じました。

  • 米国式のマネジメントは各部署が自律的に動く、「人治」的。

    日本は「和」が前提になっている

    会議においては、ファクトを把握し、チャートを使って見える化する。

    SWOT分析だめ!
    3Cで充分

    組織内のPDCAにおいては、組織内共有のための言語化やチャート化は必須。
    本来のPは、単なる数値目標ではなく、実行すると決めた施策が、なぜ正しいかを「理」をもって裏付ける思考の流れを「見える化」したうえで作られるもの。

    Dにおいては、全ての企画ごとにWhyが必須。

    「ダメなセールスマンは、自分自身が売れなくて困っているもの。一方、良いセールスマンは、顧客が困っていると思っているので、相手のために売らなければならないと思っている」

  • 書いていることはあまり真新しいことはない。ただ、「戦略参謀」としての振る舞いや考え方の総ざらいとして読めるので、いろいろ読むよりはこの1冊でもよいかも、と思う。読者の立場や状況によって面白いと思うところが変わりそう。

    全編通してPDCAって言っているのはややうんざり。

  • 「慣れ」により経営に欠陥、それは創設して3〜5年位、または10〜15年位の企業に起こりがちな企業内の不安定材料で低迷する時期がある。そこで必要なことは外部からの刺激だ。危機感が薄れると企業成長は鈍化し、社風も低落する。往々にして会社の社長含め上役が先導している場合もあるが、そこで重要なのが「外部からの参謀」の役目が重要視されている。この書はその参謀の役割の参考になる。

  • 各章長過ぎ、疲れる

  • 『ファクトをしっかりと的確に「見える化」し、いかにPDCAサイクルを廻していけるか。
    PDCAサイクルは、マネジメントサイクルであり、そもそも組織を正しく動かすためのもの。PDCAが廻っていないということは、マネジメントができていないということと同義。』

    『MECEとロジックツリーを使いこなす訓練さえすれば、誰でも自分自身で必要に応じて作り出し、使うことができるセンスとスキルが身に付く。』

    ネット記事から知って読んだ。良書。
    良質な情報量が多くて、自分の中で過食・消化不良気味になっている。
    時間を掛けて消化し取得したい内容だった。
    MECEとロジックツリーを使いこなしたデータ管理をしたいと思った。

  • 第一章
    参謀役の仕事は以下3つ
    ・トップの意思決定の精度を上げるための、事業方針に関する現状分析と起案
    └肌感がわかっていること/言語化できることが重要
    ・社内の神経系統づくり
    └PDCAを回すための会議体の設計、帳票の作成
    ・課題の優先順位付けと課題プロジェクトへの対応
    └ITシステム構築など、横断かつ単発で既存事業部で受けきれないものの推進
    →ファクトベースで議論し、課題と優先順位付けをトップと合意する。トップの意思決定が適切にできるよう、ファクトを集める。

    第三章
    PDCAを回す。(PDCAプロフェッショナルと同じような話)
    ・戦略立案段階でのPDCAと実施段階でのPDCA
    └戦略立案段階では、仮説思考を繰り返しイメージを先鋭化させる
    ・バケツと中身

    第五章
    ・上手な見える化は大事。見える化することでわかることはたくさんある。

  • ・売上は全てを癒やす
    →イケイケドンドンないい言葉。

  • まぁ、色々書いてある
    コンサルタントの小言集

  • 大企業に入り込んでいく外様のおじいちゃんが書いた、という雰囲気が強い。書いてあること自体は新しくはないが、ごもっとも。

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著者プロフィール

株式会社RE‐Engineering Partners代表、経営コンサルタント。
早稲田大学大学院理工学研究科修了。豊田自動織機製作所よりの企業派遣で米国コロンビア大学大学院コンピューターサイエンス科で修士号を取得後、マッキンゼーアンドカンパニー入社。大手電気、大手建設業、大手流通などの戦略策定や経営改革などに携わる。その後、大手企業の社長、役員、事業・営業責任者として売上V字回復、収益性強化などの企業改革を行う。08年、(株)RE‐Engineering Partnersを設立。

「2020年 『PDCAマネジメント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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