ハゲタカ外伝 スパイラル

著者 :
  • ダイヤモンド社
3.77
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本棚登録 : 553
感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478029374

作品紹介・あらすじ

2007年9月、東大阪の中小メーカーマジテック創業者にして天才発明家の藤村登喜男が急逝する。通称"博士"の彼こそ、芝野健夫に事業再生家として歩むきっかけを与えた恩人だった。芝野はマジテックを救うべく、大手電機メーカー・曙電機から転じて奮闘する。しかし、後継者問題やクライアントからの締め付けなど、ものづくりニッポンを下支えする町工場に降りかかる難題と、自己の利益を優先する金融機関の論理に翻弄され、苦境の渦に飲み込まれていく。再生浮上のきっかけをつかんだと思った矢先、リーマンショックが発生。想定外の余波に襲われ、絶体絶命のピンチに陥る。捨て身の最終戦を前にして、鷲津をも巻き込んで、芝野は決死の反撃を決断する-。『ハゲタカ』シリーズ本編の裏に秘められてきたストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • この作品は「レッドゾーン」「グリード」のサイドストーリーで鷲津のライバル芝野が主人公の物語。前半は前述した二作品の中にも登場した話を深掘りしながら進行していきます。その二作品を読み終えた時、芝野たちがどうなったのか知りたいと思っていましたが、ちゃんとこのような形で出来てたことが嬉しい^_^

    ちっぽけな町工場の再生を描くストーリーですが、最後まで良さげな兆しが見えつつも上手くいかず、やきもきさせられますが、クライマックスは見事!

    「レッドゾーン」「グリード」と共にぜひ読んでいただきたい作品です。オススメ♪

    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      hibuさん、おはようございます
      もうすっかり社会復帰ですか?笑
      hibuさん、おはようございます
      もうすっかり社会復帰ですか?笑
      2024/02/08
    • hibuさん
      K村さん、こんばんは!
      すっかり社会復帰して急激に読書スピードが低下しました…。
      元々遅読ですので、のんびりマイペースで楽しみます^_^
      K村さん、こんばんは!
      すっかり社会復帰して急激に読書スピードが低下しました…。
      元々遅読ですので、のんびりマイペースで楽しみます^_^
      2024/02/09
  • 感想
    町工場を芝野がどう建て直すかは見もの。グリードではほとんど話が出てこなかったのでどのように難局を乗り切ったのか気になる。ただ、一部レッドゾーンと被るところがあるのでそこは読み飛ばし。

    最後は買収につぐ買収でどうなることかと思ったが、会社が潰れてしまった。鷲津が手を差し伸べると思いきや、別の形で?さすが経済合理性に基づいている。

    あらすじ
    東大阪のマジテックという中小企業の再生に乗り出す芝野の物語。前社長であった博士が亡くなり、経営が立ち行かなくなったところを芝野が乗り込んで立て直そうとする。

    熟練工の技術の活用と、博士の次男を営業に育てて困難を乗り切ろうとするが、そこに芝野が三葉銀行時代に辞めさせた村尾が浪花信用金庫に勤めており、ハゲタカファンドのホライゾンキャピタルに特許事売り抜こうと魔の手が迫る。

    マジテックは、スプラという化粧品会社から金型の大型受注を勝ち取るがリーマンショックの影響で契約がたち消えそうになる。また、なにわのエジソンの特許を渡した英興技巧をホライゾンが買収し、特許侵害でマジテックを訴えてきた。ホライゾンは何がなんでもマジテックを買収しようとしていた。

    ホライゾンはプラザグループから依頼を受けて、マジテックの技術を軍事利用しようとしていた。芝野は故藤村が鷲津に投資した件で、助けを求めたがすげなく断られる。芝野はマジテックの特許を全てオープンにし、会社の処理を進める。

  • ハゲタカシリーズを何冊か読んでいる方ならご存じであろう芝野が主人公。

    かつての縁を思い出して、東大阪の小さな町工場の専務になる。
    その後、サムライ・キャピタルが敵になるという話。

    鷲津の役割が面白かったな。

  • レッドゾーン、グリードのサイドストーリー。舞台がアメリカだったグリードより、舞台が日本の本作品の方が感情移入できた。池井戸作品に比べると勧善懲悪スッキリ感は少ないけれど、そのあたりがかえって現実味があって面白い。本筋からそれるが、一人の少女を救う技術を、大量の人を殺す兵器に使おうという発想。人間って矛盾してる。

  • ハゲタカ好き
    同テーマでスピンオフ
    芝野 個性的であるが やはり サブキャラクターとして描かれる
    作品の技術は面白い 兵器として
    コンピューター関連 技術的な進歩は 予想を超えている
    日本人は 浪花節が好きなのである

  • 『ハゲタカ』シリーズはすべて読んでいる。この作品はスピンアウトなので、主人公は鷲津ではなく、三葉銀行のターン・アラウンド・マネージャーの芝野だ。芝野が企業再生に関わるのは、大手企業ではなく、大阪の中小企業、マジテック。
    経済小説の面白さでもあり、ちょっとアンフェアだと思うのは、後出しジャンケンで書かれていることだ。本書で取り扱われている3Dプリンターも然り、液晶テレビの大ヒットで隆盛を極めるエッジ=(シャープ)だろうし、白物家電の大手、曙電機=(三洋電機)。衰退の繊維名門大手、鈴防=(カネボウ)と企業名まで類似性を持たせることで作品のリアリティーを高めることができる。作家にとっては好都合だろう。
    などと思いながら、経済小説である本作品を読んでいたら、僕の所属する会社が業績不振から希望退職を募ることになった。読んでいる最中に作者が亡くなったり、麻薬を扱った本を読んでいたら清原容疑者が逮捕されたりと、いつものシンクロニシティ。いよいよネタに困ったら、この凋落の顛末を書けばいいのか、と無理やり納得させつつ、予想されたとはいえ、目の前の現実にため息をつく。シンクロニシティの話を身勝手に思い直し、恋愛小説ばかり読めば、わが身にもそういうシンクロニシティが起きたり…はしないよなあ。

  • #読了。天才発明家の藤村が亡くなった後、専務としてマジテックを支えることを決意した芝野。後継者問題からリーマンショック余波による買収劇などにどう対峙するのか・・・芝野の人間臭さ、そして対称的に描かれる鷲津の人間臭さがよかった。

  • うーむ、最後まで書かずに時間切れを良しとした感じ。最後はほんの数ページで結末まで直行。その分中途半端な作品だなぁという印象が強い。キャラはたってるし、ストーリーはいいけど、グリードヘのプロローグっていう位置付けですね。プロローグとしてグリードと一緒に編集するのがいいかも。早く次回作品をお願いします!

  • 「ハゲタカ外伝 スパイラル」読了 ★4つ
    相当久々の小説読了。
    ドラマでは柴田恭兵がやっている柴野が主人公のサイドストーリー。読んでいないが、前著「グリード」と期間を同じくする物語らしい。
    鷲頭は、ほとんど登場しないんですが、おいしいところ持っていくな~(^^)

  • 20150911 ターンアラウンドの芝野氏が主人公のハゲタカ外伝。ちょっと内容が薄く、棚ぼた系の島耕作の話に似ている。情が深いとその分軋轢が生じたらその溝も深いと言う言葉が刺さった。

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著者プロフィール

1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収の壮絶な舞台裏を描いた『ハゲタカ』でデビュー。映像化された「ハゲタカ」シリーズをはじめ、 『売国』『雨に泣いてる』『コラプティオ』「当確師」シリーズ『標的』『シンドローム』『トリガー』『神域』『ロッキード』『墜落』『タングル』など話題作を発表し続けている。

「2023年 『それでも、陽は昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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