- Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478029022
感想・レビュー・書評
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貧乏黒人による裏街道経由のサクセスストーリーとしてはマイルス自叙伝を越えて金字塔扱い。ボクシング一筋なのは前半3分の1くらいで、あとの3分の1はボクシングと裁判の両立、あとの3分の1は裁判に集中している。意外なほど読書家で博識、本人がどこまで直接書いているのかは分からないけど、気の利いた詩的な言い回しが随所に登場して格好いい。
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ボクシングを制し、ボクシングを愛し、ボクシングに悩み、ボクシングに苦しめられた一人の男の物語。キャリアで最初の敗北を喫してからは、酒とコカインとセックスに溺れるも、なぜ社会はそれを放置し、矯正させなかったのか、等々。これを読んだだけで、我々一般人が常日頃抱えている悩みなんて本当にちっぽけなものだと思いました。
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カス・ダマトがあと5年生きていたら、どんなボクサーになっていたんだろうと思うと残念。
環境と教育は重要。 -
コカインとマリファナとアルコールとセックスの依存者としてのメチャクチャな半生が語られる。
タイソンが超新星として現れてチャンピオンになった頃を見ていただけに、その時期の話があっさり終わるのは拍子抜けだった。
そこが簡単に済まされると、あとは破天荒な服役生活や、痛々しい依存者の人生や、ドン・キングをはじめとする取り巻きたち(ドナルド・トランプの名前も出てくる)の話が延々と続く600ページ超の本である。ビルディングスロマンの爽快感はない(最終段では再生に向かっているので本人的には爽快みたいだけど)。
それはある意味では当然のことだ。ボクシングからの引退を決めてヨーロッパでセレブとして遇されていたことについて
「ひとつわかったことがある。どれも俺の心に開いたでっかい穴を埋めてくれなかったことだ。俺はチャンピオンの座にちゃんと敬意を払ったことがなかったからな。簡単に手に入ったからだ。成し遂げるためにいっぱい猛練習をしたのは確かだが、王座は自分のものになって当然だと思っていた。」
と述べているが、そのスタンスで書かれた自伝なので。
師であるカス・ダマトについてタイソンが述べている部分はかなり興味深い。
「ボクシングマシン」としてタイソンを育て上げながら、王座に就くまでは寿命がもたなかったカス。それを予想していたからから、勝つための方法を伝授することを急いだ。チャンピオンとしての振る舞いとか、器とか、そういうのは未着手だった。
タイソンはそれについて師を責めることはしない。むしろ自身の生まれ育ちや母親の影響が大きかったと語る。
更生の意思を持った時点での自伝だからなのだろうけど、アメリカ社会の志向を反映しているようにみえる。
ヘビー級チャンピオンの華麗な人生(少なくともチャンピオンになるまで)について書かれたものではなく、依存症患者がろくでもない人生からの再起を志す物語というべきだろう。
この本に期待されるのがそういうものかどうかは微妙であるが。 -
史上最強のボクサー、マイクタイソン初めての自伝。20歳で最年少ヘビー級チャンピオンになり、栄光を掴むが、廻りの大人達に取りつかれたように集られ、アルコール、コカインで転落していく様を赤裸々に語られている。
イベンターホリフィールドへの耳噛みつき事件の真相など読みごたえありの作品。この逆境から立ち直り復活をとげた彼に勇気を貰える一冊。 -
2016/7/7
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木村政彦と同じ、チャンピオンになるまでが全身全霊をかけた全て。
それ以降は、特に労せず勝ててしまえた。堕落の一途。後半は、ヤクとリハビリの繰り返し。 -
29.12.30. タイソンはベストに強いボクサーだったと思ってる。タマフルオススメで購入。厚さの割には早く読めたと思う。
タイソンという人物が内面ではとても弱く、それを自覚していることがとても強い事と思った。後記にはカスもまた搾取する面があったことを指摘されてて感心しました。