ストーリーで学ぶ戦略思考入門―――仕事にすぐ活かせる10のフレームワーク
- ダイヤモンド社 (2013年9月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478025260
作品紹介・あらすじ
3C、5つの力、バリューチェーン、差別化、集中戦略…基本のフレームワークは、こうすれば使える武器になる!MBAの人気講座の重要ポイントをミドルリーダーの行動を通じて理解。
感想・レビュー・書評
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クリティカルシンキングあるいはロジカルシンキングを学んだうえで読めば、ビジネスフレームワークの初歩としてレベルがちょうどいい。
各章ごとに事例→解説(フレームワーク講義)→まとめの順に書かれているが、読み方としては各章を2回ずつ読み回す方がいいと思う。見方、捉え方をふまえてもう一度事例を考えることによって理解度が深まる。
それに加えて、自らに置き換えて考えることも重要。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
分析はそれ自体が目的ではなくビジネスを前に進めることが目的
3C分析→マクロとミクロの視点で物事を考えること。ベースの分析過程のため、それを元に肉付けしていく必要がある。ミクロの情報は自分の足で調べないと見えてこない、
市場(マクロ)顧客(ミクロ)
業界(マクロ)競合(ミクロ)
それぞれの視点から分析が必要。マクロで見ながら、ミクロの情報もみる
情報は現場にある
5つの力
市場定義(できる限り具体的に)→状況の把握(具体的な数値でどれくらいの伸び代があるのか)→脅威の解釈(どんな脅威が想定されるか)→業界の構造を把握(新参者の気持ち・視点でどういう流れになってるのか)→戦略の方向性を検討
これらを把握するには、マクロ的な視点(政治経済技術)の動きをわかってる必要がある。特に代替品となりうる脅威について
どんな市場で戦っていくのかをまず知ることで戦い形が変わってくる
バリューチェーン分析→事業活動を細かく分解して、分析すること
企業活動の流れ、内部機能の流れを把握せずに、一部分を切り取って、アウトソーシングしたり、プロジェクトを進めたりすることは不協和音が生じさせ、組織に歪みが出来る。全体的な流れを加味した上での戦略が必要
進むべき方向性を描かなければ、付加価値は削ぎ落とされ、単なる効率化の追求になる。その企業は何を価値とするか、強みとしていくかを考えた上での設計が大事。
企業で人が働いていると、金、情報、感情が同時に流れる。人が働いている以上、単純にはいかない
差別化戦略→高価格でも売れる価値観を生み出す状態に注力
コストリーダーシップ戦略→低コストで提供できる状態に注力
上記二つは相容れないので、どちらか選ぶこと
集中戦略→戦わないですむ土俵を選択
差別化は、競合他社との競い合いに陥りがちだが、顧客にとって重要なことでないと意味がない
差別化を打ち出したところで、外向きだけではうまくいかない。内部へもきちんと概念や考え方が浸透し、またそれに沿った業務プロセスができていなければ、格好だけの差別化となる
顧客不在の差別化にならないように、現場と経営陣が対話してすり合わせを行うことが大事
集中戦略は、ターゲットを絞り、深く入り込むこと。マニアックなところまで入ってく。市場が狭いので、わずかの変化やトレンドが重要(大衆化、一般化されない、別でのカバーが効かない)
リスクヘッジ(インパクトと可能性)を加味していく
×規模(物理的に変化を加えづらい)×組織の大型化(意思決定に時間がかかる)
ブルーオーシャン戦略→既存の価値観を超えた範囲で戦うこと(新しい概念のため競合他社がいない)⇄レッドオーシャン戦略
コストリーダーシップ戦略→×安く売る ○いかに安く作るか
コスト削減のアプローチ
①規模の経済→大きくすることで単価が安くなる
固定費の割合が多い事業(工場、研究費)
外部調達の変動費が多い事業は有効でない
【マイナス面】生産キャパを超えたら、追加で設備投資が必要。物理的範囲を広げることで物流費が上がる。マネジメントが複雑化する。売上に限らず固定費がかさむ
②経験効果→経験を積むことで効率的になる
③範囲の経済→使い回す(例: 同じ製品で冬用夏用とバリエーション増やし、稼働率をあげる)
イノベーションのジレンマ→機能やサービスをよくすればするほど、破壊的技術(低機能で安価)のライバルが現れる。顧客ニーズよりも技術改善が上回り、過剰満足となった際に、顧客は破壊的技術に流れる
顧客ニーズは一定数で満たされるが、企業の提供サービスは絶えず進化していく
対策は、自己満足になってないか、顧客のニーズを把握してるか、競合他社との争いが目的になっていないか振り返ること
また、破壊的技術が現れた時は、今の機能性の高い技術チームで対抗するのではなく、ベンチャー的なチーム(意思決定が容易、柔軟に方向性を変えられる、しがらみがない、トライアンドエラーが可能)で対抗すること。
機能性の高い既存チームが頑張り続けることで、対策が遅れ、また顧客ニーズとかけ離れていく、さらに破壊的技術に流れる顧客層が増える、
PLC→製品は導入期成長期成熟期衰退期がある
状況によっては、上記流れにならないケースもある。破壊的技術等外的要因やよって変わってくる
フレーズは定義の仕方によって変わってくる
具体的な数値ま市場規模をみていくこと
成熟期には、やり方が組織体制等が固まってる状態のため変更が難しく、ミドルリーダーも既存のやり方に固執し、思考を停止しがち。結局顧客分析ができず、具体性に欠く -
3C分析ではミクロの視点で具体的な顧客像を分析する。
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フレームワークはわかると使えるの距離が遠いなと感じていたが、その距離を埋めてくれる大変わかりやすい本日だった。
使う時の注意点、そのフレームワークの限界、フレームワークの背景にある論理がまとめられており、実戦で活用出来るようになった。 -
戦略を策定するにあたって使われるフレームワークをケースを元にして体系的に学べる本で内容がわかりやすい。
フレームワークは聞いたことがあって何となく使っているものがあるが、しっかり活用できなければ意味を持たない。どういう時に使うのか、活用の仕方を押さえた上で、それを当てはめて考えるだけではなく、戦略を練る自分なりのフレームワークを作ることが重要である。
学びメモ
・3C分析は買い手と提供者をマクロとミクロの視点で分析する。市場/顧客、業界/競合、自社。市場の定義をどういう切り口で細分化するかが大事、切り口によって新たな市場が見つかることもある。
・3C分析で役に立つのは、外部の二次情報ではなく、ライバルが持たない自らが集めた情報である。それがないと寧ろ危うい。
・競争の戦略では5Fが出発点、戦略を考える上で最初のステップに位置づけられるフレームワーク。一番大事なのが市場の定義、業界内での戦い方の違いを意識し、地域や製品を明確に限定して範囲を定義すること。
・代替品の脅威を読み解くには、PEST分析をしっかり行うこと。
・バリューチェーン分析は、企業がお客様に対して提供している価値が、具体的にどの機能や活動の流れによって生み出されているのかに着目して分析さる。
・戦略には3つの基本戦略と言われる、差別化戦略、コストリーダーシップ戦略、集中戦略があり、普遍性の高いものである。戦略を立てることが継続的に利益を上げ続けることという前提で考えれば、戦略の方向性は、高価格を許容してもらえる状態を作ること、低コストで対応できる状態を作ること、の2つしかない。シンプルにいうと価格を上げるのか、コストを下げるのかという理解になる。
戦略を考えるのは難しいと感じているが、まずはこの戦略のパターンをシンプルに捉えて深ぼっていく考え方が良いと思った。
・差別化を考える上では、顧客にとってそれは重要なことか?それは競合との差があるか?の2つの視点が必要。顧客が認識できるのはせいぜい2つ、ポジショニングマップめ表すのが一般的。ここで原則になるのは、競合との差があるということには、顧客にとって重要な部分において差があるということ。
・PLCのステージ毎に取るべき戦略は異なる。どのステージにいるかを見極めることが重要。
具体的に、実際の数値で、よく考えることが何より大事だと改めて認識した。
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月島図書館
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各フレームワークの本質や関連性、注意すべき点をとても分かりやすく説明してくれる。
先人の知恵を理解したら次は自分の方を作るのが大切。
何度もめくりながらまずは基本を身につけたい。 -
とてもわかりやすい本でした。
経営戦略のフレームワークについて、本当に重要なものに絞って書いています。
私の経験上、経営企画として押さえておくべき学術上の戦略としては必要十分かなと思います。
ツールとして使うためのきっかけ、考えるタネを見つけられる本です。 -
戦略思考を業務で活かすため、読みました。本書の内容を一言でいうと「自分なりのフレームワークでなければ、抜け落ちる」です。本書は身近な事例が提示され理解しやすいので、自分ごとに置き換えて身に付けるのに適していると思いました。