ゲームのルールを変えろ――ネスレ日本トップが明かす新・日本的経営
- ダイヤモンド社 (2013年9月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478024386
作品紹介・あらすじ
思いついたことの98%は実行せよ!マーケティング、営業、流通、採用・育成・評価…本物のリーダーは仕組みを変える。ネスレ日本100年で史上初の生き抜き日本人CEOが語る世界に通用する経営とは?
感想・レビュー・書評
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日本人で初めてネスレ日本のトップに立った著者の、ブランド、マーケティング、マネジメントの話。ネスレの話は「外資でありながら日本ぽい」とか聞いていたが、実はよく知らなかったこともあり、面白く読めた。著者の入社以来やってきた足跡(自慢話っぽいことも含む)が、そのまま、日本式経営への抵抗であったり、ネスレHQへの挑戦だったりする。
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この本は一言で言えば、ザ・経営者の仕事術である。
営業の最前線である現場経験。その中で経営者たるべく能力を何度となく試される。そしてそれをクリアしていく。ゲームの世界ならともかく、現実でこなしていく。根性あると正直思う。
著者の高岡浩三氏の考え方や姿勢が非常に潔い。思い切りが良い。中途半端さがないのが経営者の経営者たる所以であると思った。
真似するとかそういう話ではない。自分自身としてぐさっと突き刺さってくるものがあった。
学ぶに値する生き方。そう思った。 -
リーダーの真髄が凝縮されている
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1人の男の自伝的な物語としては面白かった。
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ネスレ日本生え抜き社長のマーケティング本。
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筆者の経験談が基本。
実際にやったマーケティングが中心。 -
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日本人として初めてネスレの日本法人の社長となった著者本人による本である。キットカットの受験生応援ポジショニングを成功させた当事者として関心を持ったが、それ以外にも大きな実績を上げている。そして、なによりも参考になるのが、彼自身の考え方である。新入社員時代に上げた実績である、マギーとカレーとのクロス販売に始まり、件のキットカット、ネスカフェアンバサダー、TV通販への参入など、イノベーションというべき事例とその背景にある考え方を惜しみもなく披露している。そのイノベーションもアイディアとそれを実現させる実行力があってこそのものである。アイディアを人に言うだけであれば簡単である。むしろ、最も評価されるべきなのは実行力、つまりビジネスへの落とし込みということであろう。
書中、繰り返し旧態依然の日本株式会社に対する苦言が述べられている。全くの同感である。著者が指摘しているように、問題の本質はTOPの考え方、そしてまさしく実行力であろう。イノベーションを推奨しながらも、人事制度や評価をイノベーションを後押しする制度にしなければ、それは画鋲であり、もっといえば経営者による怠慢であろう。
取引先に対する、新しいビジネス手法や流通法についてのアプローチの仕方については大いに参考になる。おそらく、外資系企業の日本人経営者としては、マクドナルドの原田氏、元コカ・コーラの魚谷氏と並ぶリーダーであろう。 -
世界的な企業であるがゆえに縦割りは避けられないと思われるが、事業モデルを考え直しながら、実行し、結果を出していく実話をベースにしたストーリー。
外資系ゆえに親会社の意向が強く出ると思うのだが、日本のマーケットにうまく擦り合わせていくスタイル(ゲームを変えると言っている)が、外資系企業に勤める人にとって素晴らしいお手本になると思う。
特に、三章の「撤退という決断を下すとき」は、言ってみたら海外ではうまくいっているビジネスで、なんで日本はダメなんだ?に対して、ビジネススコア的に怒られながらも細々やって行く選択肢もあったと思うのだが、やらないという判断は、内部的には別のビジネスで埋め合わせる必要があったのではないか?と考えてしまった。
4章のキットカットのビジネスを飛躍させて行くマーケティング戦略などは、CMなどの直球ではなく、現場をよくみてゲリラ的に外濠を埋めて行くようで、読み応えがあった。
5章以降は、成功談的な書き振りと企業内の組織論的な話が強くなって行くので、ちと興味薄れてしまった。
想定読者は、やはり外資系企業勤めの人だろうか。若い人より、やはり30代中盤以降の人の方かな。
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外資系企業だと思っていた「ネスレ」、実は日本的経営を思考している会社?でも、潔さがある経営はとても参考になりました。