オタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解く

  • ダイヤモンド社
4.02
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本棚登録 : 170
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478015445

作品紹介・あらすじ

なぜ、勝てる試合を捨てようとするのか?なぜ、審判は地元に有利な笛を吹くのか?なぜ、タイガー・ウッズもパットを外すのか?カウントで微妙に動くストライクゾーン、過大評価されるドラフト1位、真っ赤なウソをつく統計データ、はたしてファンは敵か、味方か?勝敗のホントの鍵を握っているのは誰だ?…スポーツは、行動経済学のネタの宝庫だ。

感想・レビュー・書評

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  • 「マネーボール」「サッカーデータ革命」のようなスポーツ統計本も、「ヤバい経済学」「予想どおりに不合理」のような行動経済本も大好物。
    なので、タイトルだけで手に取ってしまう。

    構成としては、この類の本で見慣れたやつ。定跡を疑え!と定跡を数字でひとつひとつ検証していく。
    自己ツッコミ多めの軽妙な語り。翻訳者はヤバイ経済学と同じ方!具体的なチーム名、選手名がでてくるので、読み物として楽しめる。NFL多め。

  • 第6回毎週ビブリオバトル

  • とてもとても面白いのですが、、、NFLとMLBとNBAを相当期間見ていないと伝わらないかも。下にリンク貼りますが、初手から「2007年シーズンのスーパーボウルのイーライ・マニングからデビッド・タイリーへのパスプレイは、サックの判定が妥当」だよ。僕も知らない話や選手が多かったので、100%楽しめたとは言えず。「不作為バイアス」と、「みんなが見たいゲームを作り出すために審判が何をするか」についての本。もう少し短くまとめたほうが良かったなあ。最も感心したのは翻訳の巧みさ。凄く読みやすい。

  • スポーツに従事するものにとって必読な一冊。

    <費やした時間> 飛び飛びで2週間

    この本に書かれている全てのことを知っておくと、間違いなく仕事の役に立つ。

    応援は戦力だ。何処かのチームがそんなキャッチでファンクラブ会員を集めていた。私は建前上そう信じているふりをしていたけど、実は応援は戦力だ。大観衆の声援によって選手のパフォーマンスは変わらないけど、審判にプレッシャーをかけることができる。それによってホームアドヴァンテージが生まれる。なるほどなあ。ここがこの本で一番響いた点。

  • 行動経済学的な分析をトップアスリートの行動に当てはめて分析したもの。
    損失回避-ゴルフでは、バーディ(得)よりパー(下回ったら損)を狙う時の方が同じ条件の元ではクリアできる可能性の高いショットをうつ。バーディパットはショートしがち。
    実績のないNFLヘッドコーチは4thダウンでギャンブルしない(勝率は上がる戦略でもしくればクビになりやすいから)。
    切りのいい数値を目指す-
    三割0厘打者の方が2割9分9厘打者より圧倒的に多い。20勝投手の方が19勝よりもちろん圧倒的に多い。
    ホームチームが強い理由−
    プレーの質は変わらないが、審判の判断が変わる。観客の入りにより心理的なプレッシャーが強まり有利度合いが変わる。
    チームvs個人の能力−
    スター選手の存在が重要。バスケは大きく、野球は少ない。
    ドラフト一位の評価−
    過大。
    シカゴカブス(おそらく阪神も)が弱い理由−
    観客数の勝敗へのセンシティビティが低いから。

  • 12.28読了。最近スポーツでも盛んに統計学的手法が用いられているというのは知っていたけど、この本では統計的な裏付け+行動経済学的アプローチでスポーツにおける様々な現象(ex.なぜホームチームの方が勝率が高いのかなど)を説明している。野球に関する章は面白いんだけど、アメフトはアイシールド21レベルの知識しかないので、あまり楽しめなかった。野球、アメフト、バスケが好きな人は読むと得るものが多いんじゃないかな。

  • 『マネーボール』もうそうだけど、アメリカのスポーツノンフィクションは統計学ガッツリで説得力が半端ない。
    とは言え納得行かない点もあり、また自分の仮説と合致するところもあるので、その辺はまた個別に検証してみよう。

  • 今日も地元のチームが勝つワケも、阪神タイガースが優勝できないワケもわかって面白いです!(笑)

  • 経済学者とスポーツライターのコンビが、
    統計分析と行動経済学の知見をフルに生かして、
    「スポーツの神話」を片っ端から斬っていく。

    アメリカ4大スポーツ+学生スポーツ、ゴルフ、テニスあたりを
    中心素材としているが、
    おそらくこれは全世界のあらゆるスポーツに関して
    言えそうなことばかりであろう。
    我々は、「こうなのだ」「こうあるべきだ」と思っていることは、
    だいたい間違っている、ということについて。

    どの事例も興味深いが、
    個人的には「ホームアドバンテージ」の解き明かしが特に
    秀逸だと感じた。
    選手のプレーには、観客の応援はほとんどプラスにもマイナスにも
    作用しない。
    PKやフリースローといった静止プレー(諸要素を排除できる)のデータで
    見ればそれは明らかである。

    じゃあいったい何が、というところで挙がっているのは
    「日程」と「審判」。
    この2つで、ほとんどのホーム有利の勝率になる説明がつくという。

    ホームチームの日程はアウェイより楽であり(アウェイは連戦を強いられるケースが多い)、
    また審判はホームの観客からブチ切れられたくなくて、ホーム有利の笛を吹く。
    それらが、すべてである。

    それはまた、スポーツ間でのホーム勝率の差も説明づけられるのが
    見事である。
    セリエA 67%  NBA 60%  NFL 57%  MLB 54%
    審判の笛がどの程度得点を左右する競技か、とか、
    あるいは審判のジャッジの正確性を確かめるシステムがあるか、とか、
    そういったことでこの差の多くは説明がついてしまう。


    まぁ、こういうことを仮にしたり顔でスポーツファンに
    力説したところで、
    だいたい嫌な顔をされて終わるのだろう…
    と筆者たちもよく分かっていて、
    しかしそれでもなお、
    こういう書物が世の中で受け入れられるようになったのは
    スポーツにおける科学的な見方の浸透なのではなのではないかと思った。


    行動経済学の立役者であり、スポーツにおけるホットハンドの
    存在が「確率の産物」であることを明らかにした
    故エイモス・トヴァスキーの言葉がp.373にあるが、
    それがすべてに思える。

    「ぼくはこの話で1000回は論争した。
     ぼくはその全部に打ち勝ったけど、誰一人として納得させらなかった。」

  • いや、面白く読めますよ。とりわけ、アメリカプロスポーツをよく見る人は、スタープレイヤーやコーチの名前が具体的に出てくるので、グイグイ惹きつけられること、うけあいです。

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