- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478013991
作品紹介・あらすじ
丁稚から身を起こし、後に松下電器産業(現パナソニック)を一代で築き上げた稀代の経営者には、数々のエピソードが残され、それらは今なお語り継がれている。だが、そんな幸之助の奇跡の成功ヒストリーを、陰で支え続けた"もう一人の創業者"がいたことは、意外に知られていない。その人物こそ、幸之助の妻、むめのだった。五里霧中の商品開発、営業の失敗、資金の不足、苦しんだ人材の採用と教育、関東大震災と昭和恐慌、最愛の息子の死、そして戦争と財閥解体…。幾度も襲った逆境を、陰となり日向となり支え、「夫の夢は私の夢」と幸之助の描いた壮大なスケールの夢を二人三脚で追いかけていったのが、むめのだった。松下幸之助夫妻の"最後の執事"が綴る、「松下むめの」物語。
感想・レビュー・書評
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松下幸之助の奥さんである松下むめのさんを中心に、
松下夫妻と松下の創業期について書かれた本。
女性視点で書かれているので、生活感・人間感のある本で、
松下幸之助の経営者としての側面以外の面を見る際に参考になる。
もっと言えば、経営者(創業者)とその奥さん、経営・仕事と家庭という視点、
人間を育てることと経営というような視点で読むと、
一つの参考になる本だと思う。
ちなみに、著者の高橋さんという人は、松下の執事として働いていた人で、
松下夫妻の家庭内でのサポートを一生を通じてやり続けた人で、
そういう意味では、松下夫妻を一番リアルに良く知る人物と言える。
この本は、一部フィクションだが、基本的に松下むめのの思考については、納得いくほどよく描かれている。
また、ほとんどむめのの回顧調で書かれているため、小説と同じように読める。
家庭人としての松下幸之助を紐解く上では、とても良い本だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
NHKドラマをみてからこの本を読みましたが、やはり本のほうが登場人物のそのときの考え方がわかって良かったです。でも小説としては、正直なところあまり楽しめません。半分ビジネス書として読んだほうが良いかもしれませんね。幸之助の考え方がスティーブジョブスにちょっと近い、とうのが印象に残りました。その辺の詳しい話はブログで…
http://pinvill.cocolog-nifty.com/daybooks/2012/02/post-6277.html -
日本の電機業界さらには製造業を代表する企業、パナソニック。
会社について、そして創業者である松下幸之助については、関連する書籍が多く出版されているということは知っていましたが、これまではあまり、接してきませんでした。
この企業のことを勉強したいなと思っていたところ、「創業者の妻」を主人公としたテレビドラマが放映されたと知りました。
まずは読みやすいものから取りかかるのが良いかなと思い、原作本であるこの本を読んでみることにしました。
主人公は松下幸之助の妻、松下むめの。
19世紀の末の明治の世に生まれ、大正四年に幸之助と結婚。
結婚当初はサラリーマンだった夫が、会社を立ち上げると言いだします。
年号が大正から平成に変わるまで、夫・幸之助を支えた一生が、伝記形式で綴られています。
最初の製品として考えていたソケットの練物の作り方がわからず、むめのが近所の工場の廃品を漁るシーンなど、今のパナソニックからは想像できない、創業当時の牧歌的なエピソードも描かれています。
戦後の混乱を経て、「長者番付日本一」まで登りつめるなど、まさに「昭和の神話」を読ませてもらったように感じました。
恥ずかしながら、この方のことはこれまで知らなかったのですが、この本を読んで「もう一人の創業者」と言われる所以が理解出来ました。
「みんなを幸せにしたい」という大志を抱き、それに邁進する夫。
その夫の夢をいかに達成させるかを考え抜き、自分が思う「正しいこと」を貫いた妻。
「志」という言葉を最近、耳にしなくなり、その言葉を意識しなくなっていた自分がいることにも、気づかせてもらいました。
それだけでも、読んで良かったと思える、一冊でした。 -
NHKテレビドラマ化ということで読んでみた。松下幸之助の奥さんもまた物凄く立派な方だったということが分かった。でも礼儀を重んじる姿勢のストイックさは、自分だったらちょっと辛いかも・・・。古き良き日本の姿を学びつつ、僕は僕の理想とする家族を思い描いて日々過ごしていこう!
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まるでむめのさんから叱られてるような気持ちになりながらも
努力すること、誠実であること、利他であることの尊さを感じました。
泣きました -
内助の功の見本として、学ぶべきことが多い。やはり、多少のフィクションもあるようだが、「実話」には、説得力がある。
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この本を読み、松下幸之助が残した優れた業績の裏には、むめのさんという女性の支えが不可欠であったことを改めて強く気づかされました。
むめのさんという人に焦点があてられた本は初めて読みましたが、互いを尊重しあい助け合う2人の夫婦の姿は
現代における家庭のありかた、男女の働き方を見直す上でも是非参考にすべきだと思います。亭主関白やかかあ天下ではなく、2人には2人なりの役割があり、それぞれを2人がきちんと果たしていたからこそ、松下電機は素晴らしい業績と社員からの絶対的な信頼を勝ち得たのです。
むめのさんの内助の功、について彼女は以下のように答えています。
「私らは商売をしてますから、もちろん意見を聞かれることもあります。でも、女は男の仕事にくちばしを入れてはならん、と思うてます。主人に聞かれてから、初めて自分で意見を言うのがええと思うてます。ふだん、おとなしゅうしてても、いざという時には、ええ相談相手になれる。そんな女房がええ、と。あくまで参考にしてもらう程度でええんです。自分の意見にこだわることは絶対につつしまなあかんと思うてます。」
また、感謝の気持ちを常に抱くことの大切さをも気づかされました。
家賃が払えず、大家さんに待っていただけないだろうか、とむめのさんが許可をとりにいくシーンがあります。それを、大家さんは快く受け入れてくれます。
そのときのむめのさんの心情は以下のようなものです。
「きちんとした暮らしをする、いうことは、やはり大事なんやな。人はしっかり見ていてくれるということや。そしてそれが、困ったときに、ありがたいことにつながっていく」
人に見られているどうこうではなく、日頃お世話になっている相手に感謝の気持ちを抱くことの大切さに気づかされるシーンです。
社会進出の盛んな女性が社会でより活躍する上で外せないエッセンスのようなものがふんだんに盛り込まれています。
奥さん、という一言でまとめるには惜しいむめのさんの生き様を、是非多くの方にも知っていただきたいと思います。
下記はメモ。
-社員の住み込み制
-詐欺から家庭・会社を守るときのむめのさんの度胸
-家庭を裏で支えると決めたらとことん隠れて支える。
絶対に気づかせない。 -
テレビドラマも見たけど、原作も面白かった。
むめのが、なぜ条件の一番悪い幸之助と結婚したか、
テレビでは説明しきれなかった事情が、原作にもあり
興味深かった。むめのさんもえらいが、そのむめのさんを育てた、母こまつさんも偉い。先に、小早川秀秋の悲劇と読み比べていて、上に立つ人がしっかりしないと
人がついてこないということがよくわかる。 -
母に勧められて読んだ。古き良き時代の理想的な奥様…と言ってしまったらいけないんだろうけど、自分とはかけ離れていてとても真似が出来ないと感服。こんなお二人が出会って一緒に過ごされたことが、一番スゴイのかも。常に前を向いて進む姿は、素晴らしいし、見習いたいです。
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私には内助の功はまねできませんが
参考にさせていただきます