クリエイティブ資本論―新たな経済階級の台頭

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478001738

作品紹介・あらすじ

多くの先進国では、クリエイティブ・クラスと呼ばれるまったく新しいタイプの労働者が総労働人口の3割を占める、クリエイティブ経済の段階に入っている。クリエイティブ・クラスとは、新しいアイデアや技術、コンテンツの創造によって、経済を成長させる機能を担う知識労働者層を指し、その所得水準も高い。クリエイティブ・クラスは、自分の能力が生かせる、または暮らしたい環境がある場所を選び移動していくため、クリエイティブ・クラスが集まる地域とそうでない地域の間で経済成長の格差が拡大しているのが現実だ。著者の主張は世界的に注目され、地域経済の再生に実践されるようになってきた。本書では、クリエイティブ経済に不可欠な3つのT(技術、才能、寛容性)の関係を明らかにし、クリエイティブ経済の本質を、マクロ経済、働き方、日常生活、社会制度の側面から広範に解説している。

感想・レビュー・書評

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  • 実質的には10年前の本なのだが、もっと早く読んでおくべきだったな。たまたま自分が、ここでいう”クリエイティブクラス”のマネジメントに携わる立場である一方”サービスクラス”を統括するという立場にいるので、興味深くいろいろ視点をもらった。場の力、多様性と寛容性。自分が住む所を探したときの直感と合致するので共感するところ多い。多少重複や偏りもありもう少しスリムで読みやすいボリュームであるとなおよかった。
    [more]<blockquote>
    P9 このハイテク時代にはよく「地理的条件は無意味」とか「場所はいまや重要ではなくなった」といわれるが、これほど事実とかけ離れた発言はない。

    P19 実際、私たちは休むべき時に働き仕事をすべき時に遊んでいることがある。クリエイティビティはあらかじめ決まった時間にスイッチを入れたり切ったりできるものではなく、それ自体、仕事と遊びとが奇妙に混じりあったものだからである。

    P28 クリエイティビティは現代社会が直面している無数の病巣を退治する万能薬でもない。魔法のように貧困をなくし、失業をなくし、景気変動を均し、万人をよりよい幸福や調和に導くようなものでもない。人間の適切な介入もなく放置されたままにしておけば、クリエイティビティを基盤とするシステムは、問題をより悪化させることもあるだろう。

    P43 クリエイティビティは独自の社会環境において大きく花開く。十分に安定していて努力を継続でき、かつ多様性に富み、破壊的な活動にも寛容な環境である。

    P51 しっかりした過程のない実践は抑制が利かなくなるが、実践の伴わない過程はクリエイティビティの勢いをそぐことになる。もっとも洗練された意識の高い組織だけがこの拮抗する力のバランスをとり、クリエイティビティを維持して長期成長をもたらすことができるのである。

    P117 彼らは同業者たちの評価により自己最適化する。複雑で自立的な制度を発展させてきたが、これはアカデミズムにおけるものと同様の評価と機能を持つものである。

    P156 概して、今日のオフィス空間は、組織階層的な配置から、交流を重視した配置へと移行しつつある。つまり、有力者が鍵のかかる私的空間を持ち、一般従業員はずらりと並べられた規格化されたキュービクルに入るというものから、共有スペースとそれに面するように開け放たれたオフィスが多くもうけられるようになっている。【中略】新しいオフィス空間は視覚的に面白く、時には少しばかり荒削りな空間を目指している。

    P163 クリエイティブ経済は、アイデアを素早く創出して、企業全体に伝達することを前提としている。こうした厳しいスケジュール、不確実性、そして知識の創造、チームワークや互いのアイデアの検討と行った作業には、デザインスタジオや実験室において従来見られたような、相互作用的な空間が必要なのである。

    P170 人に優しい会社のもうひとつのあり方は、アンドリュー・ロスの「ボヘミアン職場」にみることができる。

    P172 大半の人々は職場に悟りを求めているわけではない。彼らが望んでいるのは、やりがいのある仕事、高給、そして適度に有能で邪魔にならない程度の経営陣なのだ。【中略】クリエイティブな人々や知的労働者らは信頼性の高い価値、明確な規則、開放的なコミュニケーション、恵まれた労働条件、そして公正な待遇が整備された組織には好意的だということである。人々は解雇されたくないし、過小評価も受けたくない。彼らは命令されるのは好まないが、指示は求めている。

    P201 若いうちにスター、あるいは少なくとも将来有望という名声で門出を飾れるかどうかで、格段の差がつくことは間違いない。必死で働き続けなければならないことに変わりはないが、若い時代の投資に対する見返りは大きい。注目を集められれば、選択の自由、有能なエージェント、よい仕事を勝ち獲ることができる。

    P218 クリエイティビティが私たちと経済とを結び、経済と結ばれた私たちは自分をクリエイティブな存在であると認識するから、私たちはクリエイティビティを周囲に顕示し、クリエイティビティそのものを培ってくれるような趣味、あるいは文化的要素を追い求めるのだ。

    P224 スポーツ観戦人に熱中するという行為はワーキングクラスに特徴的なものであるとし、その理由を2点ほどあげている。まず勝者と自分たちを同一視したいという欲求である。【中略】この代理成功の魅力に加えて、知識を披瀝したり、持論を展開したり、記録をつけたり、裏事情をこっそり教えたり、普段は「意思決定」「経営管理」「世論形成」をする階級の専売特許であるような訳知り顔をしたりすることができるのも、スポーツ観戦が中産階級以下の人々に人気がある理由である。

    P248 ビッグモーフには、前世紀以来続いてきたプロテスタントの労働倫理とボヘミアンの倫理という、二つの価値観の摩擦を解消する働きがある。【中略】ビッグモーフは深い洞察に基づく統合概念であり、古い分類概念を超えて新しいもの、つまりクリエイティブ精神を生み出す。

    P292 偉大な都市というのは二つの特質を持っている。外部者に対する寛容性と、凡庸さに対する不寛容である。

    P298 「私たちは完成されていない場所がほしいのです」【中略】場所の質は、自動的に生じるものではない。むしろコミュニティのさまざまな面をひとつにまとめる作業を含む、ダイナミックなものである。

    P396 今日のクリエイティブクラスは、自分たちの経済的使命を果たすことによって、本来のー実は唯一ふさわしいー二十一世紀社会の指導者になるのだということを知っておく必要がある。しかし、クリエイティブクラスは新しくできたばかりで、階級としての自覚もまだない。【中略】彼らは無邪気に信じている。自分のことだけ責任を持ってやっていれば、世間もそれぞれのことをきちんとやるし、自分が成功するのに必要な環境を与え続けてくれると。また時々、そんな人たちが、組織的なものはすべて「自分に合わない」と文句を言うのを見かける。【中略】いまこそクリエイティブクラスが成長するときだ。仕事上の業績とは関係なく、自己完結的で非組織的な個人の集まりから、より結束した責任ある集団へと転換してかなければならない。

    P405 特定の人々が天性の創造者とみなされる一方で、その他の人々が彼らに使えるために存在し、彼らの考えを実行し、そして彼らの個人的な要望に気を配るというような、社会の階層が存続していくことこそがエリート主義であり、不公平/非効率/その上危険でもある。クリエイティビティを、選ばれた少数の人々の本分にとどめておかないことが、不公平から非効率まであらゆる種類の問題に対する現実的な処方箋であろう。

    P407 その内部にいかなる団体も持たない強力なコミュニティこそ、社会的結束への鍵である。集団意識が崩壊しているので、コミュニティそのものが私たちをまとめる社会基盤でなければならない。</blockquote>

  • 人間の創造力や問題解決能力はどういう環境や組織、はたまた都市で育まれていくのか、クリエイティビティに興味を持って手に取る.


    都市経済学者の著者が2000年代初期に出版。
    今後の社会は単純作業をするワーキングクラスではなく、新しいアイデアや技術、コンテンツを創造し、再編集し、問題解決をおこなう人材(クリエイティブクラス、コトラー
    がいう知識労働者にかなり近い)の時代が到来し、彼らがどれだけ都市の中で存在し、より生産性の高い業務を行うことができるかが今後の国家や都市の競争力を決定するというもの。

    組織の肩書が個人のアイデンティティになっていた工業社会の時代からライフスタイルが変化し、自分自身の関心や興味による自己表現を重視する時代になっているため、自分たちの行動を規制、規定するのは家族や組織、近隣ではなく、自分のアイデンティティに変化し、またそのアイデンティティを作り上げる努力をしなければならない時代である。
    近代のクリエイティブクラスが家庭をもつことや家族や周囲の人々との弱いつながりを好むのは自分のアイデンティティに基づく行動の選択の結果であり、以前より多くの人と関わりながら自分の関心を高めていることによる。


    その高い専門性やアイデンティティを持つクリエイティブクラスによって現在の経済成長はドライブされ競争優位が決定している。


    企業の競争優位がそういった人材の高い専門性によるものである以上、
    クリエイティブな人材が好む自由で寛容、多様性を受け入れる機能が都市がとして求められるという。

    統計上、近年の経済成長はゲイ指数、ボヘミアン指数等の都市の自由・寛容さ・多様性を測る指標と、クリエイティブな人材(エンジニア、アーティスト、デザイナー、芸能文化に従事する者等)の集積度、経済成長率に強い関連性があることを統計データで分析してる(有意何%等は記載なしですが)

    自由・寛容・多様性がさまざまな人と関わる機会や自由な発想を助長し,彼らの好奇心を満たし,多様なアイデア
    の源となる。

    ではそのような人達が自由で寛容な都市に何をのぞんでいるか。

    クリエイティブ人材が好むのはスポーツ観戦等の受け身なものではなく(スポーツ観戦が好きなクリエイティブ人材もいるが)単位時間当たりのエンタテイメント性の高さだったり、地理上そこでしか経験できない文化に触れること、またそのような環境で未知なる体験をしたり自己表現できるかどうかだという。


    国や自治体は、人口減少・経済成長の鈍化を食い止め、競争力を高めるために様々な方法を試している。
    われ次のシリコンバレーは自分たちだといわんばかりに。

    例えば雇用創出、スタートアップを生み出すような経済特区、法人税の引き下げ、学術機関の投資、設置等。
    しかし、クリエイティブクラスが好むような、地域でひっそりと自発的に育っている大衆文化や住む人の多様性に目をやったり、その意見を取り入れるしくみはなかなか存在しないのでどうしても剥離が生じているように感じてるという筆者。


    日本でも様々な地方都市が第二のシリコンバレーを生み出そうとしてるが、多くの方法は単にスポーツスタジアムを誘致したり、画一的な大型ショッピングモール等を
    作り、地域の文脈を無視した興業開発や観光客誘致にとどまる。



    チームラボ猪子さんのおっしゃることのほとんどが一致してるわけで、このままだともし社会が未来志向性をもっていたら東京に多くの人が集まっていくと思われる。
    しかし東京から日本独自の多くの文化が生まれていることは事実だが、誰もが簡単に自己表現しやすいような環境であるかどうかはわからない。
    日本の場合は東京より多様な都市がないだけで、もし様々なバックグラウンドを持つ人が住む都市が形成し、優秀な学術機関さえあれば面白いと思う。





    ここまで読んでみて、「ああなんだ最近では割と一般的な話だな」と思う一方で、一般的に言われてたことが実際のデータで裏付けられそれなりに妥当だなという確証を得られたのが一番の学び。

    政府主導のクールジャパンや地域の活性化を行う当事者が、経済成長を担う人材が好む文化の重要性や社会が向かう方向を見極める目をきちんと持っているか、また持っていなければそれを正そうとする仕組みが属人的になっていることが問題であると思う。

    やはり地理や文化の優位は必ず存在する。
    感性をこれからも大事にしていきたい。

    これがもう10年以上の前の本であったことに結構驚きを隠せない。
    もっとわかりやすくして中学生とかに読ませるべき良書。

  • 積ん読消化中

    アメリカ労働者の3800万人をクリエイティブクラス、
    クリエイティブクラス=フリーアドレスでフレックスタイムで非定型業務で。。。

    うーん、すごい人が書いたすごい本なんだろうけど、「クリエイティブ」という定義の広い言葉を、けっこう都合良くつまみぐいして、キャッチーな部分だけ都合良く繋げているように読める。
    トヨタのラインでカイゼン案を出す人をクリエイティブ、そういうのをクリエイティブ組織と褒める一方で、時間に縛られず労働してアートとエクササイズが好きなクリエイティブクラスが..みたいな書き方を随所にする。
    マスコミが好きそうな統計はすごくたくさんある。(クリエイティブな都市ランキング、とか)けど、機序の説明はあまりない。
    よくつまみ食いされる「ゲイの多い都市はクリエイティブ」「子供に優しい都市はクリエイティブ」は、たとえばサンフランシスコはゲイで引き合いに出されるが子供は多くなく、ポートランドは子供に優しいがゲイは多くない。
    そういう別々の指標でどこか一つ目立ったものを指して「これはクリエイティブ」と引っ張っていくのは、かなり雑に思える。

    「クリエイティブな仕事が増えていて、それが重要である」ということに異論なく、そういうことに理解がなかった社会をフロリダが変えたというのが価値だと思うけど、オピニオン以外のものを受け取るのはちょっと厳しかった。

  • これまでのような、ブルーカラーとホワイトカラー、又は富裕層と中間層、貧困層などという切り口とは異なり、クリエイティブクラスという独自の視点にて社会階層の分類を行っている野心的な経済学の論文である。冗長で難解なのが難点ではある。

    映画プロデューサーやデザイナーなどといった狭義のクリエーターだけではなく、価値を生み出す仕事に従事するあらゆる人達をクリエイティブクラスとし、それを支える産業に従事するサービスクラスがある。サービスクラスはクリエイティブクラスの勃興とともに伸びてきている分野でる。このいずれにも属さないのが、従来のワーキングクラスであということだ。

    かつて、工場での労働は創造性が要求される要素は多くあったというが、現在は多くの工程がマニュアル化、標準化され、労働者は指示されたとおり、規程どおりに作業を行えばよいだけになっている。技術の進歩により、その傾向はますます拍車がかかり、労働者の意欲と共にクリエイティビティを奪っているのである。かつて、日本の自動車産業がアメリカを凌駕し始めた時代、生産改善やコスト削減などにおいて、日本の工場の現場は非常にクリエイティブであったのである。

    現代は、ワーキングクラスにおけるクリエイティビティが奪われているのが現状であり、今後大きな社会問題となることを警告している。モップを動かすだけ、箱を積み重ねるだけ、部品をつけるだけといった機械的な作業に何百万人の人を従事させることは人の能力を社会的に浪費していることと同義である。かつて、プランテーションで綿花を摘む作業を強要したことのように、いつの日か倫理的にも経済的にも時代に逆行しているとみなされる日がくるであろう。クリエイティブクラスに従事するものの同義的責任として、その他多くの人々のクリエイティビティを開発し、あらゆる人々がクリエイティビティ経済に組み込まれるようにするべきである。著者のRフロリダは最終章で、警告している。

  • ・クリエイティビティは究極の経営資源
    ・クリエイティブ時代を支えるのは、開かれた競争
    ・地域の選択は主にライフスタイルの観点からなされる
    ・経済発展は、寛容性が高く、多様性に富む
     (クリエイティブ資本が高い)地域で起きている
    ・クリエイティブな人は、
     クリエイティブな人が集まるところに住みたがる(類は友を呼ぶ)
    ・1人の人間が多様な顔を持つ。
     作家であり、研究者であり、自転車乗りであり・・・
    ・「スーパークリエイティブコア」
     新しい形式やデザインを生み出す。問題解決/問題発見を行う
    ・殆どのクリエイティブな労働者は、フリーエージェントではない。
     フリーエージェントの世界は、大企業なしには考えられないものだろう。
    ・「上司は部下の仕事について理解していない」
     (The New World of Work バーレイ 1996)
    ・ドレスコード:多様性と寛容性のコード
    ・人は自分の近くにいる人と最も相互作用しあい、
     23m以上離れている人とはめったに相互作用しない(Allen, 1997)
    ・クリエイティブクラスは、長時間働く
    ・クリエイティビティは、仕事と遊びがまじりあったもの
    ・絶えず刺激や経験を求めずにはいられないというのも、中毒のような状態
    ・企業が集まるのは、才能ある人々が集中することで生まれる力を利用するため
    ・人的資本理論によれば、経済成長は高等教育を受けた人々がいる場所で起こる。
     クリエイティブ資本理論では、クリエイティブ資本を保有する人々が 
     好む地域に経済成長が起こる。
     社会関係資本理論では、社会的結束と信頼そしてコミュニティーの連帯の
     産物として経済成長があると考える
    ・クリエイティブな人々は少ない強い絆と多くの弱い絆を好む
    ・ジェイコブスの古典「アメリカ大都市の死と生」1969
    ・地域経済の原動力としての大学:技術、才能、寛容性を相互連関させる
    ・子供にやさしい都市はクリエイティブ

  • 3

  • 創造的な都市とは何か?を考える上で具体的な指標が紹介されています。
    ※アメリカの都市を中心に分析されているため、世界的な比較、日本の都市におけるクリエイティビティの分析ができると良い。

    ▼労働人口を5つに分類
    ⅰクリエイティブ・クラス
    ⅱスーパー・クリエイティブ・コア
    ⅲワーキング・クラス
    ⅳサービス・クラス
    ⅴ農業

    クリエイティブ・クラスとカテゴライズされる人が増えてきている。クリエイティブクラスが集まる地域には特徴がある。その特徴を表す指標として、クリエイティビティ・インデックスが使われています。

    ▼新クリエイティビティ・インデックス
    技術・才能・寛容性のスコアリング
    下記4つの指数をもとに算出される。
    ⅰ労働力におけるクリエイティブ・クラス人口の比率
    ⅱ一人あたり特許件数で測るイノベーション
    ⅲハイテク指数
    ⅳゲイ指数、多様性の開放度


    多様性とクリエイティビティの相関性に関する考察が面白い↓

    ▼三つの多様性指数を合成した合成多様性指数(CDI)
    ①メルティングポット指数
    移民の地域別集中度

    ②ゲイ指数
    ゲイの地域別集中度

    ③ボヘミアン指数
    作家、デザイナー、ミュージシャン、俳優、映画監督、画家、彫刻家、写真家、ダンサーなど芸術を職業とする人口の比率を測定したもの。

    ゲイ人口の地域別集中度を示し、その指標とクリエイティブ都市の相関性を導き出している。ゲイコミュニティへの開放度が高い地域は、ハイテク産業の集中度と相関性がある。

    ▼考察
    成功している地域は、スタジアムの建設や、工場や小売チェーンの誘致、新事業インキュベーション施設の整備を実施してきたわけではない。

    重要なのは、解決策はそれぞれの地域のなかにあるということだ。住民の知識、知性、クリエイティブな能力にかかっている。

    都市開発を行う際に、クリエイティビティ・インデックスを一つの指標として取り入れられると、持続的に成長する地域をデザインすることができるのではないかと考えています。


    高知県で地方の魅力を発掘し続けるでデザイナーの梅原 真さんの活動は参考になります。
    http://colocal.jp/topics/think-japan/innovators-intaview/20130225_15709.html

    地域を豊かにするという発想を、より定量的に分析し、現場に活かすために非常に参考になる本です。

  • 回転寿司チェーン店が軒を連ねる通りに、 他府県から行ってみたいと思うだろうか。 では、国賓の接待に使われる寿司屋さんの ある町ならどうだろう。 多彩なカップラーメンが並ぶ店に行ってみ たいだろうか。では、これ以上無いほどパ ワフルな味のスープや、独自の注文用語が 飛び交うラーメン屋さんのある町ならどう だろう。 あなたの町には、他府県から人が来たくな るコンテンツはあるだろうか。では、他府 県ではなく他国から希望がある程だろう か。

    グレートリセットからのリファレンス。都 市社会学者である著作が提唱するクリエイ ティブ・クラスの定義に迫る一冊。

    そこにしか無い、そこでしか得られない。 そんなブランディングに気づきが得られた と感じます。

    ブランディングについては、以下ブログと も併せて検討する良い材料となりました。 http://ameblo.jp/s-teranishi/archive-201404.html

  • アメリカだな~と思った

  • how, where, who, which community …
    人の仕事が機械に代替される中、資本(特にクリエイティブな)が集うところでイノベーションが起こる。どのような環境で発生するのかを人口統計や社会学の観点から分析を加える。
    ゲイ寛容、大学という知的生産拠点の有無、コミュニティの力。アメリカでは本書にて基準があるが、今の日本(tokyo)では、当てはまるのか。
    クリエイティブな発想を持ち合わせられる環境下に自らを置けるかどうかが、今後に影響を与えると感じた。

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