日本人にとって英語とは何か: 異文化理解のあり方を問う

著者 :
  • 大修館書店
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784469245288

作品紹介・あらすじ

幕末から明治のはじめに訪れた異常なまでの英語ブームは、帝国憲法が公布された明治22年頃から急激に衰え、そして大正デモクラシーとともに再燃してゆく。平成の今日まで、幾度となく繰り返されてきた「親英語」と「反英語」との往復運動の歴史から、私たちは何を学び、それをどう活かしていくべきか。

感想・レビュー・書評

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  • 昭和8年生まれの著者の為?情報がやや古いものの、日本人の英語に対する考えうまく表現している。

  • なぜ日本の学校には外国語科の教育があるのか、なぜ外国語=英語なのか、などの問いに比較的具体的に答えた一般向け書籍です。
    日本人の英語への態度について単純な理論化をしているなど、この本には批判されるべき点もあるようです。
    日本人がいかに英語教育と付き合ってきたか、という歴史の記述が面白く、英語に関わる全ての人にとってためになる本です。

  • [面白い指摘がある一方,著者の言行不一致が残念。]

    「日本語は簡明な数詞と完全な10進法を持つので,日本語母語話者の数学力は高い」「親英20年,反英20年の40年サイクルで英語への態度が揺れている」など面白い指摘があり,興味深い。

    一方,p.179には,「日本語では人名を「姓+名」の順で書き,英語では逆に「名+姓」の順で書く。それがそれぞれの言語での一般的なルールであるならば,無理をすることはない。それをそのまま認めてはどうか。」とあるが,著者は日本でアメリカ人を姓-名順に呼んでいるのか? 少なくとも日本語の著作である本書の中で,著者はアメリカ人を名-姓順に書いているように思えるが,いったいなぜ自らの意見に反した行動を取るのか? 著者の言行不一致は残念である。

  • 日本人にとっての「英語」を歴史的に俯瞰した好著。学校のチャイム,あのオリジナルは果たして何のメロディーか。知っていて知らない世界が広がる。浮かび上がる「英語」,歴史に見る「英語」。1902年の日英同盟。1904年の日露戦争。「坂の上の雲」のみならず明治以降の歴史の中の「英語」を読む本。

  • あとでもっとちゃんと感想書きたいけれども、まだ咀嚼し切れてないので一言メモ程度。

    日本人の“中央言語崇拝”に対する指摘は、もっと広く唱えられてもいい気がする。
    いわゆる標準語嗜好であり、地球規模で言った場合の英語であったり・・・少し偏りすぎだと私も思う、がゆえにこの本を読んでみたわけだし。

    第一章が特に面白い。
    日本人が英語(印欧語の言語)に弱いというのは、言語体系が違うからだろうことも要因、というのは実感しているけど、算数・数学も母語に左右されるなんていうことは考えても見なかった。
    加減乗除レベルだと、日本語やアジア圏の人間にとって、言語として10進法という概念がとらえやすく、英語(に限らないけど)だと、歴史として10進法では無かったがために(言語的にも、数字は10進法にはなっていない)とらえにくい…という感じだろか。それが、例えば高校生になって微分積分などょやったりすると、今度はそれが日本語では捕まえにくいものとなるので、13歳の数学の成績が世界トップレベルであろうとも、17歳レベルになると途端に下がってしまう。

    英語にしろ数学的なことにしろ、おそらくここでいう問題点は「母語による有利・不利」ということを、果たして教育者、さらにいえば政治レベルで認識できているのか?という事なんだと思う。

    アマゾンレビューで「姓名についての話が、ダブルスタンダードになってないか?」という指摘があったけど、言わんとしていることはわからないでもない。けどたぶんあれは書かれていることをそのまま受け止めても意味のないこと(固執していることが如何か?という指摘?)だと思うんで…どうかしら。

    ともかく、まだメモ段階。

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