- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784426607852
作品紹介・あらすじ
会社員だからこそできる「起業」がある!
本書は、会社を辞めて起業する「独立起業」ではなく、社内で新たな事業を生み出す
「社内起業」に特化した実用書。
この1冊で、事業創出の「考え方」から社内での「動き方」、企画案の「通し方」まで、
「社内起業」ならではの必須ステップと基本ポイントがしっかり身につきます。
著者は、元リクルート新規事業開発室マネジャーで、自身も総合情報サイト「All About」を社内起業した経験を持つ、新規事業インキュベータの石川明氏。
これまで携わってきた新規事業は100社・1,500案件、
育てた企業内起業家(イントレプレナー)は3,000名超。
NTTなど大手企業で続々導入のリアルメソッド初公開です。
社内で新規事業開発を担当している方や新たに担当になった方、
将来、社内で自ら事業を立ち上げたいと考えている方必読の1冊です。
感想・レビュー・書評
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新規事業のアイデアにつなげる国語(誰のどんな不)・算数(不の大きさ(
(事業規模))・理科(不が生じてる理由)・社会(不が解消されない背景)の考え方が分かりやすかった。
経営者や社内の巻き込み方、アイデアを事業計画にしていく手順など企業内で新規ビジネスを担当する時の参考になる一冊 -
リクルートで新規事業RINGの運営に長年携わり、ご自身もオールアバウトを創業された方の本。おすすめ!
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新規事業を一つ企画・推進するぞと決めて買った本。私がHRTechの会社にいるせいか、リクルートの話はすごく頭にはいってくるし、腑に落ちることが多い。事業とは不の解消である というのが刺さりました
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①アイデア→②プラン→③計画→④事業計画書作成→⑤承認
③以降のノウハウを知りたくて購入。
テクニカルとメンタルが半分ずつ。
どちらも役に立ちそうなので、
2回目は自分のビジネスと比較しながら読みたい。 -
仕事とは何かをそもそも見直すきっかけになる。
本書では「新規事業の担当者=新しいことをやろうとする人」として読むのが適切であり、すべての人に通じるところがある。
筆者はAll Aboutの創業者、リクルートOB、新規事業のインキュベーターを7年務めた。
■新規事業の原点
自分の会社が世の中の役に立てることはないか、そのシンプルな問いかけが第一歩。
社内企業家のチャンスは「自分・会社・世の中」の接点にある。世の中のニーズ、あなたが実現したいこと、会社の目指す方向性、この3つを満たすこと。
■独立起業にはない「社内起業」のメリット
・資金
・人材
・信用
→因果関係を整理するならば、信用がないから資金を得るのに苦労し、信用がないから人材獲得に苦労する
■社内企業ならではのハードル
・既存事業とのカニバリゼーション
・過剰な保守意識
・スピード感
・危機感
・インセンティブ
■自分のミッションを整理する
具体的な検討に進む前に確認しておきたいこと。
1.目標と期限は明確に
2.何をもって良い事業案とするか
・目指す事業の評価軸(規模、収益性、独自性)
・事業企画の評価軸(具体性、論拠、実行性)
・自社らしさの評価軸
3.投資できる社内資源の制約
■自社の経営陣を営業先だと考える
新規事業の担当者は「上からの指示が曖昧だ」「社内の協力が得られない」といった不満を覚えがちですが、相手が「同僚」ではなく「クライアント」だと思えば当然と受け止められる。
■ビジネスチャンスを探すステップ
1.誰がどのような時にどんな不を抱えているのかを捉える
2.期待する事業規模に相応しい大きさの不であるかを確認する
3.その不が生じている理由を分析する
4.その不が解消されていない社会的な背景・慣習を探る
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本書のタイトル「社内起業」は
社内で新たな事業を生み出す、
つまり、新規事業開発のこと。
本日ご紹介する本は、
事業創出の考え方から
実際の取り組み方までを紹介した1冊。
ポイントは
「不」
新規事業の企画とは、
ひとことで言えば「不」の解消方法を考えること。
「不」は顧客の不便や不満や不安のこと。
顧客の抱えている「不」をキャッチアップし、
その「不」を解消する価値提供の対価によって、
自社の収益として成り立つところまでを
考える必要があります。
「不の掘り下げ」
事業立案前に「不」を掘り下げることが重要。
掘り下げ方は、国語、算数、理科、社会。
国語:誰が、どんな不を抱えているかを捉える
算数:期待する事業規模にふさわしい大きさの「不」かを確認する
理科:その「不」が生じている理由を分析する
社会:その「不」が解消されていない社会的な背景、習慣をさぐる
「バランス」
新規事業を進めるには
提供できる「価値」と、その壁を乗り越える「難易度」とのバランスが大事。
確認ポイントは
①世の中の大きな流れを踏まえているか
②市場の規模は十分か
③自社の強みは生かせそうか
「3C」
起案前に、起案に値するかの確認が必要。
確認ポイントは3C(市場、競合、自社)。
市場:不の存在、不の解消根拠
競合:競合製品では不は解消されない
自社:自社の経営資源の活用
外から持ち込まれる案件は脈絡なくやってくるので、
対応には相応のパワーを要します。
結果、持ち込み案件の成功率は低くなります。
外からの案件を待つのではなく、
常に自社で新しい事業を立案できると言うことが重要。
ぜひ、読んでみてください。
◆本から得た気づき◆
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自分の会社が世の中の役に立てることはないか。そのシンプルな問いかけが第一歩
「世の中のニーズ」「自分が実現したいこと」「会社の目指す方向性」この3つを満たすこと
世の中の「課題」を効率的に解決することが、企業の存在理由です。
多くの場合、事実情報には個人の仮説がくっついて意見となる
新規事業の場合、ベストな方法は、既存事業を起点にして考えること
新規事業に関しては、最初の段階でしっかり汗をかけているかが重要
事業計画書の目的は、経営判断や社内外に協力を依頼することにある
事業企画案は「承認」がゴールではなく、その事業が世に出て、持続的に収益を生み出すことが最終目的
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◆目次◆
●序章 会社員だからこそできる「起業」がある!
●第1章 新規事業の基礎知識
●第2章 新規事業担当者に求められるマインド
●第3章 新規事業の担当者になったらまずすべきこと
●第4章 新規事業をつくり出す その1どこへ「最初の一歩」を踏み出すか-検討範囲に当たりをつける
●第5章 新規事業をつくり出す その2見つけた領域に勝機はあるか-ビジネスチャンスを探す
●第6章 新規事業をつくり出す その3「アイデア」を「プラン」に仕立てる-事業のしくみをつくる
●第7章 新規事業をつくり出す その4 「プラン」を「計画」に落とし込む-事業計画書をまとめる
●第8章 事業企画案を社内でいかに通すか
●最終章 プロ・識者が語る企業内起業家の条件
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社内起業のお勉強。
メソッド①5W2H展開法
既存事業を5W2Hで定義し軸を一つ変えてみる
①Who(誰に・誰が・誰と)
・(誰に)購買者
・(誰が)利用者
・(誰と)取引先、協業先
②What(何を・何で)
・(何を)売る製品・サービス、販売名目、製品属性
・(何で)材料
③Where(どこで)
・エリア、販路、売り場、業界、領域、○○市場
④When(いつ・どの段階)
・(いつ)需要期、売れる時間、使う時間
・(どの段階)バリューチェーン
⑤How(どうやって・どんな)
・(どうやって)販売方法、製造方法、仕入れ方法、デリバリー方法
・(どんな)業態、ビジネスモデル、協業方法
⑥HowMuch(いくらで・どうやって)
・(いくらで)価格
・(どうやって)課金方法、料金体系、費用名目
⑦Why(なぜ)
・顧客が買う理由、顧客に提供する価値、競争優位の武器
メソッド②5W2H×4象限マトリックス
「箱」ではなく間を分かつ「線(壁)」に着目する
→「壁」の向こうで事業を行ってこなかった理由は必ずある。
越える価値のある「壁」を探す
メソッド③9マトリックス法
①浸み出し型
◎既存事業の体制内で事業化を検討できるもの
・既存事業へのマイナス影響:小
・リスク:小
・成功確率:高
②跳び出し型
◎既存事業の体制内では検討が難しいもの
・リスク大
・成功確率:低
検討を進める前に確認したい3つのポイント
①世の中の流れを踏まえているか
②市場の規模は十分か
③自社の「強み」は活かせそうか
ビジネスチャンスを探すステップ
①誰が、どのような時に、どんな「不」を抱えているのかを捉える
②期待する事業規模に相応しい大きさの「不」であるかを確認する
③その「不」が生じている理由を分析する
④その「不」が解消されていない社会的な背景・慣習を探る
プランの魅力を高めるための3つのポイント
①事業の成否を握る肝は何か
②どこで汗をかくか
③自社にとって「何への挑戦なのか」を見極める
新規事業で考えられるリスク
①市場に関するリスク(市場の将来的な変化を予測しきれないリスク)
②営業に関するリスク(意図したように売れないリスク)
③競合に関するリスク(競合の動きが読みきれないリスク)
④ヒトに関するリスク(採用、育成、退職など、計画どおりにいかないリスク)
⑤モノに関するリスク(仕入れ、生産スピード、品質などが意図どおりにいかないリスク)
⑥カネに関するリスク(資金調達や金利・為替が想定どおりにいかないリスク)
⑦協業者に関するリスク(取引先が意図どおりにならないリスク)
⑧社会的責任に関するリスク(社会的責任を負うリスクや撤退しにくくなるリスク)
新規事業の事業企画書―盛り込むべき要素
1.事業案の内容
①何をするのか
・できるだけシンプルに
・「○○領域で××を対象にした△△業を行う」と言い表せれば、ドメインとビジネスモデルが明確に伝わる
②どうやるのか
・戦略(STP、競争戦略、事業の肝)
・戦術(5W2H)
・オペレーション(どこで汗をかくか)
③期待する成果
・ビジョン
・マーケティング目標
・財務目標
④必要な投資
2.判断するための材料
①事業の意義
・社会目線(「不」の解消)
・顧客目線(価値提供)
・自社目線(収益獲得や市場開拓など)
②起案の背景
・この事業を取り組むべき理由について3Cに分けて記述する
「市場」…「不」の存在、「不」の存在理由・背景、新規事業によって「不」が解消されること
「競合」…競合製品や代替品、既存のしくみでは「不」を解消できておらず、この新規事業には優位性があること
「自社」…自社の継続的な成長には新たな挑戦が必要であること、自社の経営資源を活用すれば成功できる可能性があること
3.経営判断してもらいたいこと(協力してほしいこと)
①事業化の是非
②経営資源の投資の是非(ヒト、モノ、カネ)
③事業化着手の是非(開発、社外提携交渉、社内外広報など)
④事業化に向けた体制(責任者、組織、人員体制など)
⑤今後の進め方(スケジュール、経営判断するボードメンバー、社内協力体制)
経営者が「判断しやすい」構成とは
1.市場の状況
2.わが社の課題
3.企画趣旨
4.企画概要
5.事業計画
6.決済依頼事項
1.何をするのか
(1)事業概要
2.なぜやるのか
(1)企画趣旨・背景(「不」の存在)
(2)期待できる成果(世の中にとって、顧客にとって、会社にとって)
3.儲かりそうか
(1)市場の大きさ、「不」の発生理由・背景・解消方法
(2)誰から何への対価を得るか
4.勝てそうか
(1)自社の強みと競争優位のポイント
(2)戦略
(3)戦術
(4)オペレーション
5.できそうか
(1)必要な投資
(2)実行計画
(3)リスク分析
事業化承認の際に握っておくべきこと
①何のために、何に挑戦するのか
②どんな指標で事業の進捗を管理するのか
③その後の経営判断の時期と方法
④撤退基準は事前に決めておく -
独自のフレームワークを記載しており、オリジナリティが感じられる一冊。通し方というプロセスの知識も目新しい。