教養としての近現代美術史

著者 :
  • 自由国民社
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784426125622

作品紹介・あらすじ

いまや「美術史」はビジネスパーソンの必須教養!

西洋美術史の流れがわかれば、「世界」の動きと
「これからの時代」を読むセンスが身につく!
仕事に使える示唆に富んだキーワードが満載の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 以前ドキュメンタリー映画で初めて出会った絵画、ジャコモ・バッラ「鎖につながれた犬のダイナミズム」。
    犬の足の動きと、女性の足元でスカートのフリルの揺れる動きが呼応して、まるで犬の吐息や衣擦れの音が聞こえてきそうな絵でとても惹かれた。好きになった。

    後に調べるとその絵は未来派という括りに属するということを知った。
    でも未来派の詳細は知らず、その絵を好きで居続けた。

    今回この本を読んで(全ては読んでないけど)未来派とはどういう思想でどういうことを表現していたか初めて知って本当に衝撃を受けた。
    「速度の美」に着目して、男性優位的な思想と男性的なモチーフを好み、女性蔑視を賛美していたなんて!
    好きだった絵を見る目が変わった。でもネットで調べるとバッラは「他の未来派とは違って、機械や暴力的な要素からは距離を置いた作風が特徴」とも書いてある。
    もっとバッラのことを詳しく知りたい。

    知ると知らないとではこんなにも絵の見え方が変わってくるなんて、知らないって怖いとそれからずっと考えている。

  • 2022.11.18 ボリューム満点で、消化しきれませんが、とりあえず最初から最後まで読みました。

  • 近現代美術についての理解が深まる1冊。

    時代について大まかな流れを説明したあとで、芸術集団、画家などの分野ごとにも細かく解説があり、わかりやすい。

    キーワードとなる単語や文章が太文字になっているという点も大事な部分が分かりやすく、メリハリがある。

    画像がもう少し沢山あるといいなと個人的に思ったが、よりすぐりのものが載せられていたのではないかと思う。

  • ●タイトル通りざっくりと近現代の美術動向を語った一冊。

  • 印象派から現代に至るまでの、アート界の大きな流れがわかる良書。
    ネット検索と行き来しながらだったので、もう少し作品画像とか欲しかったかなぁと思うけれど、そうするとかなりの分厚さになってしまうからしょうがないか。

  • ロマン主義
    肉眼ではなく精神の眼で対象を見つめよ
    ジェリコー メデューズ号の筏
    ドラクロワ 民衆を導く自由の女神
    ターナー 難破船
    フリードリヒ 希望号の難破

    新古典主義
    対象を美化して描く
    アングル 裸婦像 グランド・オダリスク
    ダヴィッド ホラティウス兄弟の誓い ボナパルトのアルプス超え

    写実主義
    自分の目に見えたものを見たとおりに描く
    クールベ デスデモーナの殺害

    マネ 近代絵画の父 浮世絵の影響
    草上の昼食、オランピア
    絵画とは色彩を施された平坦な面 ←ルネサンスをご破産にする

    ドガ
    写真的なアングル
    階段を上がる踊り子、アブサントを飲む人

    バルビゾン派、フォンテーヌブロー派 パリから郊外へ 風景画
    ミレー 種蒔く人

    印象派 筆致分割
    モネ 印象・日の出 睡蓮 色面抽象絵画(カラーフィールド・ペインティング)の先駆け
    セザンヌ 自然を円錐と円筒と球体で扱うこと 幾何学的な抽象絵画の祖 キュビズムへの影響
    ルノワール 生命力、熱気や官能性

    新印象主義 点描画法
    スーラ グランドジャッド島の日曜日の午後
    シニャック シェルブール、ルール砦

    象徴主義
    総合主義 クロワゾニスム(仕切り主義) ジャポニズム 浮世絵の影響
    眼の周りを探して、脳髄の神秘な中心のあたりを探さない新印象主義へのアンチテーゼ
    ゴーギャン
    ゴッホ ひまわり 星月夜
    ギュスターブモロー
    ボナール

    イギリス ラファエル前派

    世紀末美術
    アールヌーボー、ユーゲント・スティル、モダイン・スタイル
    アーツ・アンド・クラフツ運動
    ウィリアム・モリス 近代デザインの父

    ムンク
    ロートレック
    クリムト

    20世紀美術

    ドイツ表現主義 ブリュッケ(橋)
    カンディンスキー コンポジション 青騎士
    マルク
    エゴン・シーレ
    キルヒナー

    フォービズム(フランス)
    マティス
    ルオー

    キュビズム
    ピカソ ゲルニカ
    ブラック
    レジェ
    ファングリス

    イタリアの未来派
    速度と運動をはらんだ造形
    ボッチョー二

    ロシア・アヴァンギャルド
    シュプレマティズム 
    マレーヴィチ
    リシツキー
    構成主義
    タトリン
    ロトチェンコ

    ダダイズム
    ビカビア
    マン・レイ
    デュシャン

    写実と象徴 から 具体と抽象へ
    デ・ステイル
    ドュースブルフ
    モンドリアン 抽象絵画の創出 →アメリカ抽象主義

    バウハウス
    グロピウス
    カンディンスキー
    パウル・クレー

    形而上絵画
    シュールレアリスム
    ジョルジュ・デ・キリコ
    エルンスト
    ダリ
    マグリット

    素朴派
    アンリ・ルソー

    ドイツ新即物主義

    エコール・ド・パリ
    モディリアーニ
    ユトリロ
    レオナール・フジタ
    シャガール

    シュルレアリスム
    オートマティズム 自動書記
    デペイズマン 次元転換
    フロッタージュ
    デカルコマニー
    モンタージュ エイゼンシュタイン
    イヴ・タンギー
    ジョアン・ミロ
    ダリ

    熱い抽象 アンフォルメル(フランス) ジャン・デュビュッフェ ミショー
    アール・ブリュット
    空間主義 フォンタナ

    アブストラクトエクスプレっしょニズム(抽象表現主義) アメリカ 幻想と抽象のミックス
    クレメント・グリーンバーグ←エルンスト
    オキーフ
    ホッパー
    ベン・シャーン
    ジャクソン・ポロック オール・オーヴァー(全面被覆)
    ロスコ
    デ・クーニング
    バーネット・ニューマン
    アド・ラインハート

    ポストペインタリーアブストラクション、フォーマリズム
    カラーフィールドペインティング
    モーリス・ルイス
    ハードエッジ系
    エルスワース・ケリー
    フランク・ステラ

    ネオダダ
    世俗的要素を積極的に表現に取り込む
    ジャスパー・ジョーンズ
    ロバート・ラウシェンバーグ コンバイン・ペインティング

    ポップアート
    アンディ・ウォーホール
    リキテンシュタイン アプロプリエーション・アート(流用技術)

    ジョージ・シーガル
    クレス・オルデンバーグ
    草間彌生


    ヌーボー・レアリズム
    イブ・クライン
    クリスト
    ヨーゼフ・ボイス 社会芸術
    セザール・バルダッチー二 圧縮 拡大 膨張
    ジャン・ティンゲリー 
    リチャード・ハミルトン
    ホックニー

    ミニマリズム プライマリーストラクチャー+リピート
    ドナルド・ジャッド
    ソル・ルウィット
    ロバート・モリス
    ダン・フレイヴィン
    カール・アンドレ

    アルテ・ポーヴェラ(イタリア) 貧しい芸術

    コンセプチュアルアート
    フルクサス
    アート・アンド・ランゲージ
    ソル・ルウィット
    ジョセフ・コスース 1つと3つの椅子
    ハンス・ハーケ ゲルマニア
    河原温

    新表現主義 ニューペインティング
    リヒター
    アンゼルム・キーファー
    ジュリアン・シュナーベル
    キースヘリング
    バスキア

    ポストモダン絵画
    大きな物語の終焉
    グローバリズム 多文化主義

    インスタレーション
    クルト・シュヴィッタース メルツ建築
    ボルタンスキー
    イリア&エミリア・カバコフ
    ウォルター・デ・マリア
    トニー・クラッグ
    パフォーマンス
    ギルバート&ジョージ
    マリーナ・アボラモヴィッチ
    ティノ・セーガル

    フランシス・ベーコン
    バンクシー

    シミュレーショニズム
    バーバラ・クルーガー
    シェリー・レヴィン ネオポップ
    マイク・ケリー
    ジェフ・クーンズ

    フェリックスゴンザレストーレス リレーショナルアート
    ダミアン・ハースト 死のシミュレーション

    写真・映像美術への拡張
    ブルース・ナウマン
    ナムジュン・パイク
    ビル・ヴィオラ
    マシュー・バーニー

    彫刻
    ブランクーシ
    ヘンリー・ムーア
    イサムノグチ
    アンソニー・カロ
    カルダー
    ジャン・ティンゲリー

    ランドアート
    リチャード・ロング
    ウォルター・デ・マリア ライトニングフィールド
    ロバート・スミッソン スパイラル・ジュッティ
    リチャード・セラ

    ジョージ・シーガル
    アントニー・ゴームリー

    ジェームズ・タレル 光




     

  • 印象派からはじまるため、近現代が理解しやすい。 やや文章が多めだが、平易な書き方なので、すぐ読める。 現代美術は10年単位で潮流がかわるため、その出自が訳が分からない。近代から読ませてくれる本書を読むことで現代アートもより理解しやすいかと。

  • まず350ページあって白黒とはいえ絵画が27枚も入っているこの本を仕上げた編集者と著者の努力は素晴らしい。

    意義深いのは、現代アートの部分で、クリスト、川俣正などの大物の画家の寸評だけでなく、インタビューしたときのことまで載せているため、すごく面白い。

    惜しいのは、もうちょっと絵画がないとなぁとおまうところだが、それでも文章がやたら上品で読後感が心地いい。

    こんな体験は初めてである。

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著者プロフィール

1948年福岡県戸畑市(現・北九州市戸畑区)生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。 1974年毎日新聞社に入社。社会部記者を経て、毎日新聞学芸部美術担当記者として勤務。2008年退職。毎日新聞退職後、美術ジャーナリストとして活動のかたわら、女子美術大学大学院、多摩美術大学、 早稲田大学で現代美術の非常勤講師を勤めた。美術評論家連盟会員。著書に、『教養としての近現代美術史』(2019年、自由国民社)。画集内評論に『中村宏画集 1953-1994タブロー機械』(1995年、美術出版社)等。展覧会図録評論に、『イヴ・ダナ彫刻作品展』(1991年、国際教育学院文化事業部)、『菊畑茂久馬-天へ、海へ』(1988年、徳島県立近代美術館)、『彫刻林間学校展』(2017年、東京芸大美術館/軽井沢メルシャン美術館)等。「美術手帖」「月刊ギャラリ-」等に展覧会月評を執筆。

「2022年 『同時代美術の見方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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