- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784422701264
作品紹介・あらすじ
20歳以上であれば誰もが100円から楽しめる日本の大衆娯楽競馬。明治日本の欧化政策とも深く結びついていたその歴史は忘れられ、主に軍馬育成の観点からあわせて論じられることの多かった日本競馬史を様々な史料を駆使しなら刷新する画期的な論考。とくに競馬興行主と陸軍との駆け引きや宮内省と陸軍の利権をめぐるせめぎあいなど、賭博が本質であるがゆえに詳しく論じられることのなかったリアルな物語を追体験できる書斎の競馬本。
感想・レビュー・書評
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競馬興行主と陸軍との駆け引きや宮内省と陸軍の利権をめぐるせめぎあいなど、賭博が本質であるがゆえに詳しく論じられることのなかったリアルな内情が書かれた本です。
戦後直後からどうなったのかも読みたかったです。 -
競馬は軍馬の改良を目的として始められた、というのはよく言われることだが、この大雑把な認識の解像度を上げて、細かく深掘りしていくような内容。ちなみに本当の日本競馬の起源としては、軍馬の改良ではなく欧化制作の一環としての意味合いが強かったとのこと。競馬場で海外からの来賓を迎えていたそう。鹿鳴館とおなじ理由である。
その他にも公営ギャンブルとしての競馬を世の中に位置付けていく過程も丁寧に追われている。言うまでもなく競馬は金がかかる。競馬場はとてつもなく大きいし、馬を育てるのも運営するのも金がかかる。そのリソースを獲得するには国が市民に賭博としての競馬をさせるしかないのだが、いかにしてその正統性を担保させるに至ったか、もよくわかる。
よく調べたなぁ、と感心はする。しかし、いかんせん固有名詞が多く、読み進めていくにも頭に入ってきにくいところがある。
ただ、資料的な意味ではまとまっていると思うので、その点は良い。 -
東2法経図・6F開架:788A/Su38k//K