近代日本の競馬: 大衆娯楽への道 (叢書パルマコン・ミクロス02)

著者 :
  • 創元社
2.83
  • (0)
  • (2)
  • (1)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 35
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422701264

作品紹介・あらすじ

20歳以上であれば誰もが100円から楽しめる日本の大衆娯楽競馬。明治日本の欧化政策とも深く結びついていたその歴史は忘れられ、主に軍馬育成の観点からあわせて論じられることの多かった日本競馬史を様々な史料を駆使しなら刷新する画期的な論考。とくに競馬興行主と陸軍との駆け引きや宮内省と陸軍の利権をめぐるせめぎあいなど、賭博が本質であるがゆえに詳しく論じられることのなかったリアルな物語を追体験できる書斎の競馬本。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「近代日本の競馬」 熱狂の裏にあった軍事的側面 朝日新聞書評から|好書好日
    https://book.asahi.com/article/14693613

    ◆国防利用との主導権争い[評]和田博文(東京女子大学 比較文化研究所長)
    <書評>『近代日本の競馬 大衆娯楽への道』杉本竜 著:東京新聞 TOKYO Web
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/199754?rct=book

    書籍詳細 - 近代日本の競馬 - 創元社
    https://www.sogensha.co.jp/productlist/detail?id=4379

  • 競馬興行主と陸軍との駆け引きや宮内省と陸軍の利権をめぐるせめぎあいなど、賭博が本質であるがゆえに詳しく論じられることのなかったリアルな内情が書かれた本です。
    戦後直後からどうなったのかも読みたかったです。

  • 競馬は軍馬の改良を目的として始められた、というのはよく言われることだが、この大雑把な認識の解像度を上げて、細かく深掘りしていくような内容。ちなみに本当の日本競馬の起源としては、軍馬の改良ではなく欧化制作の一環としての意味合いが強かったとのこと。競馬場で海外からの来賓を迎えていたそう。鹿鳴館とおなじ理由である。

    その他にも公営ギャンブルとしての競馬を世の中に位置付けていく過程も丁寧に追われている。言うまでもなく競馬は金がかかる。競馬場はとてつもなく大きいし、馬を育てるのも運営するのも金がかかる。そのリソースを獲得するには国が市民に賭博としての競馬をさせるしかないのだが、いかにしてその正統性を担保させるに至ったか、もよくわかる。

    よく調べたなぁ、と感心はする。しかし、いかんせん固有名詞が多く、読み進めていくにも頭に入ってきにくいところがある。
    ただ、資料的な意味ではまとまっていると思うので、その点は良い。

  • 東2法経図・6F開架:788A/Su38k//K

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1974年大阪府門真市生まれ。幼少より博物館や城跡に連れて行かれ歴史に興味を持つ。大阪府立四條畷高校を卒業後、博物館の学芸員を目指し関西大学文学部史学地理学科へ。その後、立命館大学大学院文学研究科に進学、日本近代史を専攻する。
2002年、北九州市立小倉城庭園博物館に嘱託学芸員として就職。陶磁器の魅力にどっぷりと浸かると共に小倉競馬に親しむ。2004年より桑名市博物館学芸員として奉職。幕末の桑名藩、刀工・村正、本多忠勝といった桑名ゆかりの研究フィールドと向き合う日々を送る。2017年、第11代桑名市博物館館長に就任。
著作として「軍馬と競馬」(菅豊編『人と動物の日本史3』所収、吉川弘文館、2009)、『近代日本の競馬』(創元社、2023)などがある。

「2023年 『これから学芸員をめざす人のために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

杉本竜の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×