- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784422400242
作品紹介・あらすじ
二度のピューリッツァー賞を受賞し、世界屈指の生物学者として知られる著者が、60年におよぶハーバード大学での教職生活から得た「科学の世界で成功するために知っておくべきこと」を記した20通の熱いメッセージ。生物学を志すに至った自伝的エピソードから研究分野の選び方や指導者との出会い、科学の不思議を愛することの大切さを懇切丁寧に説く。数学能力やIQの高さではない、幼い頃からの情熱こそが科学者への道を開く。
感想・レビュー・書評
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とても良い本でした。
・何よりも先に言っておきたいことがある。自分の選んだ道に踏みとどまり、できる限り先に進めということだ。世界はきみを必要としているーーそれも非常に、だ。p.1
・「勉強よりも情熱を優先させる」というとてもシンプルな原則だ。(中略)尽きない情熱に支えられて決断し、懸命に学んでいけば、失望することはけっしてないだろう。p.14
エウレカ(ひらめき)の瞬間を得るには、懸命に勉強しないといけない。そして集中することだ。ある著名な研究者がかつて私に話してくれたのだが、本物の科学者とは配偶者に研究とは無関係の話をしているときでも、研究テーマについて考えられる人のことだそうだ。p.27
・狙うべきはきみ自身が興味をもち、将来性がありそうで、世に認められた専門家たちがまだ派手に競い合っておらず、受賞者や科学アカデミー会員もほとんどいなくて、今までになされた研究がまだデータや数学モデルで埋め尽くされていないテーマだ。p.32
・科学では答えのひとつひとつが新たな質問を呼び覚ます。p.189
・研究する際には問題をできるだけ正確に定義し、場合によってはそれを解くために必要なパートナーを一人か二人選ぶこと。p.197
・成功する研究は数学的能力に依存しないものだ。理論の深い理解にも依存しない。重要な問題を選び、その解き方を見つけることに成功は大きくかかっている。p.200
・いいかい、いちばん大切なのはきみ独自の発見だ。もっと強い言い方をしよう。大切なのはそれだけだ。それが科学における金銀財宝だ。p.204
・想像力、空想、夢を見ることの意義と、また自分の専門については大家となるべく猛勉強する必要性も説いている。その両方があって、初めて独創的な仕事ができるのだろう。(訳者あとがき)
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生物学者E.O.ウィルソンが手紙形式で若い科学者へ二十通のメッセージを伝える。進むべき道、創造プロセス、科学者としての人生、理論と全体像、心理と倫理の5テーマに分けて、科学者としての進むべき道を指南している。先輩科学者として若い人達へ多くの提言を行っているが、最後に倫理面での記述が気になった。ミスに対する戒めを書いたものだが、科学者がミスをすることはあるようで、その際の対処の仕方でその後の人生が変わってしまう。日本でも割烹着姿で話題になった研究者がいたが、彼女がこの本を読んでいれば、あのような騒動は起きなかったかもしれない。
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著者はアリを専門とする生物学者で「生物多様性」の概念を広めた著名な人物です。若い科学者へ向けた20通のメッセージが手紙形式で語られています。
(一般担当/take)平成29年11月の特集「手紙」 -
面白かった。知の統合が21世紀に残された科学の重要課題なのかもな。
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★SIST読書マラソン2016推薦図書★
【所在・貸出状況を見る】
http://sistlb.sist.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&materialid=11500385
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開催期間10/27~12/7 (記録カードの提出締切12/14) -
アリの専門家である生物学者の著者。本書はその経験を生かして、これから科学者になろうと思っている人々への手紙のように書かれています。将来の科学者へ書かれた本ではありますが、著者の情熱は科学の道に進まない人でも人生について考えさせられると感じました。
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2015年4月に実施した学生選書企画で学生の皆さんによって選ばれ購入した本です。
通常の配架場所: 開架図書(3階)
請求記号: 407//W75 -
請求記号 460.7/W 75