ナンシー関 リターンズ Nancy Seki Returns

著者 :
  • 世界文化社
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本棚登録 : 97
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784418095032

感想・レビュー・書評

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  • いま読んでも抜群に斬新でおもしろく、露悪的なのにそこはかとない清潔感がある。このひとの文章に影響を受けたであろうコラムニストがいかに多いかがわかる気がする。

    存命でもまだ60前、きっと最高に冴えわたっていたに違いないと思うのに・・・残念でならないが、でもいまテレビに出てる人物はやはり当時に比べると小粒だし・・・ネット時代の到来の前にさっさと辞世されたのは、やってらんねぇ時代が来るということを見通していたのかな・・・などと想像している。

    「無意味な長所」とか「メガホンを持つにはある種の人格が必要」などもうほんとに賛同しすぎた。他にも残したい面白いフレーズたくさんあったが、全部丸写しの写経になりかねないので、これだけにとどめる。

  • ナンシー、ときどき無性に読みたくなるよ。ナンシーがハンコに彫った人も、鬼籍に入った方がふえたよ。

  • 2013.6.10市立図書館
    2002年に40歳で亡くなった消しゴム版画家にしてエッセイストの死後に編まれたアンソロジー。冒頭の初期の文章はフィクションのようだけれど、こんな根を詰める仕事をしていたら40歳で狂死してしまう、という筋書きを現実が後追いしたようでちょっと怖い。文章は短くばっさばっさと切る感じでなつかしい。こういうTVウォッチャーの存在はやはりかけがえがなかったと思う。

  • ナンシーさんなら今の芸能界をどんなふうに切り取り消しゴム版画にするだろう。時々想像しながらヤフートピックエンタメ欄を眺めている。取り上げているテレビ番組を見ていなくても読み手にすごく伝わってくるコラムの数々が大好きでした。

  • 謎の自伝付き。

    でも40で死ぬっていうのが今読むとなぁ…

    半分くらいしかタレントがわからないのが悔しい。

  • ナンシーさんの死後出版されたものなので、本当にナンシーさんが出版を望んで、かつ認めたものなのかどうかはわからないのですが・・・

    読んでみて、やっぱりナンシーさんは稀有な存在なのだなあと思いました。今更ながら、お亡くなりになったことが悔やまれます。

    ただこの本自体は、他のエッセイたちに比べて圧倒的に面白いということでもないように思いました。

  • 80年代の作品が多いので、正直言ってネタは古い。でも、それでも彼女のコラムは笑えるのである。忘れていることであっても、読めば思い出せる。そして笑える。何故かと言うと、ナンシー関が書いているからだ。

  • 幻の初期連載「彫っていく私」を含む、単行本初収録のコラム集。
    ナンシー関自叙伝「彫っていく私」の中では、40歳で死ぬ、というカルマを背負ったという設定。そして、彼女が虚血性心不全で亡くなったのは享年41歳、満39歳・・・。
    この本を読んでいると、なんだか消しゴムハンコ、彫りたくなってしまうのは、私だけでしょうか?

  • ナンシー関。2002年、39歳で逝去。

    覚えている人も少なくなっているだろうけど、有名人の似顔絵を消しゴム版画で作り、その人についてのコメントを書く人。そのコメントが傑作だった。目線がテレビ中毒な素人視聴者。当然、素人っぽい毒舌なんだけど、ギリギリの一線を越えているような、越えていないような・・・。その微妙なバランスがクセになる文章だった。

    さらにコメントを読み終えた後、消しゴム版画に添えられている一言の意味がさらに深まるという、2度おいしいコラムでもあった。

    そんなナンシー関の新刊。何で、この時期に?

    それはよくわからないけど、未発表原稿を集めた、統一性のない本。日記、テレビ雑感、歴史上の人物コラム、ニセ自伝と、発表媒体も発表時期もバラバラ。唯一の共通点は、この人がテレビをつけっ放しで、ゴロ寝しながら、考えていることなんだろうと、想像できること。

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著者プロフィール

1962-2002 青森県生まれ。法政大学中退。消しゴム版画家。雑誌のエッセイや対談でも活躍中。著書に『ナンシー関の顔面手帖94夏』『信仰の現場』『小耳にはさもう』ほか多数。

「2014年 『語りあかそう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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