本当の「頭のよさ」ってなんだろう?: 勉強と人生に役立つ、一生使える ものの考え方

著者 :
  • 誠文堂新光社
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感想 : 124
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784416619322

作品紹介・あらすじ

よく、「あの人は頭がいい」とか「自分は頭がよくないから」とか言いますよね。
その根拠はなんだろう?
きみは本当に頭がよくないんだろうか?

学校の授業さえきちんと受けていれば、「頭のよさ」は手に入るのだろうか? 
いえ、それだけでは、いじめや不登校など、人生におとずれる多様な困難に打ち勝つ「タフな頭」を鍛えることはできません。

「頭がいい」というのは、脳の「状態」なのです。
頭のいい人、よくない人というように、分けられているわけじゃない。
みんな、頭のはたらきのいい状態と、そうでない状態がある。
その「はたらきのいい状態」を増やしていけば、だれもがどんどん頭がよくなります。
頭がいい状態なら、目の前の問題を解くのはたやすいことです(勉強でも人生でも)。
頭のよさは、生きていく力、現実を変えていく力なのです。
それでは、「頭のいい」状態を増やしていくには、どうしたらいいのでしょうか?

学校にはなんのために行くの?
受験にはどう臨んだらいいの?
本はどう読めばいいの?
周りの人とはどうつきあえばいい?

この本では、さまざまな身近なテーマから、一生使えるものの考え方を身につけて、頭のよさを磨いていく方法を伝授します。

感想・レビュー・書評

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  • 恐らく中学生くらいを想定して書かれた本なので、噛み砕き方がすごい。素麺レベルですごい気づきがスルスル入ってくる…
    これ本当に斎藤先生の生徒の気分…素敵!

    「頭がいい」とは脳の状態がいいということ。
    頭のいい状態が増やせると、自分の力で幸せに生きていく力につながる。
    どうして勉強が必要なのか?
    どうして学校に行かなければならないのか?
    どうして受験が必要なのか?
    斎藤先生の答えがいちいちうなずける。
    すごい。
    仕事で中学生にこういった事を話す機会がたくさんあるので、良いアップデートになった!

    その他にも「好きな事」を増やして没頭していく利点や、常に上機嫌でいるコツ
    雑談のポイントなど、大人が欲している情報も盛り沢山!

    一番びっくりしたのは、斎藤先生は昔超不機嫌男だったって事。
    自分は能力があるからと、いつもムスッとして他人をズバズバと指摘するような対人関係を取ってきたらしい。しかしそれでは自分の世界が狭まっていっていることに気づいた…
    信じられない…斎藤先生といえば、絶えず穏やかな笑みを浮かべておられる仏のようなイメージしかないんですけど

    これからは更に「感じの良さ」が物を言う時代
    色々な事を吸収して、教養のある素敵な大人になりたいと強く思った!

  • まさか中高生向きとは

    しかしそれでも学ぶことは多かった。

    先を読む力ーサバイバル能力

    将来のことを考えるってー今の自分と将来の自分との間に道を作っていく「将来短いけど、人生長いからな。」

    自分で可能性を狭めちゃいけない

    知ー判断力
    仁ー誠意
    勇ー行動力

    知、仁、勇
    この三つが大切。
    人と話すことは記憶術として有効

    数学は物の考え方の整理術

    心の師は何人いたっていい。

    本を友達にしたら君は一生一人ぼっちじゃなくなる。

    アウトプットは頭の働きを良くする

    学校で勉強すること、教科書に書いてあることは
    感激のネタの宝庫

    (知ってることばかりといえば、そうだし
    通り過ぎた道だし、でも参考になります。)

    例えば「徒然草」兼好法師

    木登りの名人が高い木の枝を切っている
    上から降りてきて軒くらいの高さになった時
    「過ちすな、心して降りよ」
    これは何故?

    難しいところより、むしろこれは大丈夫だというようなところで失敗しやすいものだ。
    こんな話が沢山ある
    近所にいたら聞きにいきたいのでは?


    文脈力を鍛えるには、どうしたら〜

    積み重ねた努力には無駄がない。

    キリがありません。
    「本のところ」は
    このブクログの皆さんには
    言わずもがなばかりです。
    また小学、中学、高校生「?」には読んで欲しいものです。

    何故勉強するか
    何故嫌いな科目も勉強するか

    単純明快優しくて説かれている
    そこは斎藤先生だから。


  • 中高生向けなので簡潔に柔らかく優しく書いてくださってるので読みやすかったです。
    これは大人の方も読むべき本だと思いました。
    インプットとアウトプットが大事なこと、自分が何をすべきか分からない時はまずは勉強をする事
    知仁勇が大事になってくるという事
    頭の賢さはあっても、良い悪いの判断が出来ないとそれは賢さではないという事
    たくさん学ぶ事ができました!おすすめです。

  • 中高生ぐらいの子たち向けに書かれた本なんだろうけど、大人のわたしたちも唸らせることが結構ありました。そもそも頭って「よくなる」じゃなくて「よくする」ものなのかってところから。

    「学校に行く意味ってなに?」や「本とどうつきあうか?」などいろいろなものの見方をわかりやすく示してくれていて、少しでも今の自分の生活に疑問や不満をもってる中高生に読んでほしいなぁって思いました。ある章の中にあった、「人を不愉快にさせない」ことも「頭のよさ」というのが1番ささった。

    自分の機嫌くらい自分でとれるようにならなきゃだめだよね。

  • 本を読むことで自分の体験を増やしていく。頭の良さは人間が幸せになるために使うもの。自分の選択を後悔せず心のケリをつける。人を敵にまわさない。娘のために購入したけど親が読んでもとってもいい本でした。

  • 意識的に「上機嫌」であろうとすることが、自分のまわり変えていく。

    上機嫌とは、
    「気分のよしあしにかかわらず、つねに明るく、おだやかに人と接すること」。

    コツは「にもかかわらず上機嫌」であること。なるほどと胸におさまりました。

    嫌なことがあった時、齋藤先生のおすすめの「にもかかわらず上機嫌」という言葉をつぶやくようにしました。気持ちの切り替えができますよ!

  • 頭がいい=頭の働きがいい状態、どうすれば幸せになれるかを判断できる状態。これをキープしておくことが大切。

    ともすれば「頭がいい」=「学校の成績がよい」と単純に捉えがちな小学校高学年から高校生くらいに伝えたい内容。説明が分かりやすい。無駄にイライラを撒き散らすのではなく、賢く行動することの大切さ、意味を理解する手助けになると思う。

  • 齊藤氏の著作は、以前は沢山読んだが、
    今は、あまり読まなくなった。
    何というか、当たり障りのない「うまいこと」を、
    言うなと思うようになったからだ。

    〇〇とは、何か?〇〇は、〇〇です。なぜなら、△△です。
    こういう論理展開は、非常にわかりやすいが、
    何百冊読んでも、自分で問題意識を持つようにならないからだ。勉強する意味とは、どこまでいっても、問題意識を如何に作るかに他ならない。これは、決して他人から、教えられるものではなく、自分で勉強して、身につけることだ。

    なぜ勉強するんですか?
    馬鹿の一つの覚えのように質問する人がいる。
    この質問は、大人、子供関係なくしてしまうことが、日本の教育の根深さだと思う。
    まず、その質問する自体、全く意味がないことを、
    全くわかっていない。

    なぜ、このような質問をする人が、
    沢山いるんだろうか?これは日本の学校教育が、どうして始まったかから、解きほぐさないといけない。元々日本の公教育の原点は、国力を上げるために、強い兵士を作ることにあった。それだけ、当時の日本は危機的な状況だった。もう150年以上昔の事である。

    そんな昔の教育と今の学校教育、全然関係ないじゃないですかと思うかもしれないが、形を変えて連面と受け継がれている。昔は、兵士だったが、今は、サラリーマン、勤め人である。

    日本人で一番重要なことは、どこに所属しているからに他ならない。社会的に優位な所属先に、従属するために、日本の教育制度が出来上がっている。もうおわかりだと思うが、これが日本人の勉強する意味に他ならない。本当は、勉強する意味とは、問題意識を持つことだが、日本の教育は、以前も、今も、この点に関して、勉強する意味を構造的に身につかない仕組みになっている。だから、本当に勉強したいやつは、外国か、早い時期から、社会に出るしかなかった。
    学校教育、大学受験があまりにくだらないからである。

    日本人は、今も、昔も、よりよい所属先を求めて必死に勉強する。
    しかし、ここ数十年は、以前良かった所属先自体が、機能不全に陥っている。これが、少なくない日本人が、勉強をする意味あるんですか?という本質的な理由である。

    少し前なんて、勉強する意味あるですかといったら、鉄拳が飛んできた。それは、元々日本人自身は、勉強する意味なんて考えずに、所属先を重視するために、勉強してきたからである。今も、それは変わらない。ひたすらよくわからないことを暗記したり、難解極まりない英文を読まされたり、理解不能な数学の応用問題をやってきた理由だ。全ては、どこかに所属するためだ。

    そうじゃないと、たかがリストラされたり、
    会社が破産して、自殺することなどしない。
    誤解を恐れずに言えば、イジメでさえも。

    朝から晩まで、必死に、受験勉強のための勉強をする。しかし、これは、本当の勉強とは、あまり関係ない。役立たないとは、思わないが、勉強の本質から、ずれている。

    今は、たくさん受験勉強しても何も意味がないことを、みな知っている。以前と比べたら、全く見返りがないからだ。しかし、やらなければいけないシステムが日本にある。その先のゴールが崩壊しているにも関わらずである。

    完全に教育システムが機能していない。なのに、現場の教師は、教育をやらなければいけない。現在、教師自身が、どこか狂ってきているのは、日本の教育システムでは、本当の教育をすることが非常に難しく、教師自身が、システムの犠牲者になっているからだ。

    また日本の受験システムも、何か生きる上で大切な能力を上げたいという理由で構築されているわけではなく、トレーニング、つまりスポーツに近い。よって、努力してもサッカーが出来る人、出来ない人がいるように、いくら受験勉強しても出来ない人が出てくる。これは、決して、ダメなことではない、違うことをやればいいだけだから。スポーツが得意な人がいるように、受験勉強が得意な人もいる。
    そういう子は、難関大学と言われる所にいるが、不幸かな、大学では全く勉強しなくなる。なぜなら受験勉強と大学での勉強は、あまりに違うからだ。前者は、問いが必要なく、ただ処理するだけ。
    当然、処理能力が得意や奴が有利に働く。
    ただ、社会生活を営む上でこのような能力は、
    現代では、ますます役立たなくなっている。

    後者は、問い自身を考えなくてはいけない。
    日本の学生ほど、これが得意でない学生群は、
    いない。大学時代ほとんど勉強せずというか、
    できるわけがなく、専門教育も、そもそも、
    就職に有利かそうじゃないかで、決めたから、
    あまり興味ない。もちろん受験エリートは、
    すぐに就活対策に入る。問いは、
    いかに良い会社や機関に所属するかである。

    これで大量の問いを持たない学生が生まれ、
    大学に生き、問いをもたず過ごし、
    就活をして、大企業や官庁に所属する。
    この20年日本が、世界の変化に周回遅れになり、
    あらゆる分野で停滞している理由がここにある。
    日本式優秀な人材に問いを持った人が、
    絶望的に少ないからだ。これでは、競争に負ける。結果、日本は、グローバル競争に負けた。ただ、
    それを国民に知られないように、知られないように、マスコミ一同、大本営発表をしている。

    齊藤氏は、以上の事情は、百も承知だと思うが、
    近年の著作は、たいがい、当たり障りのない内容だ。以前は、割と過激なことを言うような、思想家のような方だったが、今、権力者に微妙に追随する世渡り上手な人という感じを私は受ける。

    こういう東京大法学部卒業という方が、
    頭のよさってなんだろう?みたいな本を出して、
    少なくない大衆が、好んで読む状況が、異様に他ならない。

  • 本当の頭の良さとは何か。
    ①社会的適応性(社会の中で、いかによく生きるか)の高さ。
    ②それは本質を捉える判断力、誠意・思いやりを持った行動、行動力、で作られる。
    ③判断力には先を見る力が必要。そのために勉強して、自分の中に「多様性の森」を育てる。
    ④「にもかかわらず上機嫌」気分の揺れを、人に見せるな。(本当に頭のいい人は、不機嫌を撒き散らさない)
    ⑤つらいときはやり過ごすことも必要。時が流れれば状況は変わる。
    ⑥他の生き方を柔軟に考えられるのが頭の良さ。
    ⑦切り替え力。

    ◇子育てで意識したいこと
    ・好きなこと、やりたいことはなるべくやらせてあげたい。熱中できるものを早いうちに作らせてあげたい。なるべく本人に決断させる。そのための情報提供をすることと、本人が決めたことの背中を押す子育てがしたい。見守る子育て。
    ・「勉強しなさい」って言わなくてもいいように、まずは自分が勉強するところを背中で見せる。「英語できる人」のイメージに自分がなることと、「英語できるのいいことだな」って思ってもらえるようにしたい。

    ◇生き方で大事にしたいこと
    考え方の柔軟性を鍛える。広い視野・心の余裕。ポジティブにとらえる勇気。具体的な行動というより、自分の意識づけとか、考え方の癖に目を向けた方がいいかも

  • 中高生向きに書かれた本のようだ。
    著者は中高生向けの講演活動をすることもあるらしく、語るような口調で分かりやすく書かれている。

    頭の良さ=頭がよく働く状態
    というのは、確かにそうだと思った。
    大人になると、自分の調子が良い時と悪い時がはっきりと分かるようになる。
    調子が良い時はよく集中できて、やるべきことも捗り、段取りもうまくいく。たしかに調子の良い時の私は頭がいいかもしれないなぁ。
    私は大人だから、この本に書いてあることは大体納得したし、理解できた。
    しかし、中高生の時に読んだら半分も理解できなかった、受け入れられなかっただろう。
    恥ずかしながら、形だけ理解したふりをする子どもだったなと思う。

    齋藤孝先生は、私が卒業した大学の教授であり(学部は違うため授業ではご縁がなかったが)、私が大学に入学した時の入学生向け講演もなさっていた。
    その時はスラムダンクの話を混ぜながら話していた。聞く人がどんな人かを想定して、聞き手を飽きさせない話し方を心がけておられたんだろう。
    それがもう20年くらい前か。
    20年もの間、ベストセラーを多数執筆し、メディアからも引っ張りだこの大人の話なら、中高生も聞く耳持ってくれるのかな。

    この本の中で私が胸を打たれたのは、自死することはとてつもない親不孝であるということ。人は与えられた命を生き抜かなければならないということ。
    本当にその通りで、これだけ日本語に長けた人でも、このことについては、理屈ではなくストレートな言葉で伝えるしかないんだと思った。
    身近な人を自死で亡くした人の悲しみは、図り知れない。
    この言葉が、この本を読んだ人、齋藤先生の講演を聞いた人の心に残り、一人でも多くの人が自分の命を生き抜くことを選んでほしいと思った。

    他方で、それは違うよね?と思ったことは、中高生に対して「敵、味方」どちらでもない「保留」の人間関係を多く作って、天気の話とか相手の好きなものの話とか(つまり、こちらの本心を見せずに当たり障りない話だけ)してなってところ。
    友達は少しいれば充分、そんなに多くの人に心を見せなくて良い、という考えが前提としてある。
    この話、大人にとってはまさにそうだ。でも、中高生にそれは無理だ。
    うちの親も、私が中学生の時、親が付き合ってほしくないと思う子達と私が友達関係になったら「友達なんて一人いれば充分!あんなの友達じゃない!」と全否定してきたものだった。
    それと同じくらい、中高生にとっては聞く耳持てない話だと思う(たしかに、人を安易に信用して犯罪に巻き込まれてしまいそうな中高生にはこの教えは当てはまるけど、この本の読者はそれとは違うのではないかと思う)。
    私が中高生の時、放課後いつまでも、何時間でも同級生と話していられた。話が尽きなかった楽しい思い出は、その後その子達と疎遠になってしまっても忘れない。もしあの時に戻れても、私は当たり障りない話なんてしない。自分の本心を隠して、保留のままでは、あの経験は絶対に得られなかった。
    人を信じて心の内を話すことで、傷付いたこともある。でも、傷つくことで、人の痛みがわかったり、その後の人間関係を考えるキッカケにもなった。決してマイナスなだけではなかった。中高生の時にそうやって人と接していた私も、現在は大人として節度を保って保留の人間関係を多く構築しているよ。中高生の時にそんな大人みたいなことしなくても、できるようになるもんだ。
    失敗から学ぶのではなく、最初から失敗しないようにしよう、という齋藤先生の教えは、「失敗したくない、世の中イージーに渡っていきたい」と思う冷めた若者には響くのだろうか…。
    人間関係については、理論、理屈だけで学べることではなくて、実際に経験してみないと上達しないのではないかと、私は思いました。

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著者プロフィール

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。教育学、身体論、コミュニケーション論を専門とする。2001年刊行の『声に出して読みたい日本語』が、シリーズ260万部のベストセラーとなる。その他著書に、『質問力』『段取り力』『コメント力』『齋藤孝の速読塾』『齋藤孝の企画塾』『やる気も成績も必ず上がる家庭勉強法』『恥をかかないスピーチ力』『思考を鍛えるメモ力』『超速読力』『頭がよくなる! 要約力』『新聞力』『こども「学問のすすめ」』『定義』等がある。

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