子どもの敏感さに困ったら読む本: 児童精神科医が教えるHSCとの関わり方

著者 :
  • 誠文堂新光社
3.75
  • (13)
  • (16)
  • (15)
  • (2)
  • (2)
本棚登録 : 248
感想 : 14
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784416517888

作品紹介・あらすじ

テレビ、ツイッターで話題!
この本を読めば、敏感さ(HSP/HSC)がわかる!

□すぐにびっくりする
□いつもと違う臭いに気づく
□興奮したあとはなかなか寝つけない
□たくさんのことを質問する
□服がぬれたり、砂がついたりすると、着替えたがる
□うるさい場所を嫌がる

……もしも1つでも当てはまるのなら、その子は「敏感すぎる」子どもかもしれない。

「なんだかママが悲しそう」、「あの人は嘘を言っている」……。
感受性が鋭く、ほかの子が気づかないことを察して1人で気をもんでしまう「敏感すぎる」子どもたちがいる。

5人に1人といわれる敏感気質=HSP(Highly Sensitive Person)。

HSPの子ども版であるHSC(Highly Sensitive Child)は、小さなことを気にして傷ついてしまったり、
ほかの子どもが難なくやってのけることに抵抗を感じてできなかったり、友達ができなかったり、
ふだんはおどおどしているくせに、ふとしたときに大人がぎょっとするような鋭いことを言ったり。
大人や周囲の子どもたちから「ちょっと変わってる」と思われている、
あるいは、それを隠そうとして「いい子」を演じている子どももいる。

でもその敏感さは、その子が弱いのではなく、わがままなのでもなく、生まれ持った気質なのです。

HSPの子どもたちは、理解のない大人から「扱いにくい」「育てにくい」と煙たがれることも多い。
そしてそういった大人のマイナス感情は、まだ自我の弱い鋭敏な子どもたちの心の中にどんどん入り込み、
自分は面倒な子、ダメな子、と自らを否定し続け、やがて問題をかかえた「生きづらい大人」として成長してしまうのだ。
不安障害や愛着障害、解離性障害など精神疾患を併発してしまうこともある。

一方、HSCの豊かな感受性や直感力は、上手に伸ばせば芸術性の高い仕事やクリエイティブな仕事、
人の繊細な心を扱う仕事、根気のいる研究の仕事など、世の中に貢献する大きな才能につながるケースが多いのも事実。
HSPは生まれつきなのだから、神経質で、敏感すぎるのも生まれつき。
敏感さを克服させるのではなく、長所としてとらえ、ありのままの個性を伸び伸びと生かしてあげることが、じつは大切なのだ。

母親か父親、学校であれば1人の先生でも、HSPの子どもを理解してあげられれば、子どもは救われるのです。

本書は、HSP/HSCの臨床医としての豊富な経験をもつ著者が、
敏感な子どもたちのさまざまな特徴や傾向を解説し、敏感気質を才能として輝かせる方法を紹介していく。

本書の一部をWEBマガジン「よみもの.com」にて無料公開中!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 花火の音を怖がるという友人の子供の悩みをきっかけに手に取った本です。
    周りにもいるし、自分自身にも当てはまる部分もあることに気づき、HSPを知る入口としてはとてもわかりやすかったと思います。

  • 後半の部分が自分(HSP)の育ちと娘(HSC)の気質にぴったり当てはまったことが驚きと共に涙が溢れて止まりませんでした。
    HSPじゃない方には理解しにくいのかな…
    でも、こういうことなんです。

  • 感覚過敏というものがかつて考えられていた以上に深刻であり、大変なダメージや生きにくさに繋がるのだということが明らかになるにつれ、感覚に関する情報も増え書籍も多く出版されるようになった。

    本書は"数少ないHSPの臨床医(著者紹介より)"である児童精神科医だそうで、「生まれつき敏感すぎる」子どもや大人の診断治療を行っているとのこと。

    わざわざHSP(HSC:HSPを持つ子どもの意!という"診断名(正式な医学的診断名なのかこれ?)"、というか概念を編み出したのはアメリカの心理学者だそうだけれども、これを独立した疾患のように扱わないといけない理由はいまひとつわからない。
    読んでいくと「発達障害(神経発達症)との鑑別」みたいな話がよく出てくる。ざっくり言えば「過敏すぎるけど発達障害じゃない子どもや大人がいる」ということのよう(発達障害とHSPの"重複"についても触れられてるけど、本文中に「自閉スペクトラム症から来る敏感さとHSPから来る敏感さが合わさって」みたいら表現が出てくるのがよくわからない。どうやって区別すんのかな?)。

    最初の方はオーソドックスな精神医学の枠組みから大きく外れることはあまりなく、HSPとは/発達障害とほなんぞや、ふたつの状態はどう違うのか、といったことが書かれている。
    ところが途中から「精神世界」「超感覚」「霊感」「胎内記憶」みたいなタームが頻出するようになり、出てくる事例も「他者の感情を取り込んでしまう」「人の過去世が見える」「地震予知ができる」なんて記述ががががか

    感想で「精神医学の奥深さ」的なことをお書きの方がおられるけどこれ、全然精神医学じゃないです。オカルトの世界です。

    著者の先生はこれらの"超感覚"的なものをサヴァンや共感覚と同種のものだとお書きだけれども、それはいくらなんでも飛躍しすぎなのではないか。
    また「これは科学的ではないが、科学で解明されていないものはたくさんある」ともお書きで、医学の話からは逸脱していることにも自覚的ではおられるようだ。

    他にも愛着障害や親子カウンセリングについてなど、突っ込みたくなるところは満載なのだが頑張って読みましたよ。

    〈結論〉精神医学の範疇に入る内容に関しては比較的オーソドックスな記述になっています(なので☆2)。
    が、精神医学や発達障害児者の感覚過敏についてであれば網羅的かつ現実的、臨床的により役立つ書籍はいくらでもあると思います。「私は人よりすごく感性が鋭いし霊感もあるし予知もできるし、人の感情が読めてしまう。共感性がありすぎるくらいあるのに感覚過敏だからと自閉スペクトラム症と言われた()」といった状況でASDを否定したい方は読むといいと思います。きっと勇気づけてくれるでしょう。

  • 敏感っ子には、より良い環境を与え、人とのマッチングも大切であることを改めて感じた。
    また負の感情をきちんと吐き出させる。敏感っ子は理解されることを求めているので、こちらも共感することを大切にする。
    芸術肌の子が多いと言うのも納得ができる。

  • ◆子どもの敏感さに困ったら読む本ー児童精神科医が教えるHSCとの関わり方ー 長沼睦雄
    2/3読了 ということにしておく 実践例はちゃんと読めていない
    HSP・HSCという言葉を知ったのは半年以上前。
    それから教育実習もあって、人間の様々な特徴についてもっと知るべきだなと思っていた。自分のことも含めて。
    私はこの本を読んで悲しくなったけど気づけてよかったことがたくさんあった。
    それは自分をはじめて客観的に見れたからだとなんとなく思っていて、過去は変えられないけど目の前の様々な子どもと向き合うことが、過去の自分に向き合って救ってあげる(浄化に近い)ことにもなるかも、と思えたからだと思う。
    この本で取り上げられてる「子育て」と教育は異なる営みだけど、
    過去にさかのぼって人生をやり直すことはできなくても、
    「子育てを通じて、自分の過去の心の傷や痛みに向き合い、自己主張できなかった自分の弱さを認め、許し、受け入れる機会が与えられていると考えてみるのもいいと思います。」
    この言葉は私に、私は子どもたちに教え、子どもたちを育てていく中で、自分の過去と向き合ってもいいんだろうか、とメモさせるくらいの威力がありました笑
    私は自分の進んでる方向が自分にあってるのか分からなくなることが多いけど、そんな自分に少しだけ希望を与えてくれる本だった。

  • いくつかの悩みや不思議が理解できたような気がしました。

  • 子供の頃は生きづらさを言葉で説明するのは難しい。如何に大人が気づき生育でサポートするかでその後の生きやすさに違いがでる。
    敏感さを敏感力、繊細力のポジティブなそのこの特性として捉えるか

  • プレーパークに置いてあった本。
    HSCについては、Twitterでもっともに思える発言も、胡散臭く思える発言も飛び交っていたことがあり、フーン、と思っていた。

    でもまあ実際に、診断名は付かないけど、他の子にとって何でもないことが気になってしまう、辛く感じてしまう、そうせずにはいられない子たちがいるのだ。
    うちの子3人や他の子供を見ていると、いわゆる普通の子、欠けたところがなく丸い子、っていうのは幻想でしかないんじゃないかな、と最近思う。

    変えるべきは子供自身ではなく、こちらの対応や環境。ハードルを下げたり、変化球を投げたり、いつもと同じを確保したり、臨機応変に柔軟に。気持ちを溜め込まないで済むように。そんなことを再確認した。

    p198のHSCを育てるための13か条 は写真にとってアーカイブした。

  • 自分が子供の頃とだぶることが多々あった
    そして娘もHSCというのがわかった。
    凸凹をなくすのではなく、凸を伸ばそうというのをまずやってみようと思いました。

  • HSP・HSCについてNHKで取り上げられており、興味を抱いて本書をとった。科学的な説明でない部分もあるが、精神医学の難しさによるものだと感じた。子どもや学生、または他者の理解において、一読しておくと良いと感じた。

全14件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

山梨県甲府市生まれ。北海道立札幌肢体不自由児総合療育センター小児精神科医長。北海道大学医学部卒業後、脳外科研修を経て日本神経学会認定医の資格を取得し神経内科医として勤務。感覚運動障害に興味をもち研究しながら感覚統合療法セラピストの資格を取得。北海道大学大学院医学研究科生理系専攻博士課程にてシナプス生化学の基礎研究を終了後、障害児医療分野に転向。1993年以来、現職にあり、自閉症などの発達障害児者の診療を続けている。障害児者の高次脳機能障害と知覚特異性に興味をもっている。

「2006年 『自閉症者からの紹介状』 で使われていた紹介文から引用しています。」

長沼睦雄の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ショーン・タン
山崎 聡一郎
西 加奈子
恩田 陸
辻村 深月
三浦 しをん
西 加奈子
アンデシュ・ハン...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×