- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784416517734
作品紹介・あらすじ
閉店から5年、店主が日々心掛けていたことを振り返る『大坊珈琲店』の続編
2013年の12月に閉店するまでの38年間、自家焙煎とネルドリップというスタイルを変えずに、
一杯ずつ丁寧にコーヒーを作り続けた「大坊珈琲店」。
閉店から5年という月日が経ってもなお惜しむ声が絶えず、伝説の珈琲店としてその存在感は増している。
店主の大坊勝次は、いまでも自宅でコーヒーの焙煎を行い、知人に贈ったり、客人を招いたり、
イベントなどでコーヒーを淹れたりと、異なる形で珈琲屋であり続けている。
本書は大坊が大坊珈琲店の営みを振り返り、日々心掛けていたことを綴ったエッセイ集。
青山という場所柄、職種も年齢もさまざまな人々が集った大坊珈琲店が、一時の憩いの場所として、
なぜそんなにも愛されたのか?
本書に綴られた大坊の信念や迷い、美意識などから、その理由を探ってほしい。
感想・レビュー・書評
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最近流行りのサードウェーブもいいが、手廻しロースターで深入りにした珈琲もいい。
コクと甘みという点では右に出る珈琲はないだろう。
ありがたいことに、焙煎方法・抽出の心得まで書いてくれている。
今はなき大坊珈琲店の味を追い求めて……詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【コーヒー一杯分の硬貨だけで、ここの場所は平等な世界を作れる】(文中より引用)
38年にわたってお客様と向き合い続け、2013年に惜しまれながら閉店した大坊珈琲店。唯一無二のコーヒーと空間を創り上げた人物が、すれ違っていった人々コーヒーにまつわる思い出を振り返った一冊です。著者は、若い頃にはフリージャーナリストになりたかったと語る大坊勝次。
なんとも言えない芳醇さに満ちた作品。残念ながらお店に足を運んだことはないのですが、本書から漂ってきたのは「幽玄的」とも言える雰囲気でした。「珈琲道」というほど堅苦しいものではありませんが、著者の思念が丹念に詰まった贅沢な一冊です。
なんにもしない時間を作るようにしようと思いました☆5つ -
大坊さんのおだやかな語り口のエッセイでした。珈琲のことはもちろん、平野遼さんや塩崎貞夫さんの絵についてのお話が印象的でした。