はじめての短歌

  • 成美堂出版
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感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784415312934

感想・レビュー・書評

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  • 短歌という世界を全く知りませんでしたが、なかなかに面白いですね。とても勉強になりました。
    なにか、物事を違った形で捉えるというのが、とても新鮮に感じますし、また新たな視点を持つ感覚につながると感じました。

    普通に過ごしていると、景色にも目に行かない日々をおくっていますが、意識を持つことで、新たな美しさが目に見えるようになるのであれば、それはすごいことだと感じました。

    何度もでてくるキーワードが、「生きる」と,「生きのびる」の違い。現代は生きのびる方に向かって、皆が合意して進んでいるが、短歌の世界は「生きのびる」世界ではなく、「生きる」という不明瞭な世界であるということ。「生きのびる」ということが当たり前の現代において、歌人とか詩人とかいうことは、かなりNGだというのは面白かったです。


    ■まことさん、目に止まったらでコメント
    面白い世界だと感じました。
    紹介していただき、ありがとうございました。
    ブクログでは多くの人が、短歌やるんですね。
    みなさんの感想見て、そこにびっくりです。

    政治や経験やそのような尺度の外にあり、社会の網の目の外にあって、お金では変えないもの、なんてものの中に、美しさを見出せるのかが、ピンときていませんが、誰も知らない私の新たな一面として、短歌のことを学んでいきたいと思います。

    • ☆ベルガモット☆さん
      Manideさん、まことさん、こんばんは。お邪魔しまーす。
      「新たな視点を持つ感覚」「新たな美しさが目に見えるようになる」に激しく同意です...
      Manideさん、まことさん、こんばんは。お邪魔しまーす。
      「新たな視点を持つ感覚」「新たな美しさが目に見えるようになる」に激しく同意です。
      こちらの本は少し前に読了済、付箋だらけでまた復習したいと思います。
      「誰も知らない私の新たな一面」発見のため、Manideさんも短歌詠み仲間になってくれたら嬉しいです(*´▽`*)
      2023/09/24
    • まことさん
      Manideさん、ベルガモットさん、こんばんは♪

      そうですね。
      この本は、私も再読したばかりです。
      そして、昨日、家に遊びにきた友人に、お...
      Manideさん、ベルガモットさん、こんばんは♪

      そうですね。
      この本は、私も再読したばかりです。
      そして、昨日、家に遊びにきた友人に、お貸ししたばかりです。
      友人は、ブクログにも、私がやっているので、登録だけは、してくれています。
      短歌詠み仲間が増えると、嬉しいですよね!
      昨日も、友人を強引に短歌に誘ったばかりで、自制していましたが、Manideさんも、是非是非、仲間入りしてください!
      2023/09/24
    • Manideさん
      ベルガモットさん、まことさん、こんばんは〜(^^)

      コメントありがとうございます〜
      短歌を詠み仲間って、素敵ですね。
      仲間に入れてください...
      ベルガモットさん、まことさん、こんばんは〜(^^)

      コメントありがとうございます〜
      短歌を詠み仲間って、素敵ですね。
      仲間に入れてくださいね。

      まだ1冊しか読んでないですが、短歌をつくることよりも、世の中の常識に引っ張られることない視点を持って生きてることに、とても憧れています。

      2023/09/24
  • 非常に読みやすく、分かりやすい短歌入門書。

    本書は慶應丸の内シティキャンパス夕学プレミアム『agora』における講座「穂村弘さんと詠む【世界と<私>を考える短歌ワークショップ】をもとに、構成のうえ編集したもの。

    ビジネスパーソン向けの短歌講座ってことなのだろう。
    穂村さんの言葉の端々にも、社会人を見据えて話されているのだなと感じる記述が多い。
    ビジネスパーソンとは程遠い私は、この講座で社会人の息苦しさと窮屈さの端っこを想像してしまう。
    専業歌人になる前は会社に17年勤めておられたという穂村さん。
    聴講者に視線を向けつつ、短歌の世界、会社の中とは別の世界に、巧みに誘う。
    人々や私が、短歌を、文学を、芸術を必要とする理由みたいなものが、かなり明確に穂村さんによって言語化されていて、感動した。
    それらのものを愛するみなさんにとっても感じるものがあるかもしれない。
    いい短歌とそうでない短歌の違いも、分かりやすく、勉強になる。
    全編親しみやすい話し口調の文なので、思わず、穂村さんの中低音のお声を想像(妄想)しながら読んでしまって、ちょっと恥ずかしい。

    • 5552さん
      まことさん、こんばんは。
      おお、うれしい偶然です♪
      ほんとに、読みやすくてびっくりしました。
      この本を読んで短歌に目覚める方が増えそう...
      まことさん、こんばんは。
      おお、うれしい偶然です♪
      ほんとに、読みやすくてびっくりしました。
      この本を読んで短歌に目覚める方が増えそうですね。
      添削も改善例じゃなく、改悪例が載ってるのもいいです。
      レビュー、良いアイデアが浮かぶといいですね。


      2023/01/30
    • 本ぶらさん
      こんにちは。
      WBSで見て驚いたんですけど、短歌って今流行ってるんですってね。
      個人的には、詩才は全く無いんで(^^;
      とりあえず、流...
      こんにちは。
      WBSで見て驚いたんですけど、短歌って今流行ってるんですってね。
      個人的には、詩才は全く無いんで(^^;
      とりあえず、流行りに乗っててを出すのはやめておこうって感じなんですけど。
      ただ、七五調のあのリズムっていうのはいいですよね。
      詩才はともかく、あのリズム感だけは身につけたいです(^^)/
      2023/02/01
    • 5552さん
      本ぶらさん、おはようございます。
      何と、WBSでも特集されていたんですね。
      観たかったなあ。
      『情熱大陸』でも歌人の木下龍也さんという...
      本ぶらさん、おはようございます。
      何と、WBSでも特集されていたんですね。
      観たかったなあ。
      『情熱大陸』でも歌人の木下龍也さんという方が出演していたり、今期の朝ドラにも短歌を詠む登場人物が出てきたりと、盛り上がってる(盛り上げてる?)感ありますね〜
      私も詩才は全然ないのですが、短歌を詠んでいます。
      今は五文字や七文字の単語にハッとしてしまう日々です。笑
      五七調のリズムって日本人のDNAに心地好いものとして刻み込まれてるんですよ。きっと。
      2023/02/02
  • ブク友さんのレビューを読んで、手に取った1冊。

    この本は「はじめての短歌」というタイトルですが、「川柳とは五七五七七で詠むものでね…」というような川柳のルール・基礎知識は書かれていません。
    そのため、川柳の基礎知識がまず知りたいという方は、ひとまずこの本は置いておいて、他の川柳入門書をまず読まれた方がよいとおもいます。

    では主題はなにか?というと、サブタイトルの「いい短歌の正体とは。」の方。
    基本知識もあり、ちょっと短歌も詠みはじめてはみたけれど全然入選しない… 、いい短歌を作りたいけどコツがワカラナイ…という、短歌創作の壁にぶち当たっている方には、とても染みる内容だとおもいます。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    この本は2013年の短歌入門講座がもとになっているそうで、文章自体もとても読みやすく、くだけたものになっています。
    まるで穂村さんの短歌エッセイを読んでいるような…そんな気持ちになるほどです。

    主題の「いい短歌の正体とは。」をどう説明しているのか?というと、いい短歌とその横に改悪例を並べて者の違いがどこにあるのかを書く方法でした。
    これがとにかくわかりやすい。
    添削って普通は良い方向にするものですよね。
    それを、あえて改悪の方向に行くことで、もとの短歌の良さも実感できるし、さらには普通に短歌を作るとだいたい改悪例みたいになっちゃうけどどうしてなの?!ということまで知ることができます。

    例えば最初の短歌
    「空き巣でも入ったのかと思うほどわたしの部屋はそういう状態」(平岡あみ)(4ページ)
    いやもう、良い。良いですよね。
    うまく説明できないけど(笑)「そういう状態なんだねぇ…」とおもっちゃいます。

    では改悪例はというと、
    「空き巣でも入ったのかと思うほどわたしの部屋は散らかっている」(4ページ)

    「そういう状態」が「散らかっている」と具体的になつたのですが…「散らかっている」の方がより情景がわかる言葉のはずなのに、説明文みたいでなんだか気持ちが動かない…ですよね…なんででしょう??
    この違いを穂村さんが、わかりやすく解説してくれるのです。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    本書を読み終えてみて、社会に合った文章を倣えば習うほど、短歌の世界から離れた目線になってしまうんだな…としみじみおもいました。
    なぜなら、短歌では「(略)社会的に価値のあるもの、正しいもの、値段のつくもの、名前のあるもの、強いもの、大きいもの。これが全部、NGになる。」(43ページ)からです。

    でも普段暮らしているなかで、生きるためにしなくちゃいけない仕事や家事などって、どちらかというと短歌ではNGなことの方に、入っちゃいませんか??
    だから、それがNGになってしまう短歌の世界に足を踏み入れたとたん、「ヤダ、なんか短歌ってムズカシイ、詠めないよ〜(汗)」となってしまうのですよね。
    たって、普段鍛えている考え方が使えないのですから。
    こりゃキビシイ〜!

    だから「いい短歌」を詠むには、そこをまず意識して、その上で「社会的に価値のないもの、換金できないもの、名前のないもの、しょうもないもの、ヘンなもの、弱いもののほうがいい。」(43ページ)というところに目を向ける必要があります。
    別にそんなところになんて目を向けなくたって生きていける、そんなところを気にするなんて時間のムダ…そんな風におもう方もいるかもしれません。
    でも、この社会で「正しい」とされているもの「価値がある」とされているものの中でだけ生きていると、たしかに生活はできるけれども心が疲れて死んでいくような…そんな感覚になりませんか…?わたしだけかな…(汗)

    そんなときに短歌を詠んだり、詠めなくても読んだりすることは、がんじがらめになった心にほっとする場所を作ることと同じなんじゃないかな…と、おもいました。

  • 富士山を見て
    「完璧すぎて、なんかつまんねぇ景色だな。」

    と、言った太宰治の言葉に(はっ!)とした記憶がある。

    完璧だからこそ、人に認められるのに。
    完璧じゃなければ、『美』じゃなくなるのに。

    読者から投稿され、例としてあげられたいくつかの句は、
    どれも軸がずれていて面白かった。

    >あっ、今日は老人ホームに行く日なり
     支度して待つ迎えの車

    >たい焼きの縁のばりなど面白き
     もののある世を父は去りけり

    >ひも状のものが裂けたりするでしょう
     バナナのあれも食べている母

    くすくす。
    どの句も日常が色濃く出てるなぁ~

    この句らを、穂村さんは改悪例として<富士山>に変えて行く。

    すると、その正しくまともに整えられた句は
    たちまち生気を失ってしまうのだが、
    穂村さんはこれを
    「生きる」(投稿者の句)と「生きのびる」(改悪例の句)と例えてくれた事で、ぼんやり富士の謎が解けた様な気がした。

    読み進めてゆくと、
    大好きなせきしろさん、又吉さんの句も出てきたが、
    彼らの句は俳句であった。

    短歌のハウツー本のなかに俳句をとりあげる所も、型にはまってなくて(いいなー)と思った。
     

  • 様々な現代歌人の歌とその改悪例(!)を並べ、短歌とは何なのかを軽やかに述べていて面白かった。
    生きると生きのびるの違い。
    短歌を詠まなくても、そこは意識してありたいなぁ。

  • 穂村弘さんのことは「にょにょ日記…?」で知っていました。とても面白い本だったので…
    そして、この本を見つけて、短歌???と思い読んでみたら、とても面白い。一気読みしてしまいました。短時間で読めます。
    どんな人か詳しくは知らないけど、楽しく読ませてもらいました。
    何度か短歌を音読したり、声を出して笑ってしまったり、楽しい本でした。
    人によるかもしれないけど、私はとても好きです。こういう本。

  • ●生きる と 生きのびる を私たちは二重に生きている。
    ●いい短歌とは、生きることにはりつく短歌。

    ・公的な文書のようにわかりやすくはない言葉選び
     →0.5秒のコミュニケーションが発動する
     →一般的におかしいと思われるようなことこそ
      短歌では輝く
     →生きのびる言葉ではなく、生きる言葉
     →家がわからなくなったことに美しさを見出す
      ような感受性


    ・大事なことをわざと書かない
     →逆に目立つ
     →体温を手渡したいから書かない
    ・リズムを崩す
     →ガタガタの音数で嫌悪や絶望感を表す
    ・共感を狙ってもつまらない
     →一度驚異があってこその共感
    ・オノマトペ
     →妥当性は五感より上位の何かが判断する
     →いいオノマトペは心に上書きされる

  • 短歌書くのに参考になるかならないかといわれたらそうでもないけど読み物として面白い

  • いや、わかんないなって感覚と、わからないようでわかる感覚を行ったり来たり。おとうさんのうがい「おののののろ」がとても良かった。穂村さんが書くまで気づかなかったけど、ステテコ、私の浮かべた情景のなかにもあったもん。
    私は父がそうやってうがいするのを聞いたことがないし、子供を階段の途中で抱き上げたこともないし、老人ホームに行く日なりもないけど、ちゃんと思い浮かべてフフッとなる、これが短歌の良いとこなのかなあと思った。

  • 穂村弘さんの本が好きだから、自分で短歌を作ろうと思ったわけでも無いのに手に取ってしまった。『生きのびる』じゃなくて、『生きる』ことに根差した、極めて個人的なことを、五七五七七を意識して詠む。なんとなく素敵そうなことは、詠まない。短歌始めてみようかな。

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