経済学者の勉強術: いかに読み、いかに書くか

著者 :
  • 人文書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784409241233

作品紹介・あらすじ

好きな本を、好きな方法で読めばいい――。経済学史研究者にして書評家の著者が、自身の来歴をふまえて伝える読書と勉強のワザ。幅広い知識の吸収、語学力、古典の重要性を語るとともに、経済学史の新たなアプローチも示唆。清水幾太郎、菱山泉、伊東光晴などとの交流、経済学者の裏話も満載で、学問の「効用」が伝わる一冊。

プロローグ――清水幾太郎先生のこと
第一章 好きな著者に親しむ
第二章 古典をどう読むか
第三章 文章を書く
第四章 書評の仕事について
第五章 新しいアプローチを求めて
第六章 未来志向の学問を
エピローグ――再び読書について

「〔『知的生活』で〕ハマトンは、一日二時間の読書を推奨している。これは第一線で活躍するビジネスマンには厳しい要求だ。睡眠時間を削るのはメンタルヘルスに悪影響を及ぼすので、すすめられない。二時間は無理だろうから、せめて三〇分、できれば一時間の時間を作ってほしい。三〇分でも長年実践していれば、新書一冊くらいは読めるようになる。専門書でも三〇分で一章ほど読めるようになれば、遠からずその本は読み終わる。この経験を積み重ねていかねばならない。継続が大事である。毎日継続することはもちろん、読書が中断されてもならない。」(本書より)

感想・レビュー・書評

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  • ○英語と数学が得意。一度見たら忘れない。
    1.読む
    ○清水幾太郎
    ・論文の書き方 あだこ、本はどう読むか あこ
    ○漱石
    ・模倣と独立 あだ、私の個人主義 け
    ○シュンペーター
    ・経済分析の歴史 こ
    ○杉本栄一
    ・近代経済学の解明 あだ
    ○伊東光晴
    ・ケインズ 岩波新書 あだこ + ケインズ 吉川洋 あこ
    ・現代に生きるケインズ けあしだろ
    2.書く
    ○小林秀雄
    ・読書について けあし
    ○今井賢一
    ・資本主義のシステム間競争 だこ
    ○書評を書く
    ○語学
    ・英語原典で読む経済学史 https://webframe.hakusuisha.co.jp
    ○経済学はこう考える ちくまプリマー新書 あし
    ○スミス、リカード、マーシャルなどの著作はパブリック・ドメインに
    ○『砂糖の世界史』、徳川家康 松本清張 けあしだ(全集)
    (著作)來るべき経済学のために こ、ブックガイドシリーズ基本の30冊 経済学 だこ

  • 2019年7月8日図書館から借り出し。内容は濃くない。数時間で読み終えることができた。京都の人たちはあまり読んだことがないので、いろんな名前が出てきてもよくわからない。早稲田から京都の大学院に進むという珍しい経歴の人のようだが、自慢話満載で自己顕示欲むき出しの中身は、十代に挫折が多かったことの裏返しかなぁ。先ごろ読んだ「資本主義と闘った男」(佐々木実著)で知的興奮を覚えて、続けて手にとったが、遠く及ばない。

  • 経済学の勉強の仕方を自分の経験から解説
    大学の時に読みたかった 恩師の有り難さは同じ
    「知的誠実さ」 学者が尊敬される所以だが
    最近触れることが少ない気がする

    シュンペーターとケインズ
    著者はシュンペーターを本質的な経済発展論として高く評価しているが、問題意識はケインズにもあったと思う
    当時の世界不況の中で、即効性の経済政策が求められた
    それがケインズ政策だったと言うこと
    一般理論でもアニマルスピリットの重要性は強調されている

    シュンペーターの「動的発展論」イノベーション
    非連続的発展 馬車から鉄道へ ⇔小売業の発展Amazon
    cfベルクソン 分析と直観 これは面白い!
    ワルラスの静態 マルクスの動態に学んだ

  • 社会科学的なものの考え方や、
    清水幾太郎の横顔などが興味深い。

    経済史と経済学史にまつわる議論、
    すぐには役立たない学問を軽視する
    現代の風潮への批判など参考になった。

    タイトルはややミスリーディング。
    いわゆる勉強術としてはあまり参考にならない。
    著者も、そんなつもりでは書いていない。

  • 経済史学者が半ば自伝的に自身の勉強法(読書・執筆・書評・翻訳の各方面にわたりどのように学んできたのか)を語る。早熟であり大学入学以前から個人的に清水幾太郎の謦咳に接する,早大学部時代には助手採用の声がかけられながらも菱山泉に教わるために京大院に進む,修士課程に進むなり博士課程レベルの論文を書いてしまう,など型破りな天才(といってよいのだろう)。「好きな本を好きな方法で読めばよい」と言いながらも,専門分野についての深く幅広い知識,歴史をはじめとした一般的教養を求めるなど水準は高い。私は経済学については漠然とした理解しかないがこの本にはたいへん刺激を受けた。日本の同世代には博覧強記の知恵者があまりいないように思っていたがこの人はできる。

  • 同じ本をずっと読み続けるより別の本に移ったほうが良いとする資源分配の法則は経済的で参考になった。

  • 東2法経図・6F開架:330.7A/N62k//K

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著者プロフィール

1962年、宮崎県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、京都大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。現在、京都大学大学院経済学研究科教授。著作に、『今こそ読みたいガルブレイス』(集英社インターナショナル新書)、『英語原典で読むシュンペーター』(白水社)、『現代経済思想史講義』、『経済学者の勉強術』、『来るべき経済学のために』(橘木俊詔との共著)、『ブックガイド基本の30冊 経済学』(編著、以上四冊は人文書院)など多数。

「2021年 『16歳からの経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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