貧困大国ニッポンの課題: 格差、社会保障、教育

著者 :
  • 人文書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784409241059

作品紹介・あらすじ

日本の若者と高齢者の半数は既に貧困状態にあり、アベノミクスも息切れ。猛スピードで転げ落ちる日本社会の現状を経済学者の眼で冷徹に見つめ、具体的な処方箋を提示する、タチバナキ経済学のエッセンス。教育が賃金に及ぼす効果や、ベーシック・インカムは誰が支持しているのかを実証的に分析した論文を収録。

「本書の内容を簡単に要約すれば次のようになる。まず日本では貧困で苦しんでいるのは誰か、ということを明らかにした上で、なぜそれらの人が貧困に陥ったかを、社会学と経済学の視点から解釈を施した。さらに、社会に用意された諸制度の効果との関連を明らかにした。特に重点的に記述した分野は、家族の変容の効果、不況の下で支払い能力を低下させた企業の役割、年金、医療などの社会保障制度、人がどこまで受けられるかという教育制度、そして労使関係や最低賃金といった労働制度であった。…これらの諸制度は日本から貧困者を排除することに寄与するのであるから、どのような制度が望ましいのか、そしてそのような制度にするにはどのような政策を施せばよいかを論じたのである。」(あとがきより)

感想・レビュー・書評

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  • 364.1||Ta

  • 全体的に知識が無くても(または浅くても)読みやすい書籍だった。私は社会福祉を学んでいるので、福祉の側面から論じられた章はなるほどな、ああこう言う見方もあるのかと理解は出来たものの、全くノータッチである教育の分野は初めて知る部分もあり、もっと基本的な情報を知らなければならないという気持ちになった。また知識をつけ、読み直したい1冊である。

  • うーん、正直筆者の言いたいことと各章の論説が繋がらなくて、しっくりこない。
    また、こうした本の常なのかもしれないが、どうも書いてあることにリアリティが感じられない。
    教育支援NPOなどの現場の人が読んだらどう思うのだろう。
    と、何となく自分には合わなかった本。

  • 書いてあることが間違いだとは思わないが、読書のたのしみということになると、だいたいどっかで読んだような話というか、少々新鮮さに欠ける。

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著者プロフィール

京都女子大学客員教授,京都大学名誉教授
1943年兵庫県生まれ。
小樽商科大学,大阪大学大学院を経て,ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。京都大学教授,同志社大学教授を歴任。元日本経済学会会長。
専門は経済学,特に労働経済学。フランス,アメリカ,イギリス,ドイツで研究職・教育職に従事するとともに,日本銀行,経済産業省などで客員研究員を経験。
和文,英文,仏文の著書・論文が多数ある。
〔主要近著〕
『日本の構造:50の統計データで読む国のかたち』(講談社,2021年)
『教育格差の経済学:何が子どもの将来を決めるのか』(NHK出版,2020年)
『“フランスかぶれ”ニッポン』(藤原書店,2019年)
『日本の経済学史』(法律文化社,2019年)
『21世紀日本の格差』(岩波書店,2016年)
『フランス産エリートはなぜ凄いのか』(中央公論新社,2015年)

「2021年 『フランス経済学史教養講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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