ファントムの病棟 天久鷹央の推理カルテ 完全版 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408558455

作品紹介・あらすじ

毒の混入を訴えるトラック運転手。病室に天使がいる、と語る少年。摩訶不思議な事件の真相は? 書き下ろし掌編収録の完全版!

感想・レビュー・書評

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  • 破天荒かつ博覧強記の天才女医・天久鷹央と、彼女と同じ統括診断部で働く内科医見習い・小鳥遊優が不可解な事件に挑む、大人気メディカル・ミステリー。
    『推理カルテ』→『吸血鬼の原罪』の順に読み、本作『ファントムの病棟』へ。

    『推理カルテ』と同じく、3つのエピソードが楽しめる短編集。印象に残った話はやはり『天使の舞い降りる夜』だろうか。
    小児科に入院している少年たちの完治したと思われた症状が再発。その隣の病室に入院している別の少年は『天使を見た』と証言しており、この奇怪な問題に統括診断部が挑むというもの。
    ページ数的にも本作のメインとなる話で、普段は傍若無人な鷹央の意外な一面を知ることができた回だった。
    他の知念氏の作品と同じく、読み応えがありつつもスラリと一気読みできる読みやすい文体は言わずもがなで、ミステリ初心者にもオススメしたい。

  • 『天久鷹央の推理カルテ 完全版』。超越した医療知識を持ちながら、コミュニケーション能力に難があり、他人の気持ちを想像できない天久 鷹央の人間性が窺い知れる貴重なエピソードが収録された、シリーズ第2巻。

    前作と比較すると、医療絡みのミステリーばかりでテンポ良くハラハラドキドキしながら読み終えることが出来ました♫

    印象的なエピソードは、『Karte03 天使の舞い降りる夜』です❗いくら卓越した医療知識を持っていても、無力であることを知った鷹央は、これから1段上のステージの医師になると信じて続きのシリーズを追っていきたいと思います✨

    書き下ろし掌編の『ソフトボールと真鶴』は、哀しい話しの潤滑油となる笑いの絶えない話しでした♫

  • 本作のテーマは『大切な人を守るために犯した罪』といったところでしょうか。

    最終章「天使の舞い降りる夜」のラストでは、医師としての試練を乗り越えた鷹央先生の姿に号泣でした。

    アニメ化おめでとうございます!

  • シリーズになる物語の何処が良いのか!個人的には登場人物の個性が読めば読むほど医療・医学の事ではあるが身近に感じられ、微笑ましくもありイライラもするが、個性豊かな登場人物がどんどん好きになっていく!今までの物語の中でも特に著書では、愛着と言う言葉を強く感じ楽しめた。ストーリーに関しても日常ありえるような運転手さんの話しから、どうする事も出来ない命に関わる医学の核心のような物語を楽しむ事が出来た。どうしても金田一少年の事件簿を連想してしまう。また、アニメ化決定の見出しを見るたびに面白いだろうな!と妙に安心してしまう。次の作品も楽しみに読ませていただきたい。

  • 天久シリーズ二作目。
    今回の3部の犯人の心の優しさを感じる作品でしたね。医療の知識がないので、トリックというか種明かしの部分はそういう薬があるんだ、くらいの感想になってしまうのが、自分の知識の無さも含めて少し残念。知識のある方が読んだら全く違った感想なのだろうか。

    余談ですけが、最近自分の涙腺ポイントが他の人と違うなと思う事がよくある。今回は鷹央と健太のの絡みでなく、悪ガキ三人が健太の母親に謝罪して母親が涙ながらにそれを受けるというたった数行のシーンにやられた。マイノリティなのかな。

  • 医療的な謎解きが読み応えがあった。
    医療の世界を難しい感じではなく、とても読みやすく書かれていて他のシリーズも読みたくなる内容だった。

    また、患者の死との向き合い方など一般の人間からは想像もできない世界を感じることができた。

  • これは短編集。天久鷹央の驚異的な医療知識で今回も医療がらみの謎をバシバシと斬っていきます。気持ちよく読める一冊。

  • 今回は鷹央先生が自身のトラウマと向き合う回。
    小鳥先生が鷹央先生に寄り添って一緒に成長していく姿に感動した。子供たちの心が大人で、自分もこんな心を持てるようになりたいと思った。事件の結末もホッコリするもので、シリーズの中では感動作に仕上がっていると思う。真鶴先生のミニエピソードも可愛かった。

  • 空気の読めない、他人を思い遣れない天久鷹央が、大事な「友達」に見せた優しさに目頭が熱くなる。
    そしてそこに導く小鳥遊医師の熱意にも、心を揺さぶられる。
    多くの人に読んで欲しい一冊。

  • 天使や吸血鬼、と
    一見医療とは程遠いテーマに見えるけど
    最後はやっぱり医療ミステリでまとまる
    ストーリーは相変わらず安定
    安心して読める

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著者プロフィール

1978年沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。医師。2011年、第4回「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」を受賞し、12年、同作を改題した『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビューする。代表作に、「天久鷹央」シリーズがある。その他著書に、『ブラッドライン』『優しい死神の飼い方』『機械仕掛けの太陽』『祈りのカルテ』「放課後ミステリクラブ」シリーズ等がある。

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