- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408557885
作品紹介・あらすじ
女優、スリ、夫婦、ベルマン……騙しているのは誰だ?
100年の歴史あるホテル、最後の一夜に一気読み&二度読み必至!
伝統ある超高級ホテル「ヴィクトリアン・ホテル」は明日、100年の歴史にいったん幕を下ろす。特別な一夜を過ごす女優、スリ、作家、宣伝マン、老夫婦、そしてベルマン。それぞれの思惑が交錯したとき運命の歯車が軋み始め――ラスト30ページに特大の衝撃と深い感動が待つ、エンターテインメントを極めた長編ホテルミステリー!
感想・レビュー・書評
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プロットはとっても好きなタイプでした。
時代毎のトピックスをうまく融合させてたと
思います。
強いて言えばキャラ1人1人や、
サブキャラをもっとリンクさせて欲しかったかな。
長編の方が作品が生きた気がします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「女優、 スリ、夫婦、ベルマン…騙しているのは誰だ?」という紹介文と綺麗なホテルのイラストに惹かれて面白そう!と思った。
『マスカレードホテル』のようなミステリーを想像していたけど全く違っていた。
「いつ事件が起こるのかな?」と思っていたら、途中から「あれ?」と思うことが増えてきて、まんまと騙されていたことに気が付く。
考えさせられるメッセージが多かった。 -
100年の歴史あるホテル最後の一夜に仕掛けられた謎!騙しているのは誰?
これは帯見て面白そうってなるでしょ!
読んでて途中から年代や出来事がわざとらしく出てきて違和感があり、現代と過去と違うのかぁ?って分かりましたっが、それが最後の夜に集結、んで何?結局誰が騙してたの?
読みやすく、展開も早く、面白かったんですが、最後がごっちゃごっちゃで尻つぼみよう分からんかったです。
もう一度読めば分かるところ多々あるのかな?
でも読まんかな -
私にとっての下村敦作品11作品目!
そして、ブクログ登録900作品目になります!
下村作品の帯にはドンデン返しというか、読み手が罠に嵌められる事を示唆する言葉が描かれております。
ですので、私なりに警戒マックスで読んでました。
騙されたか看破したかは敢えて述べません!
さて、本作のテーマとも呼べる【優しさ】
誰にでも優しくする、できる範囲でやさしくする、自分の余裕のある範囲で優しくする、特定の人にだけ優しくする・・・
SNSやインフルエンサー達が跳梁跋扈する現代においては【優しさ】が赤の他人達から非難される場合があります・・・
自分が出来ない事やしない【良い行い】を非難する否定的な意見は自分が何者にかに成れるという勘違いと甘美を与えてくれる魅力的な物だと私は思います・・・
そんな言葉が誰かの優しさにブレーキを掛けてしまう可能性を考える必要がある事を改めて考えさせられました!
100年の歴史に一旦の幕を下ろすことになるヴィクトリアン・ホテル
特別な一日を過ごす女優、無計画な泥棒、文学賞を受賞した新人作家、お金をばら撒く企業の広告担当、多額の借金を負う老夫婦、そしてベルマン・・・
それぞれの思惑が交錯する時物語が生まれる!! -
下村敦史『ヴィクトリアン・ホテル』実業之日本社文庫。
翌日に100年の歴史に一旦幕を降ろそうとしている老舗の超高級ホテル『ヴィクトリアン・ホテル』を舞台にしたミステリアスな小説。
最初はどんなミステリーが描かれるのかとドキドキしながら読んでいたのだが、最後までミステリーは描かれることはなかった。
簡単に言ってしまうと、如何にして読者を騙すかということに特化した小説のようだ。ここまで来ると、ある種のあざとさを感じてしまうのは自分の心が汚れているせいなのか。
しかし、全てが丸く収まれば読者は満足すると思ったら大間違いだ。残酷な結末を求める読者も少なからず居るのだ。
様々な悩みや野望を心に秘めた登場人物たちが新築のために一時閉めようとしている老舗の超高級ホテルで特別な時間を過ごそうとしていた。
休業した女優の佐倉優美、困窮し、バイト先から金を持ち逃げした三木本貴志、文学賞を受賞した新人作家の高見光彦、大企業の宣伝マンの森沢祐一郎、知人に騙され借金を背負い、弁当屋を失った老夫婦の林志津子と敏行……
登場人物が出揃うと、少しずつ運命の糸で繋がっていく。
だが、しかし……後はじっくり読んでのお楽しみ。
本体価格780円
★★★★ -
「女優、スリ、作家、夫婦、ベルマン・・・騙しているのは誰?」の帯に惹かれ、衝動買い。
100年の歴史あるホテルの最後の夜に仕掛けられたミステリとのことなのに、読めども読めどもミステリの要素が出て来ない。
何となく設定が「マスカレードホテル」に似ているので、いろんな人の謎解きなのかと、どうしても思ってしまうのに、淡々とそれぞれのパートがランダムに描かれていく。
そして、後半になって気付く謎の正体。
それを書いてしまうとネタバレになってしまうので、ここでは書かないけど、この落ちは個人的にはないかなぁ、って感じ。
この作者さんはたまに読むけど、やっぱり思っていた展開にならないことが多く、読んでいる途中で「う~~~ん」となってしまう。
相性が悪いのかも。
「こう来たか!」と思える人も必ずいるはず。 -
?!??!!!??!!!!という感じ。すごかった。初めて紙に書いて整理してしまった。
あのパターンねと思ったけど、だとするとここはどうなの?え?ここも?こんなに?みたいな。何度読み返したことか。
善意のつもりでやったことでも批判はくる。批判する側も悪意があるわけではない。「こうしたらこういう批判がきた」というのが色々書かれていて、自分ではそんな発想にはならないけど、なるほどそう考える人もいるのか…と目から鱗。
ある批判を受け入れて方向性を変えてもまたそこで批判。全てを受け入れていたら何もできない。
この本の評価も様々だなぁ。 -
女優と作家とスリと…序盤からメモ必須かなと思いつつも読みやすいのでページが進む。
しかも想像していたより巧妙。
叙述トリック…だけどめちゃくちゃ複雑ってわけでもなくエンタメとして面白かった。
ページを巻き戻すことはあってもメモは必要ないくらいの仕掛けでサクッと読めてちょうどいい。
悩める女優
仲睦まじい夫婦
気配りが行き届いたベルマン
新人作家
敏腕プロデューサー
通りすがりのスリ
登場人物がみんな良い人で〝できすぎ君〟感は否めないけれど、物語に込められたメッセージを貫いていると思えばそれはそれで心地よい。
さらりと読めるけれども、大切なことは各所に散りばめられていて、現代を生きる私たちへの教えも多いにあるなと思う。
〝優しさ〟は人を救うのか否か…
年齢を重ねれば重ねる程にそれについては難しいことだと身に染みて感じる。
善意の押し売り。ありがた迷惑。自己満足。
善意が否定的に捉えられることは少なくない。
だけど、それによって救われる者がいることも間違いではない。
「あちら立てればこちらが立たぬ」
そう言うことを例え話として分かりやすく言葉にしてくれているので、若い人に読んでほしい一冊でもあるかな。
ーー他人に寛容を求めるのならまずは自分が寛容でありなさい。
最終的にはそう言うこと。
今年の7冊目 -
心温まる感じのお話です。
6〜7割までは全く感じ得ない違和感に気付いた瞬間が私としてはクライマックスでした~。
文体はとても読みやすいのでおすすめです。