総理の夫 First Gentleman 新版 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
3.98
  • (238)
  • (371)
  • (206)
  • (22)
  • (3)
本棚登録 : 3807
感想 : 273
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408556284

作品紹介・あらすじ

42で総理大臣に就任した妻と鳥類学者の夫の奮闘の日々を描いた、感動&痛快政界エンタメが装いも新たに登場! 解説/国谷裕子

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 日本初の女性総理大臣の夫である日和の視点で書かれた日記という体裁の本。最初の方は政治にも社会にも関心を持たない優柔不断のような日和にイライラさせられた。総理の妻の凛子に隠すかのように、ワナに引っ掛かったことも呆れてしまう。
    直接当たった相手が良い人であったことで好転し始めて、やっと面白くなってきた。凛子にも全てを打ち明けられたし、ワナを乗り切ったことで総理の再選も果たせたと思う。
    理想を掲げ、政治に邁進する凛子だったが、予想外の妊娠で公約に反する決断。そこからの怒涛の展開。最後は落ち着くところに落ち着いた感じ。
    2013年に書かれた作品だが、政治の状況は変わらず、逆に悪化しているように思う。このような政治家が(男女を問わず)出てくることを強く思ってしまった。

  • 奥さんが、総理大臣になった旦那の日記形式で話は進む。
    女性初の総理大臣!
    これが、作者原田さんの理想の総理像みたい。
    確かに国民に痛みを与えてしまう政策やけど、沈んでしまう国を心底思い、きっちりと伝えれば、通じるかもしれんな。
    (スピーチライターには、あの御仁が!)
    そんな総理大臣、今までおらんし。

    現実は…
    人の話聞くとか言って、聞くだけやったり…
    異次元の!って言っても、ホンマに何するか分からんという意味での異次元って気もしてきたし…

    心地よい言葉だけでは、そろそろアカンのとちゃうか?
    別に男性でも、女性でもええので、国を心底思い、それをきっちりとみんなに伝える!それを実践!
    まぁ、普通と言えば普通な気もするけど、魑魅魍魎が蔓延る永田町には、おらんのか…
    頑張れ〜総理!
    頑張れ〜夫!

  • 痛快!
    近未来の日本、時代の要請により誕生する女性総理とその夫の奮闘記。

    コロナ禍でリーダーシップを発揮しているのは女性のリーダーだと、最近読んだ「新型コロナの科学」にあった。

    ウイルスが猛威を振るうのは、反リベラル、ポピュリズムの指導者の国。例えばアメリカのトランプ、ブラジルのボルソナーロ、ロシアのプーチン、イギリスのジョンソン。彼らは、「力強い」男性であり、コロナ対策で明らかに失敗した。

    反対に、女性のリーダー達、ニュージーランドのアーダーン首相、ドイツのメルケル首相、台湾の蔡英文総統、フィンランドのマリン首相、アイスランドのヤコブストッティル首相は成功した。韓国のコロナ対応も、その基本を作ったのはMERS流行時(2015年)の朴槿恵大統領であったとのこと。
    そして、小池都知事。

    そろそろ、男性のリーダーは時代に合わなくなってきていることの証左なのでは、僕は思っている。

    現実にも、女性総理が誕生してほしい。ぜひ。

  • 相馬凛子、第111代総理大臣。
    女性。42歳。

    史上初の女性総理が誕生した。
    ということは!?

    ファーストレディならぬ、史上初のファーストジェントルマンとして妻を支える日和の日記から構成される物語。


    政策が分かりやすく、国民から人気のある総理。しかし、その総理を利用しようとする黒幕。
    総理の夫に仕掛けられる罠。

    しかし日和くんの総理、、、である前に自分の愛する妻である凛子を守ろうという姿勢がとても温かい(^-^)

    題名から想像した物語とは随分かけ離れていたが、終盤は日和くんと一緒に総理を応援してしまった自分がいた。

    この物語はフィクションだが、こんな総理が実際に居たら、日本も少しは変わるかもしれない!?

  • 映画がとても面白そうなので、原作を読んでみ
    た。
    結構分厚い本だが、マハさんの作品は読みやすく、勢いよく読み進める事が出来る。

    日本初の女性総理となった相馬凛子の夫、相馬日和が綴る日記形式で描かれている。
    この凛子総理は、本当に理想像。
    こんな決意を持った人物が、日本のリーダーになるべきだろう。
    こんなリーダーなら、私達は多少の苦労も共に乗り越えようと思う。
    まぁ実際には現れないだろうな、と思ってしまうが。

    日和の職業は鳥類学者。
    それがまた良い。
    鳥を観察するかのように、妻や回りの人々を観察する。
    そして天然?であるため、どこか可愛い。
    映画では田中圭さんが演じるようだが、あまりにはまり役すぎて、私はずっと田中圭さんで読み進めてしまった。

    皆さんのレビューを読むと、登場人物の一人、久遠さんが気になるので、「本日は、お日柄もよく」を次回読んでみよう思う。

  • 女性の総理大臣、それを見守る夫の日記。もう設定からして面白い。
    映画のキャストを思い浮かべながら読んだ。
    田中圭、中谷美紀、めちゃくちゃ合う。映画も観たい!
    スピーチライターの久遠久美が出てきて嬉しかった。映画にも出るかな?長谷川京子さんで。

    後半、凛子が妊娠してからの展開が一番良かった。
    日和さん、凛子の妊娠出産や育児の様子をもう少し知りたかったです。
    普通の会社勤めでも仕事との両立は大変なので、日和さん達がどんな風に過ごしたのか、いつかスピンオフか何かで教えてください。

  • 原田さんの政治エンタメ小説。
    田中圭さん、中谷美紀さん主演で映画化もされていましたね。

    日本初の女性総理大臣に選出された相馬凛子。
    その夫で鳥類学者の日和は「ファーストジェントルマン」として妻を支えることを決意し、その奮闘の日々を日記に綴っていきますが・・・。

    “総理の夫”になってしまった日和の日記形式で展開する物語。
    とにかく凛子さんがカッコイイです。容姿端麗、頭脳明晰、清廉潔白、キレキレの判断力と実行力・・といった、リーダーに求められるものをすべて兼ね備えたスーパーウーマンなのです。
    そんな凛子さんにベタ惚れな日和さん。愛妻家で実家が大金持ちのお坊ちゃまといった、普通なら優しくて癒し系の素敵な旦那様というところなのですが、如何せん“総理の夫”としての危機管理意識が甘くて、スキャンダルのネタに狙われたりと、その辺ヤキモキさせられました。
    税制、原発、社会福祉等々・・といった山積みの問題に真摯に取り組んでいこうとする凛子さんの姿に、実際ここまでガチに国民のことを考えて行動する総理大臣なんて登場することあるのかな・・・と、現実の政治家の方々に絶望しきっている私に、は夢物語にしか思えない虚しさもありましたが、エンタメとしては十分楽しめる内容です。
    ただ、ちょっと気になるのは日和さんにハニートラップを仕掛けようとした(?)伊藤さんの背景の真相が曖昧なままだった事です。
    後半に何事もなかったように凛子さんを応援する発言をしていましたが、「オイオイ!結局あれは何だったの?」という感じです。
    まぁ。読後感も爽やかだったし、良しとしますか。

    因みに、本作品に出てきた“スピーチライター”の方が『本日は、お日柄もよく』の登場人物のようで、そちらも今度読んでみようと思いました。

  • 凛子のような総理大臣は、わが国にあらわれるのか。

    近い将来、女性総理誕生はあると思う。
    どんな総理と夫なんだろ。

    正義だと思っていることが、一方では受け入れられないこと。矛盾ですむほど簡単なことではないことが世の中にはいっぱい。すべての人が幸せを実感できたらほんと良いけどなぁ。

    久遠さん、でてきたねー。
    ご一緒に。

  • 無意識のうちにコロナ禍の総理と比べてしまうのか…読んでると虚しくなってしまい…
    なかなか読み進められなかった。
    歴代の総理大臣も凛子さんのようだったのかな…
    うーんやっぱり虚しくなる。

  • 総理の夫たる鳥類学者の相馬日和が、日記形式で日本初の女性総理・相馬凛子の活躍を綴ったもの。
    凛子の政策は分かりやすくシンプル、沈没寸前の日本から未来へ続く日本へと改革する行動力も途轍もなく、読んでいてとても痛快だった。
    妊娠して辞任すると言った時は「あれっ?呆気ないな」と思ったけど、撤回したようで良かった。

    現在の日本の政治家に向けての著者の皮肉が効いていて、読みながら「あぁ、、日本にこんな政治家がいたらなぁ……」とため息が出てきて悲しくなってしまった。
    議員の報酬や特権見直しなど、本当に今すぐ現実でもやって欲しいことばかり…

全273件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

原田マハの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×