緑の庭で寝ころんで 完全版 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 351
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408556246

作品紹介・あらすじ

本屋大賞『羊と鋼の森』誕生前夜から受賞、そして――。単行本未収録の連載エッセイ2年分を追加収録。ファン必携の贅沢な一冊!

感想・レビュー・書評

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  • 宮下奈都さんのエッセイ集。分量も内容もたっぷりの一冊。
    これまで『神さまたちの遊ぶ庭』『わんサブ子の怠惰な冒険』を読んだが、本書は時期にするとその間に書かれたもの。『羊と鋼の森』が本屋大賞を取った際の話も。やはり既読のエッセイでもたくさん出てきた3人のお子さんたちのエピソードが楽しかった(旦那さんはあまり出てこないが、とてもキャラが立った方なのではないかと推察)。どの子も優しくて面白くて賢くて、エッセイ終了時には上の子2人が進学のため家を離れ、あの1番下の女の子が15歳になっていた。この子たちがどんな大人になるのかとても楽しみ。ぜひまたエッセイでお会いしたいと思った。大変なこともたくさんあると思うが、エッセイからは賑やかで楽しそうな毎日を想像し、とても充実した読後感だった。

  • 毎朝、少しずつ読んでいた。
    今日も頑張ろうと思えた。
    心の奥に沁みる文章がたくさんあった。
    また読み返そうと思った。

  • 「神さまたちの遊ぶ庭」のいわばその後が描かれています。
    他所様(宮下家ね)の家の子供なのに、まるで我が家のように感情移入してしまうのは宮下さんのワザなんでしょうね。すごいワザを使ってるように見えないのに見事に手のひらで踊らされてしまいます。……その宮下家のお子さんがいつか我が家の子供の顔と入れ替わり、子育てしてたあの頃をいっぱい思い出させていただきました。
    ありがとうございました。

  • 追加収録された2年分が目的で購入。
    サイン本がゲットできて嬉しい。宮下奈都さんのさりげない一言がとても嬉しくもあり心があたたまる。

    宮下奈都さんの雲一つない青空のような清々しい文章が読んでいて心地よかった。
    そして、成長した宮下家の子供たちの何気ない一言や考え方が、自分らしさとしっかりさを兼ね備えていた。
    倍以上生きている私がしっかりせねばと背中を押された気がした。

  • だいじょうぶだよ、というエッセイを断ったっていうエピソードが、すとんときた。
    だいじょうぶかどうかなんて誰にもわからない。

  • 宮下さんの紡ぐ優しい言葉たちが、やわらかな音楽をそっと奏でるようで、心地良かったです。

    宮下さんの綴る文章には、草木を伸ばす優しい雨のような恵みがあって、乾いた心にうるおいを与えてくれる。

    まるで蕾が花ひらくように、閉じていた何かが引き出される。

    自然体の自分で、穏やかな気持ちで読める、
    正に〝緑の庭で寝ころんで”読みたい陽だまりエッセイ。

  • 210505*読了
    宮下奈都さんのエッセイ集。
    エッセイ本ってそんなに分厚い本のイメージがないのだけれど、この本は分厚い!
    だって、エッセイの連載6年分に加えて、「羊と鋼の森」が本屋大賞をとった時のエピソードや新聞に載せられた書評に、掌編小説に音楽劇の原作や作詞した歌まで、盛りだくさんなんですもの。お得感がすごい。

    北海道の山奥で1年間過ごされた日々や福井での暮らし、本屋大賞受賞前後の出来事が、長男、次男、長女の3人のお子さんの様子とともに描かれていて、とてもよかった。
    お子さん一人ひとりの性格があって、それを大切にしながら子育てをされていて、作家さんとしてだけじゃなく、お母さんとしても宮下さんのことを好きになりました。
    わたしも息子がいるので、こんな風におおらかに子どものことを信じて、ともに成長していきたいと思えました。飾らない文章が素敵です。

    「羊と鋼の森」は好きな小説だけれど、強い想いを込めて、ご自身が楽しんで書かれた小説だからこそ、多くの書店員の胸を打ち、本屋大賞に選ばれたのだということが分かって、ますます好きになりました。

    あと、作家さんってやっぱり書評がうまいなぁ。
    わたしも読書日記なるものをnoteで書いていますが、まだまだだ…と勉強させていただきました。

    心に残った言葉
    小説が愛されて映画として新しく歩き始めるように、息子も新しく歩きはじめようとしている。自分の人生を一歩踏み出そうとしている。もしも途中でつまづくことがあっても、ふりかえったときに安心できるように、愛されているとわかるように、私はここにいてそっと手を振っていようと思う。

    「羊と鋼の森」が映画化された時の文章から。
    これから育っていって、楽しいことも辛いことも、いろんな経験をする息子に対して、こんな想いでそっと背中を見守っていたいと思います。愛されているとわかるように。

  • 「神様たちの遊ぶ庭」のその後や著書について、本屋大賞をとった頃の話を綴ったエッセイ

    前作で読んだ宮下家の子どもたちの事を色々思い出しました。「そうだったなぁ」「可愛いなぁ」と嬉しくなってニコニコしながら読みました。
    ポケットに何でも入れちゃう息子さん。自作の砂時計で美味しいコーヒーを入れてくれる娘さん。息子さんの時々放つ一言が鋭い。
    実生活でも子どものふとした一言に成長を感じる瞬間があります。
    何とも仲良く微笑ましい家族との日常。大自然の中での子育て。
    宮下さんのおおらかな人柄にも癒されました。


    『人生には、ときに逃げなければならないようなことが起きるけども、びっくりするほど素敵なことも、また、起きる。そこを信じられるかどうかが、生きのびる鍵なのではないか』

    『やればできる、という言葉で苦しむことはないといいたい。やってもできないこともある、と知っていて、それでもなお、やってみようと思えるほうがよほど価値があると私は思う。』

  • ほのぼのだけどチョッとホロホロなエッセイ。

  • 家族が生き生きとしている感じがして、微笑ましかった。

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著者プロフィール

1967年、福井県生まれ。上智大学文学部哲学科卒業。2004年、第3子妊娠中に書いた初めての小説『静かな雨』が、文學界新人賞佳作に入選。07年、長編小説『スコーレNo.4』がロングセラーに。13年4月から1年間、北海道トムラウシに家族で移住し、その体験を『神さまたちの遊ぶ庭』に綴る。16年、『羊と鋼の森』が本屋大賞を受賞。ほかに『太陽のパスタ、豆のスープ』『誰かが足りない』『つぼみ』など。

「2018年 『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。   』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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