- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408555430
作品紹介・あらすじ
人気芥川賞作家が、幼少期以来の愛読書や創作の源となっている本など58冊を精選して紹介。「目からウロコ」の読書エッセイ集!
感想・レビュー・書評
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芥川賞作家の津村記久子さんが、独自の感性でセレクトした58冊の読書案内。
津村記久子さんの本の紹介本、あるいは読書エッセイ。
自分の思い出や感じたことに絡めて、この本はこういうところが好き。こういうところが面白い。こういうところが素晴らしいと紹介しているのがとても良いです。
本当に好きな本なんだなぁと思えて、普段の趣味から外れた本でもぜひ読んでみたくなる。例えば、私はオリンピックやワールドカップ、WBCなどの時期でもほぼ中継やニュースを見ないくらい普段スポーツに関心がないのですが、「スポーツの本」の章を読んでいると何だかとても楽しそうに思えてきます。新しいものに興味が湧くのは、なんだかとっても素敵な感覚。
「開いたページを読んでみる」の章も楽しいです。
津村さんは図鑑などをぱらぱら読むのが好きだそうで、どこから読んでも楽しい本が一番ページを割いて何冊も紹介されています。ぱらぱら開いたページを読むのは、もったいない気がしてあまりしたことがないのですが、一冊を通して読むのとはまた別の、大げさに言うと背徳的な楽しさがありそう。
また、わたしの小さいころの思い出の本も紹介されていたのもうれしかったです。
五味太郎さんの『ことわざ絵本』。祖父母に買ってもらって、繰り返し眺めていました。一般的なことわざは全てこの本で知った気がします。五味太郎さんの絵本は色々持っていましたけど、この本と『正しい暮し方読本』を繰り返して読んでいました。ちょっと漫画みたいで楽しいんですよね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
津村記久子さんの読書エッセイ。
やっぱり津村さんの文章が大好き。
津村さんって、静かに面白い話をしてくれるんです。
大げさな感じが一切ないし、賑やかでもないのにすごく面白くて、じわじわと癖になる。
この読書エッセイも津村さんワールド全開ですごく楽しく読めました。 -
とても面白かったー。エッセイというか、自分の体験と絡めて書かれる本の紹介、というジャンルがけっこう好きだな、と最近気づいた。あれもこれも読みたいと自分の心が動くのも楽しいし、もし自分も読んだことのある本なら、こんなことを考えながら読めるんだ!と新鮮に感じたりもする。
「開いたページを読んでみる」「眺めるための本」のところがとくにおもしろい。図鑑・辞典的なものは私も好きで、その2点から買った本(そして結構な確率で目を通しきれていない本)はいくつもある。でもそういう、いつでも読める本を持っておくことがセーフティネットみたいになっているな~。
五味太郎「ことわざ絵本」が紹介されていたのが嬉しかった。私も「今自分が知っていることわざを覚えたのはすべて、他でもないこの本と、『PART-2』からだった」から。ひとつのことわざを「五味さん的に解釈したフレーズ」が併せて載っているのがとても面白かった。あー、この本、実家から回収してこようかな。 -
やりなおし世界文学 | 考える人| シンプルな暮らし、自分の頭で考える力。知の楽しみにあふれたWebマガジン。 | 新潮社
https://kangaeruhito.jp/articlecat/worldliterature
枕元の本棚|実業之日本社
https://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-55543-0 -
最近似たようなジャンルの本ばかり読んでいて勝手に「怪奇幻想疲れ」をしてしまったので息抜きに。(しかしこのあと積んでる本も怪奇幻想系ばかり・・・)
絵本と児童書/ごはんと生活/開いたページを読んでみる/眺めるための本/このぐらい頭がよかったらなあ/スポーツの本、と、いくつかのジャンルごとに章だてしてあるけれど、予想に反して全くと言っていいほど「小説」の書評がなかったのは意外でした。でもそれが逆に良かったというか、自分ではあまり読まないジャンルに、こんな面白い本があるのかとわくわくしながら読みました。
紹介されている本の大半が、著者の好みである「どこからでも読める本」で、つまり図鑑や事典、博覧誌、レシピ本やマメ知識系、写真、画集やエッセイなどで、何か読みたいけど何を読みたいかわからない、疲れていて長い物語を読む元気はないときなどに、ちょっと手に取って気軽に読めるもの。
確かに、いくら読もうとしても文字を追うだけで全然頭に入ってこないときや、自分の気分(何を読みたいか)がはっきりしないとき、集中力が続かないときなど、私も読む本に困ることがあるので、なるほどそういうときに読める手軽なお気に入りの本があるのはいいかも。
現にいま私自身、自分が好きでそのジャンルの本を選んでいるくせに勝手に怪奇幻想疲れをしているので、ひとつのエッセイが4頁程度のこの本こそが、私にとっての「どこからでもどんなテンションのときでも気軽に読める本」として有効でした。さてまた吸血鬼と幽霊とゾンビと精神異常者と不条理不可思議だらけの世界に戻るか・・・。 -
普通に過ごしていてなかなか手に取らなそうな本の書評。
作家が取材以外に、情報収集するための本ってこういう本なのかと垣間見えた気がする。 -
大好きな作家の書評エッセイを読むのはまたとりわけウレシイものだ。6年ぶりくらいの再読だがこんな本も取り上げてたんだという驚きもあり、小説を読むのと同様の津村さんの文章を読む喜びも存分に味わえて、おまけに読みたいと思う本も新たに発見した。